ドラマ単独初主演を経て語る、客観視した23歳の現在地
自分に満足しないからこそ、この仕事を続けていられる。水沢林太郎が目指す“一つ上のステージ”とは
2026.06.03 18:00
2026.06.03 18:00
決して大言壮語を吐くタイプではない。落ち着いた佇まいに、淡々とした口ぶりは、むしろクールにも見える。だけど、無欲というわけでもない。「悔しいという感情を原動力にしてやってきた」と語る横顔に、ここまで歩んできた道のりが垣間見えた。
現在配信中のHuluオリジナル作品『メルカトル・ナイト』で単独初主演。秋には、大型ドラマ『俺たちの箱根駅伝』も控える期待の俳優・水沢林太郎、23歳の現在地とは──。

探偵役は『古畑任三郎』や『相棒』を観て研究しました
──現在、主演ドラマのHuluオリジナル『メルカトル・ナイト』がHuluで独占配信中です。水沢さんは本作のどんなところに面白さを感じましたか。
人間性がわかりやすく描かれているところが魅力の一つだなと思いました。ミステリーものは難しい作品が多いと思います。ですが、この作品はすごく入りやすい世界観で、いろいろな方に楽しんでいただける作品だと思います。
──水沢さんの演じるメルカトル鮎もとてもユニークなキャラクターでした。
言葉遣いが独特で普段の話し方と違う上に、推理ものの作品なので長い台詞を話すシーンもたくさんあり、覚えるのが大変だろうなと思いました。あとは、そこを自分がどう面白くできるか。監督とは以前お仕事をご一緒したことがあったので、一つひとつ相談しながら演じていきました。
──格好も奇抜でした。
原作の小説が全身スーツだったので、あんなふうになるのかなと予想していましたが、衣装合わせで実際に目にしたときは、「ここまで白いのか」と思いました(笑)。白と黒のスーツだけで10着ほどご用意していただいて、いろいろと合わせながら、どこまでならコスプレではなく見えるのかというのをすり合わせながら衣装合わせができたのは大きかったです。
──このビジュアルによって、立ち方とか喋り方とかキャラクターの方向性が決まったところはありますか。
ステッキやシルクハットなどの小物をうまく使えたらなと思いました。あとは、全身白い衣装なので汚さないように気をつけようと思いました。そうすると、常に気を張るんです。ですが、メルにとってはこの格好でいることが日常なので、いつでも自然でいられるように、撮影の間もなるべく白いスーツでいる時間を増やしていただき、自分に浸透させられるように心がけました。
──あの衣装だと、休憩中に物を食べるのにも気を遣いそうです。
なので比較的食べない努力をしました(笑)。といっても、お腹が空いて集中力が切れたら本末転倒なので食べやすいものは食べていました。あ、あとコーヒーが飲みづらかったです(笑)。

──こうした探偵役といえば、推理中の長台詞が見せ場の一つです。
“難しい”の一言に限ります。ただ、ある意味俳優として試されている部分でもあるなと思いました。監督から事前に役づくりをする上で『古畑任三郎』や『相棒』、『シャーロック・ホームズ』など、刑事ものや探偵ものを観て参考にするのがいいとお聞きしていました。なので、いろいろな作品を観て参考にさせていただきました。
現実では説明台詞を長々と話すことがないので、それを当たり前のように話さないといけない。でも、ただ話しているだけだと面白くない。一つひとつの動作や目線に感情を乗せていく工夫が必要で、そこは勉強になりました。
──ちなみにそういった古今東西の刑事ものや探偵ものを観て、何かヒントになったものはありますか。
句読点の位置を変えてみるのは面白いのかな、と思いました。たとえば普通、人が話す時は「。」で止まると思うのですが、そこを「。」で止まらずに「、」で止まってみる、みたいなことをやっていました。そうやって音を区切る位置を変えてみるだけで、少し印象が変わるので、監督と相談しながら話すスピードやトーンを変えてみるということを、メルはやってみてもいいのではないかなと思いました。あとは、感情をどれくらい乗せるかなども相談しながら演じていました。
── 一般的に探偵って、感情を乗せすぎないというか、前のめりにならないイメージです。
冷静な人のほうが多い気がします。でも、メルに関しては感情が出やすくてもいいのかなと思いました。そしたら、監督もそんなに冷静な人間ではないのではないかという解釈だったので、そのあたりはもしかしたら他の探偵ものよりわかりやすく出ているような気がします。

──インする前に自分で試したり考えたりする部分と、現場に入ってから決める部分。芝居のウェイトはどちらのほうが大きいタイプですか。
現場のほうが大きいと思います。一人で準備するにも限度があり、そこで頭でっかちになった結果、何もできなかった経験も結構あったので、今は現場で周りの方と話しながらつくっていくことに比重を置いています。
特に今回はメインの登場人物が須賀(健太)さんと恒松(祐里)さんと僕の3人しかいなかったので、お二人とお芝居させていただきながら生まれた間(ま)であったり感情というものが、最終的にメルというキャラクターをつくっていったような気がします。
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