2026.04.30 19:00
2026.04.30 19:00
「自分にしかできないこと」を追い求めた10年間。個人として唯一無二になりたいと願っていた梅澤美波は3年前、日本を代表するアイドルグループ・乃木坂46のキャプテンに就任した。そして今、その役目を「私にしかできなかった」と語る彼女は、誰もが認める唯一無二のキャプテンになった。
そんな梅澤美波が、5月にグループから卒業する。大きな転換期を迎えた彼女が、この春放送のドラマイズム『失恋カルタ』で連ドラに初主演。西垣匠と加藤小夏とのトリプル主演で自らの花道を飾る。
卒業することで荷を下ろすわけじゃない。重かった荷物は、ずっと前に下ろすことができた。代わりに積んできたのは、周囲からの信頼、誰も味わったことのない経験、自分を信じる心。だからこそ梅澤美波は、きっと誰よりも高く飛び立つことができる。その一歩を前にした今の想いを、演じた千波に重ねながら語ってくれた。

ずっと等身大の女の子を演じたいと思ってた
──千波は好きな仕事に就きながらもいわゆる恋愛体質のキャラクター。演じる上で、ここは自分と近いなと思ったところはありましたか。
似ているなと思ったところはたくさんありました。それこそ人から求められたいというか、認められたい願望が強いからこそ、千波は恋愛に走ってるところがあると思うんです。私も職業柄、人に認められるために頑張ろうみたいな部分があるので、そこはすごく近いなと。
あとは不器用なところとか、一個上手くいかなくなるとバタバタバタッと崩れ始めるところとか(笑)。わりと性格的な面では似ているなと思いました。それこそ仲良い子といる時のキャラクターとかも。主演3人で集まるシーンでわりと突っ込まれたりとかいじられたりするんですけど、私も仲良い友達の中ではいじられキャラなので、演じていてすんなり役に溶け込むことができました。

──役作りで何かしたことはありましたか。
それこそ色んな男性と恋をしていく段階で、友達といる時と、仕事をしている時と、恋愛の時のモードをどうやって変えていこうと考えました。本読みの段階で「ちょっと可愛すぎるかも」と井樫監督に言われて。ご指導いただきながらやっていく中で「そのままの梅澤さんでいいよ。それが千波の愛されキャラにつながる気がするから」とお話ししてもらったので、作りすぎず、色んな方とお芝居する中で引き出してもらいながら演じていった感じです。
──これまでも梅澤さんは舞台や映像と演技経験を重ねていますが、ここまでリアルに存在するキャラクターを演じられたことはなかったですよね。
そうなんですよ! すごくやりたいと思っていて。今まで演じさせていただいてきた役は、わりとファンタジー要素が強いというか、漫画原作のものとか、実際に「自分とリンクするのはちょっと難しいな……」と感じるキャラクターが多かったので、等身大の女の子を演じてみたいとずっと思っていました。それこそ今回のような会話劇だったり、ナチュラルなお芝居みたいなところを求めていたので、演じるのもすごく楽しかったし、自分が発することで過去の経験とかを乗せられた言葉もあったので、より身近に感じられたなと思います。
── 一方で、ここまで等身大のリアルな女性を演じることは、乃木坂46というグループに所属している以上、すごく覚悟がいることだったんじゃないでしょうか。
すごく覚悟して、腹をくくって「この作品やるぞ」と心に決めたのですごく思い入れが深いですし、ものすごく自分にも気合いが入ったなと思います。活動を始めて10年目で、グループとしても一番上の先輩で、色々やらせていただいてきた中で自分に足りないものは「個人でのお仕事の幅」だと思っていたので、この作品が自分のハードルというか、幅を超えられる一つになったらいいなという思いで挑みました。

──冒頭の千波との共通点でも触れられてましたが、千波の「誰かに必要とされているうちは、まだ平気なフリができる」というセリフが印象的でした。梅澤さんはこの言葉についてどう思いましたか。
このセリフを発してみて、重みがあったというか、私も本当にそうでしかなくて。それこそ自分に重ね合わせた時に、長年グループの中で活動してきて、どうやって自分を出していくかとか、どうやって必要としてもらえるように頑張るかみたいなところがすごく難しくて。これだけメンバーがいたら代わりはいくらでも作れてしまうと思うし、その中で唯一無二の存在になるためにはどうしたらいいかと考えたときに、やっぱり私でしかできないことや私にしか頼めないことで求められたい、必要とされたいとずっと望んでいました。確かに誰かから求められている事実がある時は頑張れていたなと感じるので、すごく自分の人生に重ね合わせられたセリフだと思います。
──10年間の中で、自分だけの唯一無二な部分は見つけられましたか。
それこそキャプテンをやらせていただいて、すっごい生意気ですけど……私にしかできなかったんじゃないかなと思うぐらいすごくやりがいを感じているし、色んな方から求めてもらえることも増えたので、このグループで私にキャプテンを任せようと選択をしてくださった方に本当に感謝しているというか。これはある種、贈り物だったなって今は思えます。
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