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INTERVIEW

話題のホラー映画は冒険活劇?初共演作『チルド』を語り合う

「前と同じ芝居はしない」染谷将太×唐田えりか、自称凡人2人が俳優という“変な職業”に思うこと

2026.07.25 15:00

2026.07.25 15:00

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現実では絶対遭遇したくないような“ヤバい人”たちを存分に堪能できるのも、映画の楽しみの一つ。『チルド』もまた単調で無機的な毎日に狂いはじめる人々を描いた傑作ホラー映画だ。

舞台は、一見どこにでもある普通のコンビニ。だが、そこは秩序を重んじるオーナー(西村まさ彦)によって厳格に管理されていた。

24時間いつ行っても、どの店に行ってもコンビニは変わらない。現代人がすっかり慣れきったその同質性に異常性を見出したのが新鋭・岩崎裕介監督だ。効率と利便性を追求した結果、奪われた意志と個性。変わらないコンビニの風景の中でどんどん壊れていく人間たちの姿に、きっと感じたことのない笑いと戦慄を覚えるだろう。

そんな日常のすぐそこにある地獄のような本作で、副店長・堺役を演じるのが染谷将太だ。堺が密かに好意を寄せる新人アルバイトの小河役を唐田えりかが演じる。二人は、正気と狂気が入り混じる世界で何を見ただろうか。

染谷将太、唐田えりか

初号試写で声を出して笑っていました(笑)

──コンビニエンス・ホラーと銘打たれていますが、すみません、めちゃくちゃ笑ってしまいました。

染谷 いや、僕も笑いました(笑)。

唐田 私も初号試写で声を出して笑っていました(笑)。

──良かった。笑っていいんですね(笑)。

唐田 確かにホラーではあるんですけど、怖さ以上によくわからない面白さがずっと漂っているんですよね。脚本の段階から面白く読ませていただきましたが、映像になるとより面白くなって。岩崎監督って面白いな。これからどんな監督になられるんだろうってワクワクしました。

染谷 僕は冒険映画に見えたんですよね。僕の演じた堺は、ある意味無敵の男。この作品の中で実はいちばん恐ろしいのは堺なんじゃないかと思いました。彼は自分を守ることに長けているんですよね。いろんなストレスや不満が積もって爆発しそうになるけど、スッと何もなかったかのように元に戻っていく強さがある。最強の男による素敵な活劇を観た気持ちになりました。

映画『チルド』 本予告

──岩崎監督はどんな方でしたか。

染谷 すごい面白い人でしたね。

唐田 そうですね。見た目がわりとハッピーな方なので、性格もそういう感じの方なのかなと思ったら、すごくまともな印象もあって。

染谷 どっちも持ってる気がしますよね。

唐田 はい。すごく視点が鋭い方だなと思いました。

染谷 突拍子もないキャラクターを持ちつつ、ちゃんと周りが見えて配慮ができる方だなと。何か突拍子もないことをするときも、今この現場で自分がどう立ち振る舞ったらいいかを考えた上でのことって感じがしたんですよね。だから、めちゃくちゃやりやすかったです。俳優の持っているものを引き出すのも上手いですし、一緒にものづくりをしていてテンションが上がる監督でした。

──そんな岩崎監督の手によって生み出されたキャラは、誰も彼もヤバい人たちばかりです。中でもお二人がいちばんヤバいと思ったのは誰ですか。

染谷 僕が現場ですごい刺さったのは、堺の家に来る営業マンですね。

唐田 あれはヤバかったですね(笑)。

染谷 台本を読んでも面白かったですけど、実際にインターフォンの前に立たれるとより刺さったというか。あの丁寧だけどしつこい感じとか、冷たくあしらわれて腹に何か抱えている感じとか、どこか身に覚えがあるものだと思うんですよ。わりかし近くに潜んでいそうな恐怖だなというところが、すごく刺さりました。

唐田 私はやっぱり西村さんですね。あの静かな狂気がヤバかったです。実際にはあそこまでヤバい人はいないと思うんですけど(笑)。でもあんなふうに他人を支配できちゃう人って、きっとどこかにいるんだろうなという気がして。得体の知れない感じが面白いぐらい怖かったです。

染谷 得体の知れない恐ろしさがありましたね。ああいう父親だから、堺は虚無的に生きていくしかなかったんだろうなって納得してしまう説得力がありました。

──もし自分のバイト先の店長が、西村さんの演じたあのオーナーだったらどうしますか。

唐田 えー!(染谷に)どうしますか。

染谷 バイトならちょっとアリかも(笑)。暴力に走らないでいただければ、下手したら楽しめる気がします。

唐田 私もわりと興味深く観察してしまうほうだと思います。

染谷 案外接し方によっては面白くなりそうですよね。

唐田 わかります。ちょっとイジれるくらいのところまでいってみたいなって(笑)。

──たぶんバックヤードで店長のモノマネとかしてたら、監視カメラでチェックされていますよ(笑)。

唐田 そうですよね。怒られたら、今度はまた「怒られちゃったよ〜」ってネタにします(笑)。

染谷 実際、一緒にお芝居してても面白かったですしね。1回、唐田さんが西村さんのお芝居にツボっちゃって。

唐田 バックヤードで西村さんから淡々と怒られているシーンがあるんですけど、全然笑うところじゃないのについ吹き出しちゃって。あとからめちゃくちゃ反省しました(笑)。

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現場で互いに感じた「考えの読めなさ」

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PARTNERS

作品情報

チルド

©︎『チルド』製作委員会 (NOTHING NEW・東北新社)

©︎『チルド』製作委員会 (NOTHING NEW・東北新社)

チルド

2026年7月17日(金)よりテアトル新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開
配給:NOTHING NEW
洋題:AnyMart

公式サイトはこちら

キャスト&スタッフ

出演:染谷将太
唐田えりか 西村まさ彦
くるま 長島竜也

監督・脚本:岩崎裕介
プロデューサー:林健太郎 下條友里 井上淳
企画・プロデュース:NOTHING NEW
制作プロダクション:東北新社

1992年9月3日、東京都生まれ。9歳のときに『STACY』で映画デビューし、数々の作品に出演。2011年には映画『ヒミズ』で第68回ヴェネツィア国際映画祭のマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)を受賞。今年の出演作に大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』(NHK)、『シナントロープ』(テレビ東京系)、『イクサガミ』(Netflix)、映画『BAUS 映画から船出した映画館』、『風のマジム』、『ひゃくえむ。』(声の出演)、『ベートーヴェン捏造』、『爆弾』、『果てしなきスカーレット』(声の出演)、『新解釈・幕末伝』など、ジャンルにとらわれることなく幅広く活躍している。

唐田えりか

アーティスト情報

1997年9月19日生まれ、千葉県出身。
2015年、女優デビュー。濱口竜介監督作『寝ても覚めても』(18)で映画初主演を飾り、山路ふみ子映画賞で新人女優賞、ヨコハマ映画祭で最優秀新人賞を受賞した。日韓両国で活動し、近年では『の方へ、流れる』(22/竹馬靖具監督)、『無情の世界』(23/佐向大監督)、『朝がくるとむなしくなる』(23/石橋夕帆)、「Page30」(25/堤幸彦監督)など多数の映画で主演を務めている。近年の主な出演作にNetflixシリーズ「極悪女王」(24/白石和彌監督)、映画『ナミビアの砂漠』(24/山中瑤子監督)、『死に損なった男』(25/田中征爾監督)、『恋愛裁判』(25/深田晃司監督)など。

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