役者として、映画・ドラマ・舞台で活躍中。
ワイルドな役柄からコミカルな役柄、舞台演出までこなす久保田悠来は実は大の漫画好き。
そんな彼が毎回“◯ける”漫画をご紹介。
ウケる、泣ける、はよしとして、あの言葉やあの言葉は大丈夫ですか……?(by 編集部)
-
化ける──九龍ジェネリックロマンス
第6回 2023.04.20 17:00
今回紹介するのは『九龍ジェネリックロマンス』。 このエッセイではお馴染みのタイトル推測から始めよう。当初は表紙も相まってやはり中華風の世界観で繰り広げられる恋の話かなくらいだった。もちろんところがどっこいである。主人公は眼鏡で大人しめで清潔感もあるがどこかすれた雰囲気と色香を漂わせる不動産勤めの女性鯨井。そしてそこの同僚の男性でなぜか気になる存在の工藤。そしてその舞台となる街が“九龍”なのだ。 まず先に言いたい。この物語、絵で魅せてくれる。鯨井の地味ながら漂うフェロモンや工藤の武骨な優しさはもちろんのこと、コマ割りやコマの使い方で表される感情の機微の間が好み、てか好き。そしてそれが最大限に生か<a href="https://bezzy.jp/2023/04/23536/">…
-
ノゾケル──ダーウィン事変
第5回 2023.03.13 17:00
ダーウィン。この名前をご存知の方も多いでしょう。かくいう私もそこまで詳しいわけでもないが勿論聞き馴染みのある名前だ。 まず出てくるのがダーウィンといえば進化論。進化論の解釈は色々あるであろうし、それは専門著書にお任せするとして、私のピザのウルトラクリスピーくらいうっすい知識でパッとイメージできるのはいわゆる人類の起源と軌跡についてであり、よくみる猿からヒトになるまでのあの絵である。 そこでいつも思うのである。そろそろこの進化の法則でいったら猫あたり二足歩行してくれないかなと。めちゃめちゃ賢い猫の代表が猫の集会で司会進行を務め、たまたま夜回りしてる私にどんな理由で集まってるか教えて欲しいものであ<a href="https://bezzy.jp/2023/03/21005/">…
-
推せる──【推しの子】
第4回 2023.01.30 17:00
彼らは誰しもを惹きつける存在。 元来の意味するところは偶像。しかし今それは憧れの対象と意味を変え、彼、彼女たちに熱狂し、おかげで日々の生活に張りが出たり目標ができたり、心が潤い満たされる。何でもない毎日に彩りを与え、何でもない毎日を特別な日にすら変えてしまえる、日本の芸能史においてもジャンルを超越しどこでも活躍し燦然と輝く存在……そうアイドルである。そこで今回紹介する漫画『【推しの子】』である。 まず“推し”。 ひと昔前はアンダーグラウンドでどこかで肩身狭く世に潜んでいたこの活動が、今や市民権を獲得し大手を振って語られるまでに至った。推し活、推し事、先述した通り人々は毎日の糧にこれらの活動をし<a href="https://bezzy.jp/2023/01/17938/">…
-
キける──カラオケ行こ!
第3回 2022.10.13 12:00
ギャップが好きだ。いわゆる意外な一面なわけだが、第一印象のそれが大きく左右すると思う。しかもマイナスから入れば入るほどそれはポジティブに働くように思う。かく言う私も黙っていると怖がられること多々だが、少し笑えば良い人だと思ってもらえるのでラッキーだ。 さてそこで今回の『カラオケ行こ!』。和山やま先生は話と登場人物にギャップをもたらす天才だと思う。物語は簡潔にいうと少年とヤクザのカラオケの話だ。 ね、すでにギャップだらけでしょ。中学の合唱部部長の少年・聡実くんと歌が上手くなりたいヤクザ・成田狂児の梅雨から夏にかけての物語。歌が上手くなりたいアラフォーのヤクザがまず合唱コンクールを観に行って、優勝<a href="https://bezzy.jp/2022/10/10289/">…
-
漕げる──海が走るエンドロール
第2回 2022.08.25 12:00
タイトルからどんな漫画なのか誰しも少なからず推測する。作り手側もここに対するこだわりがないわけはない。それはその作品の印象と行く末を担うものであり大きな伏線にして回収であったりもする。そして今回とりあげる漫画はこちら。 『海が走るエンドロール』 気になる。もう気になる。我々が第一印象で浮かぶ“海”は決して走らないし、エンドロールとは映画などで暗転してから最後に流れる作品関係者たちのクレジットだ。そもそも映画大好き人間の僕は元々エンドロールのあの時間が好きだった。余韻に浸りつつこんなにも大勢の人達が作品に関わっているのだと思いながら眺めていた。近年役者になってからは、そこに自分の名前がある喜びや<a href="https://bezzy.jp/2022/08/6724/">…
-
カける──地雷震
第1回 2022.07.18 12:00
気がつけば僕はまたここに必死に“駆けつ”ける。 『地雷震』との出会いは齢19の頃…20年以上前になる。 これまでも家にあったものは何度も繰り返し読んでいたりと、漫画が好きには変わらなかったのだが、別段新しく買い足すこともそれほどなく、なんとなくな浪人生活を過ごしていた。 そんなある朝、とあるきっかけで(またその作品の時に話せるはず)どうしてもその作品が読みたくなり近所の書店に原チャリ飛ばして駆けつけ夢中で読破。そして久保田悠来に第2次漫画ブームが起こる。 しかも今度はより一層大人向けで刺激あるいわゆる青年誌を中心に。 その時に次何を読もうかなと本棚舐めまわしていたところふと目があったのが『地雷<a href="https://bezzy.jp/2022/07/3746/">…
-
アける──“◯ける”漫画
2022.07.04 00:00
皆様ごきげんよう初めまして久保田悠来です。この度Bezzyにて連載を仰せつかることになりました。 最初にジャンルは何でもいいので、何か定期的に連載をということでお話を頂きました。多種多様なテーマがある中、やはりこれまでの人生で変わらずずっと好きであり、私の人格形成や人生設計において、多大なる影響を受け、もはや有り難い事に仕事でも関わることが増えてきたものをここに記していきたいなと思いました。 ということで、『漫画』です。物心ついた頃より気づけば傍らにあった漫画たち。実家の渡り廊下の本棚で日に焼けた漫画を何度も何度も飽きずに読み返していた幼少期。兄が集め引き出しにコレクションしてた漫画を見せても<a href="https://bezzy.jp/2022/07/1607/">…