2026.06.23 18:00
2026.06.23 18:00
できないことは誤魔化すほうがカッコ悪い
──唯一無二の関係を演じたジェシーさんとは、最後にどんなやりとりをしましたか。
直接会って話すと照れくさいので、クランクアップの前にメッセージを送りました。「ジェシーが怜治で良かった」とか、「あなたの演じる怜治が素晴らしかった」とか、思い切り褒め倒しておきました、いい印象で終わろうと思って(笑)。

──篠原さんは素敵な人だったなと思ってもらおうと(笑)。
そういう計算です(笑)。ジェシーも結構照れ屋さんで、褒められるのが苦手そうな雰囲気がしたんですね。なので、そんなに口数多く何かを伝えたということではありませんが、素直に感謝の気持ちを伝えさせていただきました。
──もう一人、ある種の相棒と言えるのが鈴木Pだと思います。鈴木Pは「私たちにはできなくても、篠原涼子ならやってくれる」という思いから、こずえ役を篠原さんに託されました。演じ終えた今、鈴木Pの期待に応えられた実感値はありますか。
亜希乃さんは、こずえを命懸けで愛している人。規律正しいとか、自分にルールを課して生きているとか、こずえに対する言葉をこれまでいっぱい亜希乃さんからいただいてきました。なんなら亜希乃さんがいちばんこずえをうまく演じられるんじゃないかなと思うくらい(笑)、こずえはこうあってほしいという亜希乃さんの思いが、毎回台本からメッセージとして伝わってきました。
なので、私はこの人になりかわるつもりでこずえをやろうと。いい加減なことをやったら、あとでどっかに呼び出されそうだなと思って(笑)。それだけは怖いので、そうならないように一生懸命頑張りました。

──「篠原涼子ならやってくれる」と思うのは、今まで篠原さんが演じてきた女性像が私たちの記憶の中に根づいているからだと思います。キャリアを重ねるごとに、自分の演じてきた作品がいろんな人の1ページに残っているんだということを感じる機会があると思うのですが、そのことについてどんな思いがありますか。
私は14歳くらいからこのお仕事に就かせてもらっていて。人生のほとんどを、この世界で過ごしてきました。だから、そういう言葉をいただくたびに、私はこのために仕事をやってきたのかもしれないという気持ちになります。
逆に言うと、普通のことって何もできないですから。子どもの学校行事があるたびに実感します。一般企業で働く経験をまったくやってこなかったので、コピーのとり方すら知りませんでした。この仕事は目立つからそんなふうに思っていただけるだけで、本当にすごいのは日々自分のやるべきことをやってらっしゃるみなさんだと思います。
──確かにやっぱり芸能の世界はちょっと特殊ですもんね。
だから、最初に学校行事でいろんなことをさせてもらったときは、恥を忍んで聞きました。「すみません。これどうやったらいいですか」って。おかげで知ったかぶりをしないというのは人生において大事なことなんだなって学びましたね。
若い頃はできなかったんですよ。20代のうちは自分から「できません」なんて言えなかった。できないことを隠して誤魔化すほうがカッコ悪いなと思うようになったのは、30代中盤を過ぎてから。
それに、そうやって教えてもらって、お母さん方の背中を見ながら真似して、できないことができるようになっていくと、大袈裟かもしれないですけど、力になって、自信に変わって、生きる糧になるんです。
そうすると、今度はチャレンジのハードルが低くなる。恥ずかしいけど、やってみようとか、言ってみようということがさらっとできるようになるんです。変なプライドはどこかに置いておいたほうがいいんだなって、年齢を重ねて思えるようになりました。

──普通のことはできないというお話がありましたが、ちなみに篠原さん、電車は乗れますか。
電車は乗れるんですよ。やっぱり子どもがいると、公共の交通機関を使う場面が多いので、電車やバスは乗ります。一人のときも、タクシーがつかまらないっていうときは、普通にバスに乗ってました。
──じゃあ、ピッはできるわけですね。
ピッはできます、Suicaで。どちらかと言うと、Suicaがない時代のほうが戸惑いました。ここからあそこの駅まで切符はいくらするんだろうみたいなのがわからなくて、いつも乗るときはちょっと不安でしたね。
──じゃあ、コンビニのセルフレジもできると。
できます。最近知りました。この間までは「何これ、どうやるの?」ってわからなくて、一人でずっと右往左往してたんですけど。今はもう得意な顔でピッてやってます(笑)。
ファストファッションのお店でも、最近は無人レジが増えてきてますよね。びっくりしました。何これと思いながら商品を置いたら、ピッをやらなくても金額がわかるんですよね。すごーいと思って。だから、ファストファッションでよく買い物をします。安いし(笑)。

──じゃあ、結構なんでもできるじゃないですか。
あ、でもパソコンのこれは全然(と、ブラインドタッチの真似をする)。
──(『ハケンの品格』の)大前春子であんなにやってたのに……!
嘘ばっかりついていました(笑)。全然できないので、いつもこうです(と、人差し指でキーボードを打つ真似をする)。
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