『外道の歌』に感じた“深さ”、共感し合う人生のルールとは
「バランスの取り方が俺らは似ている」窪塚洋介×亀梨和也が再共演を経て語るリスペクトと変化
2026.05.07 19:00
2026.05.07 19:00
窪塚洋介と亀梨和也の存在は、エンターテインメントの世界に魅了される者たちにとって永遠に特別なものだ。とくに平成中期の頃に思春期時代を過ごした人々は、多大な影響を受けていることだろう。
そんな二人の人生が時代をまたいで交差したのが、2024年12月にDMM TVで配信されたドラマ『外道の歌』だ。この初共演作で二人は「復讐屋」の“カモ”と“トラ”に扮し、唯一無二のバディ関係を築き上げてみせた。そしてこの春、待望の『外道の歌 SEASON2』も制作・配信を迎えた。
窪塚と亀梨のコンビは本作の魅力をどのように捉え、今回の「続編」の撮影に臨んだのか。互いにリスペクトし合う二人の言葉から、この『外道の歌』の核心が見えてくる──。

みなさんのおかげでどうにか救われました
──待ちに待った『外道の歌 SEASON2』が配信されてすごく嬉しいです。もともと原作のファンで、本作を観るために「DMM TV」に入ったくらいなんです。
窪塚 ありがたい話です。そういう方がいるからこそ、「SEASON2」があるわけで。
亀梨 いや、本当に。嬉しいです。
──カモが敵対する「朝食会」に捕らわれたところで「SEASON1」は終わっていました。「SEASON2」の撮影はどのタイミングで決まったんですか。
亀梨 「SEASON1」の撮影時から、この続きをやれるように頑張ろうと意気込んではいました。
窪塚 ただやっぱり、成果が出ないと続編を撮影することはできない。だから視聴者の方々があってこそなんです。続きをやれると連絡が来たときは嬉しかったな。

──ではやはり、続編の可能性を示唆しつつも、あそこで撮影は終わっていたんですね。
亀梨 そうです。カモが捕らわれたところで「SEASON1」の撮影は終わっていて、その約1年後に続きを撮影しはじめました。
──じゃあ場合によっては、あそこでこのドラマは終わっていた可能性もあったと。
亀梨 そうなんですよ。
窪塚 本当にね。
──衝撃です。だってあれから1年ちょっとの間、こちらも劇中のカモのように(捕らわれたカモのポーズで)生殺し状態でしたから。
窪塚 あの状態に(笑)。待っていてくださって、本当にありがとうございます。
亀梨 「なんやそのザマは」で我々は終わっていましたからね。
窪塚 トラはかっこいいけどさ、俺はあの状態で終わってた可能性があるんだよな(苦笑)。
亀梨 みなさんのおかげですよ、どうにか救われました。
──いざ撮影となったときの心境はどんなものでしたか?
窪塚 亀ちゃんとは本当にいいバディを組めている実感があったし、スタッフが入れ替わっていたりもするけど、いいチームが組まれていることには変わりない。「SEASON1」の時点で、監督の白石さん、原作者の渡邊ダイスケ先生、そしてプロデューサーとも素晴らしい関係性を築くことができていました。これを土台としたうえで続編を作ることができるのなら、それは間違いなくいいものになるはず。そんなことを思っていました。
亀梨 クランクインの日程についても前もって相談してくださっていたので、改めてできるかぎりの準備をして撮影に臨むことができました。

窪塚 なんかさ、すごく自然に戻れたよね。いざ現場に立ってみると。
亀梨 でも、ひとつだけ大きな変更点があって。「SEASON1」の台本は横書きだったんですけど、今回は縦書きだったんです。
窪塚 ああ、そうだそうだ。
亀梨 トラは関西弁なので、「SEASON1」のときには台本にアクセント表記もしてもらっていたんです。発音する際の音の上げ下げなどです。でもこれが縦書きになると……。
窪塚 手こずってたよね。楽譜とかも横書きだし。
亀梨 横書きの台本も最初は苦労しましたけど、僕は配信ドラマの撮影に参加するのがはじめてだったので、こういうものなんだと思って取り組んでいたんです。そうしたら「SEASON2」は縦書きだったから、いずれにせよ読みづらいっていう(笑)。
窪塚 横書きは本当に読みづらい。たしかクレームを入れた気がする(笑)。日本の現場で縦書きに慣れているのももちろんだけど、横書きの読みづらさは人間の脳の仕組みも関係しているのかもしれないね。
──お二人から見た、この『外道の歌』という作品の魅力について聞かせてください。
窪塚 まず個人的なことから話すと、カモはいままでにやったことがないような役なんですよ。ずっとサングラスをかけていて、ひたすら受けに徹しているけど、かといって何か明確なリアクションをするわけでもない。でも彼にはトラという背中を任せられる相棒がいて、このトラは非常に自由にやっているわけで。
亀梨 ユニークな関係性ですよね。
窪塚 まる一日現場にいても、俺が口にするセリフは一言だけ、みたいなこともあったり。「え、これ大丈夫かな?」と思うこともありましたけど、続編となれば、そういうものだと思ってやるんでね。この新鮮さを改めて楽しんでいました。
──物語に関してはいかがですか。
窪塚 「復讐屋」っていう設定もはじめてなんですけど、原作を3巻くらい読んだ時点で、渡邊先生のことが嫌いになりかけました(笑)。胸糞悪くて、非道な登場人物たちに対して「なんだよコイツら!」って思いながら。でも読み進めていくうちに、気がついたらファンになっていた。
亀梨 僕も最初のうちは、何度も読むのを止めてしまいました。そのときの体調も関係していたとは思うんですけどね。でも読んでいくうちに、この作品の持つ“深さ”に気がつきました。
──というと?
亀梨 この世の中を見る角度が変わるんです。「まさかそんなことが」ということが平気で起こるのが、いまの現実世界じゃないですか。そしてそこでは、善悪の価値観が一般的なものから大きく外れていたりもする。
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