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INTERVIEW

最新主演作から紐解く、あけすけな素顔と長く愛される理由

「できない」を誤魔化さない。篠原涼子がプライドを手放して知った喜び

2026.06.23 18:00

2026.06.23 18:00

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いくつになっても、篠原涼子は可愛い人だ。

取材でも、少しでもこの場を楽しんでもらえるようにと、随所に笑い話を挟み込む。そのお茶目な愛嬌は、バラエティ番組で活躍した20代の頃のまま。生き馬の目を抜くこの世界で、長年にわたり第一線に立ち続けていられるのは、彼女のこうした人柄が多くの人に愛されているからだろう。

だが、役に入ると、屈託のない笑顔が魔性の笑みに変わる。地上波から配信へ。最新主演作『パンチドランク・ウーマン −脱獄まであと××日−』Season2では、愛する日下怜治(ジェシー)を自由の身とするために、再び脱獄計画を企てる女刑務官・冬木こずえを演じ切った。

半年に及んだ撮影期間を走り終え、篠原涼子は今何を思うだろうか。

篠原涼子

怜治との再会のシーンは、自分でも涙が止められませんでした

──Season1からSeason2にかけて、無味乾燥に生きていたこずえの覚醒を見事に演じていらっしゃいました。どんなことを意識して演じていましたか。

この作品を最初からずっと温め続けてきたのは、鈴木亜希乃プロデューサーや監督をはじめとしたスタッフの皆様。生みの親である亜希乃さんが納得しない限り、自分が演じる意味はないとずっと言い聞かせていました。だから、とにかく丁寧に。Season1の3話くらいまではこずえの弱いところは出さないようにしようと思って、常に無表情。凛としている女性という意識で演じていました。

そのイメージがガラッと変わるのが、第4話。その豹変をしっかり見せたいというのが、私がプランとして考えていたことでした。

──こずえの心情の変化を表すキーの一つとなっていたのが、髪でした。要所要所で髪を下ろす仕草が入っていましたが、あれは台本に指定があったんでしょうか。

あれは現場でやってみようということで生まれました。ずっと刑務官の帽子をかぶっているので、髪を下ろすだけでも、自分を解放しているように見えますよね。

──髪を下ろすことで、こずえが色っぽくも見えるというか。

それが監督の狙いです(笑)。

『パンチドランク・ウーマン -脱獄まであと××日-』Season2より

──あれってメイクも途中から変えてたりするんですか。

うーん、メイクはそんなに変えてないですね。

──じゃあ、あの妖しい雰囲気は篠原さんの力というか。

そうですね。演技です(笑)。

──今、ドヤりましたね(笑)。

あはは。あ、記事では私が自分から言っちゃった感じにしないでくださいね(笑)。

──いや、でも本当、魔性の笑みというか、人を手玉にとるような笑い方をされてたじゃないですか。

7〜8話くらいからかな。台本にも「こずえ、微笑む」といったト書きが増えてきて。そこまでずっとこずえって笑うことがなかったんですよ。演じている私まで「そういえば、こずえってどんなふうに笑うんだろう」と思わず考えてしまうくらい、まったく笑っていなかったこずえが、後半に向けてどんどんニヤリと笑みを浮かべるシーンが増えてくる。そうやって変わっていくこずえを、観ている方が思わず「この人は何を考えているんだろう」と面白く感じていただけるような笑い方というのを自分なりに追求しました。

『パンチドランク・ウーマン』Season2 予告映像

──厳格な刑務官だったこずえが怜治と出会い、道ならぬ恋に堕ちていく。立場を忘れて道を踏み外していく姿は、ともすると愚かにも見えかねません。そのあたりは、どういう見え方がいいだろうと計算されていましたか。

愚かに見えてもいいのかな、と思っていました。人間なんて完璧な人はいない気がして。完璧なところと、完璧じゃないところ。それぞれが支え合って一人の人間になる。そういう人間のリアリティみたいなものを感じられる主人公にしたいという思いがありました。

とはいえ、あまりに弱々しすぎると見ていて鼻につく。そのバランスに関してはプロデューサーと相談して、このシーンはこういうふうにやってみようかとたくさん話し合いながらつくっていきました。

──最初はインモラルな恋に溺れていくこずえを、実はちょっと引いた目で見ていたんです。だけど、Season2の第3話で再会した怜治に「会えてうれしい」と言うこずえがすごくピュアな顔をしていて、ああ、この恋はこずえにとって幸せな恋だったんだと思いました。

うれしいです。あのシーンは、自分の中でもすごく迷って。台本には泣き芝居とは書かれていなかったんですよ。でも、怜治を見ていたら涙がこみ上げてきて。これは私にしかわからない勝手な感覚なんですけど、ジェシーが演じている怜治にも、怜治を演じているジェシーにも見えたんですよね。

涙が流れちゃうと、どうしても可愛い声になっちゃうから。でも本当はもっと大人としてのこずえを描きたかったんじゃないかなという気がして。だから、いいのかなと迷ったんですけど止められなくて、最後は自然に任せようと思いました。

──いや、恋をすると、みんな女の子になるんだなっていう感じがして、すごく良かったです。

そうですか。ちょっと気になっていた部分だったので、そう言っていただけると安心します。

──あと、シンプルにやっぱり女の人って恋をするとキラキラするんだなとも思いました。

本当そうですよね。女性は怖いですよね(笑)。男性の存在でこんなにも変わるんだって。

私自身も、こずえという役に出会えて毎日幸せでした。回を重ねるごとに、どんどんこずえのことが好きになって。演じれば演じるほど、こずえに情が入っていくから、観てくださる方に愛されるこずえにしたいなという思いも強くなって。インしたときに想像していたより、ずっと濃いキャラクターになったなという実感があります。

──となると、クランクアップの後のこずえロスも大きかったんじゃないでしょうか。

もうぽっかりって感じでした。明日からどうしよう、みたいな。できることなら終わりたくなかったです。なんで終わりってあるんだろうと思っちゃう。

普通の連ドラだと撮影期間は大体約3ヵ月。それを今回は6ヵ月もできて、それだけですごくありがたいことなんです。いつもなら、やっとキャラクターが掴めてきたというところでクランクアップなんですけど、今回はそこからSeason2が撮れましたから。もうちょっとこずえを演じられるという喜びから徐々に欲が出てきて、最後のほうはまだこずえでいたいって、ずっと思っていました。

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撮影の最後にジェシーへ伝えたこと

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