話題のホラー映画は冒険活劇?初共演作『チルド』を語り合う
「前と同じ芝居はしない」染谷将太×唐田えりか、自称凡人2人が俳優という“変な職業”に思うこと
2026.07.25 15:00
2026.07.25 15:00
出かけるときは、行きと帰りでルートを変えるようにしています
──映画では変わった人がたくさん出てきますが、お二人の身近にいる愛すべき変わった人というと、誰が思い浮かびますか。
染谷 どうなんだろうな。僕、友達があんまりいなくて、ちょっとサンプルが……(笑)。
唐田 あはは。サンプル(笑)。
染谷 まあ、でも俳優仲間で言えば柄本時生氏ですね。トッキーは、変わってるというか、面白い。ウズベキスタンで映画のロケをしていたときにいきなりトッキーから電話がかかってきたんですよ。なんだろうと思ったら、泣きながら「助けて」って言ってて。ホテルのエレベーターが止まって、一人で閉じ込められちゃったんです。で、ロビーでホテルの人に話をして助けてもらったんですけど、ドアが開いた瞬間、泣きながら「そめちゃ〜〜ん」ってハグしてきて。なんでこの人にはこういう面白いことが起きるんだろうって思いました。愛すべき変人です。

唐田 私は黒田大輔さんですね。一緒にお芝居をしていても、黒田さんって何をしでかしてくるかわからない感じがするんですよ。それこそ狂気に近い怖さがあって。
染谷 わかります。
唐田 ですよね。黒田さんとはプライベートでも仲良くしてもらっているんですけど、普段はおばあさんみたいな感じです(笑)。あんこをひたすら煮立てて振る舞ってくれて、あたたかいお茶を入れてくれて。そのほんわかした感じと、お芝居をしているときのヤバい感じのアンバランスさが、すごくおかしな人だなと思います。
染谷 僕、街でよく会うんすよね、黒田さんと。
唐田 面白いですよね。
染谷 面白い。話しかけたら、「(低い声で)また会いましょう」って去っていきました。素敵な方です。

──ではもう一つ質問です。堺たちを見ていると退屈って人の心を壊すんだなと思いました。毎日同じことを延々繰り返していると、ちょっと自分を見失いそうになることってあると思うんですけど、そういう停滞や鬱屈に陥りそうになったとき、どうやって脱出しているか、お二人が実践していることを教えてください。
染谷 そこで言うと、そもそも同じことの繰り返しにならないようにあらかじめ気をつけているかもしれないです。僕自身、そういうことがわりかし苦手な性格で。なので、役者という仕事が合ってるなと思うんですけど。たとえば、どこか出かけるにしても行きと帰りでルートを変えてみるとか。徒歩でも電車でも、同じ道で戻るのが嫌なんです。ちょっと遠回りしてもいいから、ルートを変えて帰るというのは意識してやっています。だから、ルーティンというルーティンもなくて。本当、毎日やっているのは歯を磨いてお風呂に入ることくらい。同じことを繰り返さない、っていうのは大事にしていることの一つです。
唐田 お芝居をしていく中でも思いますよね。「あれ? なんか前と同じような芝居をしていない?」とか。そういうことを考えて、すごく怖くなる瞬間があります。
染谷 わかります。「あ、これをやると前にやったのと同じになるわ。危ない危ない」みたいな。そこは気をつけていますね。

唐田 もちろん役は違うし、作品の色も違うから、違う人生のはずなんですけど、表現するのは私だから、私自身に幅がないと結局同じアウトプットになってしまう。だから、なるべく自分の時間を大切にするよう意識していますね。ちゃんとプライベートが充実して、いろんな経験ができていたら、アウトプットの幅も広がるのかなって。
染谷 あとやっぱり人に相談するのも大事だと思います。自分の考えに凝り固まっていると、似たようなアイデアしか出てこないから。他人の意見を取り入れることで、また違う表現が出てくることもあるのかなと。
唐田 わかります。それこそ今やっている作品で黒田さんに相談したんです。そしたら、そういう考えもあるのかという意見が返ってきて。行きづまりそうになったときこそ、周りの人の「こうしてみたら?」という声に乗ってみるのもいいんじゃないかなと思います。

『チルド』場面写真 ©︎『チルド』製作委員会 (NOTHING NEW・東北新社)



