2026.05.28 18:00
2026.05.28 18:00
姉妹を演じられるのは嬉しくて、同時に不安でした
──ちょっとここで作品のベーシックなお話にも触れたいのですが、伊呂波と花蓮というキャラクターに対して、それぞれどんな印象を持ちましたか?
川島 台本を読んで始めに持った印象は、伊呂波はすごく弱い女の子。自分の意志がなくて、ふわふわしているイメージでした。でも実際に演じてみると、その印象は大きく変わりました。彼女は絶対に曲げられないものを持っているんです。

──絶対に曲げられないもの。
川島 そうです。ただ、伊呂波はそれをうまく表現できない。でも芯の強さを持ってはいるんです。
森田 うんうん、たしかにそうだよね。
川島 完成したものを観て、ようやく気がつくこともありました。お姉ちゃん以外の誰かと接するとき、伊呂波はこんな表情をするんだなって。
森田 その伊呂波のイメージからすると、花蓮は真逆の人間だよね。でも最初のうちは、いまとは違う花蓮像をイメージしてました。
──それはどんな?
森田 自由奔放で、強さを持った女性だというイメージ。私にオファーが来たということは、つまり気の強いキャラクターを求めているはず。そう思っていたんです。でもセリフが馴染んできて、伊呂波をはじめとする人間たちと対峙していくうちに、その考えは変わった。花蓮の持つ強さは、ただの強がりでしかないと感じはじめたんです。

──本当の強さではなかったのだと。
森田 セリフを口にしていて、自然と口ごもってしまう瞬間が出てきました。彼女はたぶん、他人から見られている自分と、自分の思う本当の自分とがズレているんです。表向きは社交的なタイプだから、困った子だと思いましたね。
──この映画の成立条件として、おふたりがどんな姉妹関係を築くのかが重要だったことと思います。もともとの距離感はどうだったんでしょう?
森田 これが正式な初共演なんですけど、ずいぶん前にニアミスはしてるんですよ。
川島 うんうん。
森田 私が中一とかで、りりちゃんはまだ小学生の頃。
川島 だったと思います。
森田 ぐらいのときにね、同じ作品に。でもそんなだから、話したりする感じでもなく。この作品でようやく再会できたんです。

──お互いにどんな印象を持ってましたか?
川島 これはもう、あちこちで言っているのですが、私の憧れだったんですよ。だってカッコいいじゃないですか。だからSNSなんかも追いかけちゃったりして……。伊呂波は花蓮に対して憧れと劣等感を抱いているので、私自身のこのリアルな感情をうまく利用できたらと思っていましたね。
森田 私はこの作品で姉妹を演じられると知って、とにかく嬉しかった。と同時に、ちょっと不安だった。
川島 不安?
森田 はじめてりりちゃんに会ったときのイメージのままで止まっていたけど、いろんな作品で観ていたから、その活躍ぶりは知ってた。10代の気分が抜けないまま20代前半を終えてしまった私と比べて、りりちゃんは顔つきも雰囲気も変わった気がする。だから私たちが並んで、本当に姉妹に見えるのかなって……。

──でも長崎の環境の中で、おふたりは姉妹になっていったんですね。
川島 長崎で撮影できたことも、大きく影響していると思います。一つひとつのシーンをゆっくり丁寧に撮っているのに、なぜかいつも早く終わっていました。だから、宿に帰って自分たちの時間を過ごすこともできて。そして、翌日の現場ではまた伊呂波として生きる。とても健康的でした。
森田 分かる分かる。私は地方ロケに行くと、しっかり味わって帰りたいタイプなのですが、長崎でも堪能できましたね。それはりりちゃんの言うように、映画づくりの時間を丁寧に重ねながらも、一人ひとりが自分らしくいられる環境だったからなんだろうね。
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