『102回目のプロポーズ』で共感した“笑うこと”の大切さとは
今はありのままの自分を肯定したい。唐田えりかの素直さを育む人と教え
2026.04.15 19:00
2026.04.15 19:00
大好きな祖母から教えてもらった、素直でいることの大切さ。唐田えりかはその教えを体現するように、のびやかに笑い、ありのままの自分を見せてくれた。
1990年代を代表する大ヒットドラマ『101回目のプロポーズ』。数々の伝説を残した名作が、35年の時を超え蘇る。FODで配信中のドラマ『102回目のプロポーズ』は、浅野温子が演じた矢吹薫と武田鉄矢が演じた星野達郎の娘・星野光が主人公。日本中から応援されたカップルの一人娘を、唐田が演じている。
母の道を辿るようにチェリストとなった光が、母と同じように生まれも性格もまったく異なる男性・空野太陽と運命の出会いを果たす。平成から令和へ。名作のバトンを受け継いだ唐田はどんな名シーンを演じてくれるだろうか。

光の髪型は、浅野温子さんを意識しました
──『101回目のプロポーズ』が放送されたのは、1991年。当時まだ唐田さんは生まれていませんでした。
そうですね。なので、作品の名前は聞いたことがありましたが、実際に観たことはなくて。名作ドラマの名場面特集みたいな番組で、あのトラックの前に飛び出すシーンは何回か観たことがあって。ドラマ全体は知らないけど、そこだけは知ってるという感じでした。
──じゃあ、このお話をいただいて初めて全話ご覧になったわけですね。
はい。(武田)鉄矢さんを筆頭に出ている役者さんがみなさんめちゃくちゃ自由だなというのが最初の印象でした。特に江口洋介さん演じる弟との掛け合いが、めっちゃふざけてて(笑)。観てると、勝手に笑いが出てくるんですよ。アドリブなのかなと思って観ていましたが、今回ご一緒して、大体がアドリブだったんだなと知りました。
──実際に武田鉄矢さんとお芝居をご一緒した感想、聞いてみたいです。
本当にアドリブをいっぱい入れる方なんですけど、そこでポロッと出た言葉によって、そのシーンがさらに良くなるのがわかるんです。決してその場の勢いの面白さだけでやっているわけではなく、ちゃんと全体を見て今ここで何が必要なのかを計算しながらやっていらっしゃるんだなと思いましたし、これだけ長くお芝居をやられている方だから出せる存在感や技量といったものは、本当に学びになることばかりでした。
──武田さんとは初共演だと思いますが、前室にいらっしゃるときはどんな方なんでしょう。
いちばん印象に残っているのが、鉄矢さんが大好きだとおっしゃる映画の話になって。その作品を観たことがなかった私のために、「じゃあ、あらすじだけ教えてやる」ってその場で映画の最初から最後まで全部あらすじを教えてくださったんです(笑)。
──それはもう観なくてもいいレベル(笑)。
そうなんです(笑)。しかも、「ラストのこの台詞がいいんだよ」と言いながら、本当に涙を流されて。好きな映画を語るだけで泣けるなんて、ピュアな気持ちがないとできないと思うんですね。素敵すぎると思って、その日帰ってすぐに教えていただいた映画を観ました。で、次の日、現場で「映画、観ました」とお伝えしたら、「観てくれたのか。あのシーン、よかったろ」と言って、また泣き出したんです。
──なんて感受性が豊かなんでしょう。
本当ですよね。めちゃくちゃチャーミングな方だなと思って、ご一緒して大好きになりました。鉄矢さんはお話ししだすと止まらなくて。盛り上がると、「今ちょっといいところだから最後まで喋らせて」って撮影が止まることが何度かありました(笑)。

──前作は、そんな武田鉄矢さん演じる達郎と、浅野温子さん演じる薫の恋が、現代の『美女と野獣』として感動を集めました。
今観ても色褪せないというか、むしろ新鮮に感じました。達郎みたいに笑っちゃうくらいまっすぐなキャラクターって、今のドラマではなかなかいない。むしろ今の時代にこそ必要とされるキャラクターなんじゃないかなという気がしました。
──確かに。今の感覚で達郎を見ると、やや物議を醸すかもしれません。
鉄矢さんもおっしゃっていました、「あれは恋愛ファンタジーなんだ」と。確かに現実世界に達郎がいると、ちょっと困ってしまうところがあるかもしれませんが、そうしたファンタジー要素が加わることで、コメディとしても楽しむことができましたし、だからこそ愛される作品になったんじゃないかなと思いました。
──日本中が応援したカップルの娘を演じるというのは、どんな気持ちなんでしょう。
プレッシャーを感じるところはありますが、私が感じた薫さんの女性としての存在感と、達郎さんのユーモアを引き継いだ、まさに二人の中間みたいな雰囲気が脚本にも落とし込まれていて。続編ということを気にしはじめたらプレッシャーに押しつぶされそうになるので、私はとにかくそういった光のキャラクターをきちんと表現することをいちばんに考えて撮影に臨みました。

──すでに薫は他界している設定ですが、薫を演じた浅野温子さんの面影をご自身に宿すような意識もありましたか。
わかりやすくまずは髪型から入りました。やっぱりあのヘアスタイルの印象が強いと思うんです。なので、撮影に入る前にみなさんと話して、エクステで行こうということになって。あれだけ重めのロングも久しぶりだったので、髪型だけで気持ちが変わるなと思いましたし、入り方としてはいい第一歩になった気がします。
──チェロの奏者であることも、薫との共通点ですね。
チェロは本当にしんどかったです。脳トレみたいな感じでした。右手と左手で全然動きが違うんです。演奏しているシーンは脳みそが痛くなりました(笑)。先生と一緒に楽譜を追いながら指を動かすんですけど、本当に難しくて。みなさんのお力を借りながら、なんとか乗り越えたという感じです。
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