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INTERVIEW

映画『チルド』で共演した二人はなぜストレスに縛られない?

「面倒くさいからこそやる意味がある」唐田えりか×くるまの心が動く“仕事”とは

2026.08.12 19:00

2026.08.12 19:00

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唐田えりかと、くるま。芝居と笑いの世界に身を置く二人は、一見するとまるで接点がないように思える。だが、実は日頃から交流があり、撮影の間も横に並びながら息つく間もなくずっと話し続けている。まさに気の置けない友人同士だ。

そんな二人が出演したのが、公開中の映画『チルド』。とあるコンビニ・エニーマートを舞台に、単調な毎日の中で少しずつ心の均衡が壊れていく姿を描いた、まさに現代の労働社会に対する強烈なサティリカルムービーだ。

なぜ人は働くと心を病んでしまうのか。仕事とストレスをテーマに、唐田えりかとくるまの二人に語ってもらった。

くるま、唐田えりか

えりかは芸人の話にめっちゃ笑ってる人

──お二人はもともとお知り合いだったんですね。いつ出会ったんですか。

唐田 あれは何年前だろうね。

くるま えりかが『極悪女王』をやったときだよね。そこに出演していた芸人と仲良くなって。

唐田 そう。で、彼女がくるまと友達で。そこから一緒に遊ぶようになりました。

くるま 芸人だらけの中に一人だけえりかがいるみたいな感じなんですよ。しかも、俺はよく知ってるけど、世間的にはまだまだ無名な後輩とも普通に喋って、めっちゃ笑ってくれるから。それを見て、みんながウケようとどんどん調子に乗るんですよ。中でもラグビー芸人しんやっていう俺の大好きな芸人の話に腹抱えて笑ってくれるんです、えりかは。

唐田 しんやはね、トップレベルぐらいに好きな芸人さんなので。

くるま いないって、ラグビー経験者以外でしんやのことをトップレベルに好きな人は。ありがたいんだけどね。

唐田 なんかもう存在だけで笑えちゃう。

唐田えりか

くるま 大きい声に弱いからね、えりかは。ただ大きい声を出してるだけで笑っちゃう(笑)。だから、僕の中では芸人の話にめっちゃ笑ってる人というイメージです。

唐田 くるまは私の中でずっと芸人さんなんだなっていうイメージ。普段喋ってるときも「これ、何かネタにできるな」っていつも考えている。一度、くるまがiPhoneにメモしているのをちらっと見たことがあって。日常の出来事とか全部メモってるんです。私はずっとアンテナを張ってると疲れちゃうので、そうやって常に芸人モードでいられるくるまのことを尊敬しています。

──そんなお二人が本作で俳優として共演しました。唐田さんから見て、くるまさんのお芝居はいかがでしたか。

唐田 芸人さんって日頃から劇場に立ってるからか、役者よりも見られることに慣れてるし、見せることにも磨きをかけている印象があって、くるまもそうでしたね。私は、お芝居を始めたての頃、緊張すると声に力が入っちゃって上擦っちゃうことがあったんですけど、そういうのが一切ない。あとは、やっぱり笑いのプロだから、普通の台詞でも面白いんですよ。なんであんなにナチュラルでいられるんだろうって思いました。

くるま そこはもう監督の岩崎(裕介)さんがわかりやすく指示してくれたからですよ。なんか、芸人っぽいんです、監督が。

唐田 確かに。

映画『チルド』 本予告映像

くるま コントの稽古みたいに「こんな感じでやってみてください」って、1回見本を見せてくれる。で、俺がやると、「それいいっすね。その声でいきましょう」って褒めてくれて。めっちゃ初心者にも優しい演出でした。

唐田 岩崎さん、お芝居がめちゃくちゃ上手いんですよ。初めての本読みのときに、染谷(将太)さんの台詞を岩崎さんが読んでいたんですけど、「染谷さんが読んでるのかな?」って思うぐらい声も寄せてて。

くるま わかる。ちょっとモノマネできるんだよなあ。肉体的にも視覚的にもセンスがいいんでしょうね。そういうところは、CM出身の方だなという感じがしたというか。自分が形にしたいものが明確に見えてる方なんだろうなと思いました。

