最新出演映画で演じたクズ夫役の秘めた背景と本心とは
「作品ごとに芝居を変えていくのは面白い」塩野瑛久にとって“人間を演じる”ということ
2026.06.29 18:00
2026.06.29 18:00
戦隊時代の反省は、部屋を借りた場所です(笑)
──お金がないということが、どれほど人を狂わせるかが伝わる映画でした。塩野さんにも下積み時代にお金がなくて苦労したという思い出はありますか。
ありがたいことに僕はこの世界に入って1年くらいで「獣電戦隊キョウリュウジャー』に出させてもらったので、すごくお金に困るという経験はなかったんです。当時はまだ17歳。しかも一人暮らしも初めてだったので、まだ金銭感覚というものが身についていなくて。事務所から月々これくらいのお金が入りますということは聞いていましたが、それをどれくらい使っていいのかわからなかったので、全然お金を使わない生活をしていました。

──堅実!
とりあえず自炊はしたほうがいいんだろうなと思ってスーパーに行って。長ネギが飛び出したビニール袋を提げている自分を客観的に見て、なんかドラマのワンシーンみたいだなと思ったり。自炊をしてみたものの、自分一人の食事のためにわざわざ買いものをして、つくって、食べて、洗うという手間が本当に必要なのかなと疑問を持ちはじめて、結局やらなくなったり。そのうち忙しくなって洗い物もせずそのままにしていたら、1回、家の中にコバエが湧いて困ったことがありました(笑)。
──自立されるのが早かったから、そのあたりは大変でしたでしょうね。
失敗をするたびに、なるほど、こういうことをしたらこうなるんだと学んでいく感じでした。だから、引っ越すたびに「同じ過ちを繰り返さないためにも、次はこうするぞ!」と決めて。おかげでもうコバエとは縁のない生活を送っています(笑)。

──それだけ堅実ということは、最初に借りた部屋もわりと家賃が安めの郊外だったり?
撮影所の近くに住めばいいものを、僕は何を血迷ったのか、駅を挟んで反対側のところに部屋を借りちゃって。撮影所まで歩いたら30分くらいかかるんですよ。はじめは自転車で通えばいいかと思っていたんですが、途中で自転車を盗まれてしまって撮影所まで歩くしかなくなってしまいました。
戦隊の撮影って朝が早いんです。まだ日が上っていない時間から家を出るので、真冬はもう凍えるような寒さでヒーヒー言いながら撮影所まで行って。そしたら、他のみんなは家が近いからタクシーで快適そうに撮影所まで来ていたんです。そのときは、俺は何をやっているんだろうと思いました(笑)。
──それは大失敗ですね(笑)。
反省ですね。最初の1年はいろんなことに対して反省しかなかったです。

──今はもう撮影所のあたりに行く機会はないですか。
結構前ですが、久しぶりに行ったら駅前にいっぱいアニメキャラクターの像が建っていました。あれは僕の頃にはなかったものなので、時代の変化を感じました。
──逆に、まとまったお金が入って金銭感覚が狂いそうになったこともないですか。
ないです。金銭感覚に関しては狂ったことがない。たぶん超堅実です。
──それは不安症だから?
不安症だからかもしれないです。あと、そもそもそんなに高いものをほしいと思ったことがないんですよね。いわゆる時計とか車とか、男のロマンと言われるものに興味がなくて。服もそんなに高いものを買うわけではないですし。だから、金銭感覚が狂うほどの使い道がないというのもあるかもしれません。
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