2026.04.28 19:00
2026.04.28 19:00
人はどうして恋をするのだろう。
恋なんて傷つくだけだし、大抵の恋は実らずに終わる。タイパ・コスパ全盛の時代に、恋ほど不毛なものはない。
それでも、つい溺れてしまうから恋は厄介だ。ドラマイズム『失恋カルタ』は、恋に悩みもがく20代のリアルな心情を描いた等身大のラブストーリー。加藤小夏は、恋に一喜一憂する二人の友人・千波と光とは対照的に、恋を冷めた目で見ている野田彩世を演じている。
彩世は「恋は泥沼」と言う。一方、加藤小夏は「恋は砂漠」と表現する。彼女には、恋よりももっと大切なものがあった。これは、加藤小夏の、恋と、愛と、友情の話だ。

23歳くらいまでめちゃくちゃ暗かったんです
──加藤さんの演じた彩世は、恋愛に対してちょっとシニカルなスタンスです。彼女の考え方について、加藤さんはどう思いましたか。
初めて台本を読んだときは全然わからなかったんですよ、彩世のことが。頭の中で深掘りしても「これで合ってるのかな?」ってずっと疑問だったんですけど、現場に行ってお芝居をやってみたら、あ、私と結構近しいところがあるんだというのが見つかって。
──それはどこでしょう。
あんまり向き合わないところですね。私の場合は、嫌なことを必要以上に考えないというポジティブな意味ですけど。恋愛に対して向き合わないし向き合えないところとか、私と一緒じゃんって気づきました。
──逆に言うと、台本を読んでいるときは何がわからなかったんですか。
光に対する思いですね。私だったら絶対に一緒にいない。なんでこの人は一緒にいられるんだろうというのがわからなかった。たぶんそれは人間として好きとか、友達として好きという気持ちがあるからなんだと思いますけど、それが恋愛としての好きに勝るんだっていうのが不思議でした。

──想いが届かなくても、そばにいられるだけでいいやっていう気持ちは普通にありますけどね。
え! 愛っすね、それは(笑)。愛の人なんですよ、きっと、彩世も。私はそこに到達できない。そばにいることで、いつか迷惑をかけちゃう気がして、自分から距離を置きたいと思ってしまう。好きすぎるとダメなんですよね、私。
── 一緒にいると辛いんだけど、それでも一緒にいられるだけで幸せみたいな気持ちってありません?
(即答で)ありません。
──すごい。考える時間が一瞬もなかった(笑)。
(笑)。私自身、もともとがすごくネガティブなんです。だから、傷つくのを怖がってしまう。一緒にいたくないのも、一緒にいることの幸せより、いつかやってくる辛さみたいなもののほうに目がいっちゃうからだと思います。
──冒頭でポジティブな意味で嫌なことと向き合わないとおっしゃっていましたが、そうできるのはつまり自分のネガティブな性格を自覚しているから?
そうなんです。常に逆行です(笑)。めちゃくちゃ暗かったんですよ、23歳くらいまで。見るものすべて敵くらいの気持ちで生きてきました。そのほうが楽なんです。ネガティブの引力ってすごいから、そっちに引っ張られるほうがずっと簡単だった。
でもそれじゃいけないなと、あるタイミングから思うようになって。この仕事をしている上で、そういうネガティブなところは魅力にもなるけど、私がしたいのはそういうことじゃないから。観ている人も、現場で関わる人も、みんながハッピーになるものを届けたい。そのためには、まず私自身が変わらなきゃと思って、そこからポジティブ思考の練習をめちゃくちゃしました。

──どうですか。今、ポジティブ人間になれていますか。
結構なれてます。バレないんです、本当はネガティブだってことが。現場でも、たぶん明るい子だと思われている気がします。私自身がそっちに慣れてきたっていうのもあると思いますけど。ポジティブになろうなろうと意識しているうちに、本当にポジティブになっちゃったみたいな。
──そうだと思います。さっきスタジオに入ってきたときも、すごい大きな声で挨拶してたじゃないですか。めっちゃ明るい人なんだと思いましたから。
そっちのほうが人とお仕事をする上でもやりやすいんですよね。何より私自身が楽しい。ポジティブでいることって大事なんだなって気づきました。
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