──映画を拝見しましたが、くるまさんは人間のざらっとした感じを表現するのがお上手だと思いました。

くるま うれしいっす。監督と「こういうバイト先の先輩っていましたよね」みたいな話をして。手持ちのバイト先の先輩を出し合って、いろんな要素を足しながら、架空のちょっとウザい先輩を監督と二人でつくっていきました。もともと人の癖とか観察するのは好きなんですよ。そういうところが活かせたなと思うし、バイト経験があってよかったなと思いました。

くるま

──くるまさんから見て、唐田さんのお芝居はいかがでしたか。

唐田 褒めて褒めて。

くるま 褒めて褒めてって言われると褒めづらいな(笑)。でも、むずいと思うんですよ、小河役(唐田の役名)って。現代病に心を冒されたような人たちばっかりのマッドな世界で、唯一そうじゃない人。そこをちゃんと成立させているところはさすがだなって思いました。

唐田 やったー!

くるま ちゃんとそういう人に見えるんですよね。正義感があって、自然でもあって。えりか自身が小河みたいな人に見えてくる。あれはどういうふうにやってるの?

唐田 心が死んでいる人だらけのエニーマートで、唯一意思を持っているのが小河なんだなって脚本を読んだときに思ったから、そこをちゃんと表現しようとは思っていました。いちばん意識したのは目ですね。台詞がないところでも目から意思が伝わる存在でいたいなって。

くるま 確かに。目が生きてる感じがした。逆に染谷さんとか西村(まさ彦)さんは目を殺すのが本当に上手い。変な話だけど、生きてる人間に見えない。西村さんとかすげえ怖かったなって。

唐田 怖かったよね。

くるま オーナーとしての圧がすごかったです。西村さんとは朝礼のシーンでご一緒したんですけど、挨拶を読み上げるところとか、ちゃんと言わないと怒られるなって本気で思いました(笑)。

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二人が私生活のバイトで身につけた能力

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PARTNERS

作品情報

チルド

©︎『チルド』製作委員会 (NOTHING NEW・東北新社)

©︎『チルド』製作委員会 (NOTHING NEW・東北新社)

チルド

2026年7月17日(金)よりテアトル新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開
配給:NOTHING NEW
洋題:AnyMart

公式サイトはこちら

キャスト&スタッフ

出演:染谷将太
唐田えりか 西村まさ彦
くるま 長島竜也

監督・脚本:岩崎裕介
プロデューサー:林健太郎 下條友里 井上淳
企画・プロデュース:NOTHING NEW
制作プロダクション:東北新社

唐田えりか

アーティスト情報

1997年9月19日生まれ、千葉県出身。
2015年、女優デビュー。濱口竜介監督作『寝ても覚めても』(18)で映画初主演を飾り、山路ふみ子映画賞で新人女優賞、ヨコハマ映画祭で最優秀新人賞を受賞した。日韓両国で活動し、近年では『の方へ、流れる』(22/竹馬靖具監督)、『無情の世界』(23/佐向大監督)、『朝がくるとむなしくなる』(23/石橋夕帆)、「Page30」(25/堤幸彦監督)など多数の映画で主演を務めている。近年の主な出演作にNetflixシリーズ「極悪女王」(24/白石和彌監督)、映画『ナミビアの砂漠』(24/山中瑤子監督)、『死に損なった男』(25/田中征爾監督)、『恋愛裁判』(25/深田晃司監督)など。

くるま(令和ロマン)

アーティスト情報

令和ロマン くるま
お笑い芸人。
1994年生まれ、東京都練馬区出身。慶應義塾大学のお笑いサークルで相方・松井ケムリと出会いコンビを結成。
2023年のM-1グランプリでは、第1回大会の「中川家」以来のトップバッターかつ歴代王者の中で最短となる芸歴5年9ヶ月で優勝。さらに翌年、2024年にも優勝を果たし『M-1』史上初となる2連覇を達成した。
2026年5月16日には、Kアリーナ横浜にてコンビ史上最大となる2万人規模の単独ライブ「RE:IWAROMAN」の開催が決定。

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