2026.05.28 18:00
2026.05.28 18:00
役は役、私は私と切り分けている
──最初のうちは距離感のある伊呂波と花蓮ですが、やがて心の内を打ち明けるようになりますね。おふたりには本音をぶつけられる存在がいますか?
川島 私は伊呂波と似ていて、極限まで溜め込んじゃっている気がします。
森田 そうなんだね。
川島 話したところで解決しないんじゃないかと思ってしまったり、相手のことを考え過ぎたりもしてしまって。
森田 相手のこと?
川島 話せば私はスッキリするかもしれない。でも私に悩みを打ち明けられたことで、今度は相手が悩んでしまうかも……。そんなことを考えているうちに、どうしてもいつも溜め込んじゃって。
森田 そっか。そうだよね。
川島 それで最終的に、お母さんに電話します。母子家庭ということもあって、まるで姉妹みたいに相談できる相手で。だから仕事のことも、人間関係についても、何でも相談します。話して何かが解決するわけじゃないけれど、聞いてもらって楽になることは多いんです。

──森田さんはいかがでしょう。
森田 それでいうと、私はけっこう悩まないかも。
川島 へえ〜。
森田 うん。もちろん、まったく悩みがないわけじゃないよ。でも溜め込みはしない。たとえば、いま何か悩みが出現したとしたら、今夜の眠りに就くまでには解決する。そうしないと、そのことしか考えられなくなるから。
川島 そういうことか。
森田 悩みがあると、ご飯も食べられなくなっちゃうよ。でも、ご飯は美味しく食べたい。だからご飯を食べる前にどうにか解決する。
川島 すごいなあ。
森田 といっても、すごく小さい問題だったりするよ。駅の改札で、ちゃんとPASMOをタッチできたか分からない、どうしよう、みたいな(笑)。これを友達に言うと、「降りるときに分かるよ」って答えが返ってくる。当たり前のことだし、自分でも分かってはいるはずなんだけど、どんなに小さなものでも不安は早く取り除きたい……っていう。
──かなり過敏に、いろんなことが気になるタイプなんですかね。
森田 だと思います。「悩まないかも」と言いつつ、とにかくいろんなことが気になっちゃう。
川島 大変だ……。
──俳優は、個人の日常生活に加えて、役の日常をも生きるわけですよね。そのあたりの苦労はどうですか?
川島 私自身の悩みや問題は、時の流れが解決してくれることがあります。でもモノによっては、次に演じる役に使えそうだと気づくこともある。そういう場合は、悩んだままにして、役とともに消化していくことを目指すんです。
──自分自身に対して、俯瞰した視点がありますね。
川島 そうかも。この痛みは、あの役のあのシーンに使えるはず。そんなことをよく考えています。
森田 それは私もあるかな。
川島 ですよね。
森田 もしも演じる役に対して悩みが生まれた場合、それはいつかやってくる撮影の日に向き合わなきゃならない。でも個人の悩みは、どれもすぐには解決できないものばかりだよね。だから私はとにかく安心するために、対処法をたくさん持とうとしているのかも。

──役の感情を背負ってしまって苦しくなることはありますか?
森田 それはないです!
──即答ですね(笑)。人によっては役の感情に満たされてしまい、しんどくなってしまうことがあると聞きます。川島さんはどうでしょう。
川島 私はたまに。でも、しんどいというよりは、ポジティブに捉えますね。
森田 ポジティブ?
川島 役に入り込めているなって。
──やっぱりそこにも俯瞰的な視点がありますね。
川島 ですね。だから役の感情でいっぱいになったとしても、それは侵食されるというようなものではないかも。役は役、私は私と、ちゃんと切り分けているかもしれません。
森田 でももしも、役の感情に食べられそうになったら?
川島 自分の日常に向かって全力で引き返しますね。友達に会ったりとか。
──心を大事にしないといけない職業ですから。劇中で伊呂波はラジオ番組への投稿に夢中になっていますが、おふたりがいま夢中になっているものについてお聞きしたいです。
森田 私は去年の秋から、台湾のお豆腐スイーツの豆花(トウファ)にハマってて。今年に入ってからは、豆腐で作る黒胡麻のお餅にもハマってます。
川島 豆腐から作れるんだ。
森田 うん。レンジでチンして、簡単なの。家でめっちゃ作ってる。
川島 私がハマってるのはASMRです。
森田 ああ、ずっと言ってるよね。
川島 そう、ずっとずっとハマってて。もう抜け出せないぐらい好きなんですよね。人の咀嚼音を聞くのが(笑)。
──そういえば、『いろは』のエンディング曲には川島さんの声が採用されていますよね。
森田 そうそう! 知らなかったからビックリした!
川島 え、気づいてもらえたんだ!
森田 りりちゃんの声は分かるよ。すっごく素敵。
川島 嬉しいです。音楽を担当されている上田壮一さんからは、「伊呂波が溜め息をつくようなイメージで」とだけ言われていたのですが、まさかこんなに素敵なものに仕上がるとは……。個人的にも、本当に素晴らしいエンディングになっていると思います。




