ドラマ単独初主演を経て語る、客観視した23歳の現在地
自分に満足しないからこそ、この仕事を続けていられる。水沢林太郎が目指す“一つ上のステージ”とは
2026.06.03 18:00
2026.06.03 18:00
基本的に、自分に満足する時間が短い気がする
──水沢さんは10月から放送のドラマ『俺たちの箱根駅伝』にもランナー役で出演します。役づくりとして走り込みもされていたと聞きました。アスリート役として説得力が感じられる体づくりには、どんなふうに取り組みましたか。
監修に入っていただいた先生方に食事からトレーニング方法までいろいろと教えていただきました。あとは、ランナー役が僕含め17人いて、みんなそれぞれ思いを持って体づくりに取り組んでいたので、彼らの意見を参考にしつつ自分のできることをやっていました。

──学園ドラマを筆頭に同世代の多い現場によく出演されている印象がありますが、同世代の俳優は水沢さんにとって仲間ですか。それともライバルですか。
都合のいい言い方をすると、半分半分です。基本的には仲間だと思っています。でも、競い続けないといけないライバルでもあります。特に今回いただいた浩太という役は、周りの人たちよりも頭一つ抜き出ないといけないと思っていたので、負けてやらないぞという気持ちのほうが大きかったかもしれません。
──水沢さんは15歳で今の事務所(研音)に入っています。この8年の時間の流れは早く感じますか。それとも長く感じますか。
早いほうだと思っています。8年でここまでやらせていただけたのは研音にいたからできたことです。逆に研音にいたからできなかったこともあるのかもしれないですが、その取捨選択を事務所の方と一緒にできたから、このスピード感でここまで来れたのかなと思います。
もちろんその間に、自分で言うのもなんですが、苦労してきた部分もあると思います。ただ、この世界にいて苦労をしないわけがないので、僕もそこを苦痛だとあまり思っていないんです。そういうことも含めて、比較的早い段階でここまでやらせていただけているなという感覚があります。
──今おっしゃった苦労って、たとえばどういうことをイメージされていますか。
たとえば、若いときからこの仕事をしていますが、かといって子役という年齢でもなく、大人かと言われると、大人の年齢でもない中、一般的な社会経験もしないまま、大人の世界で戦わないといけなかったので、そういう意味ではどういう選択をして、どういう大人になるかということは、すごく難しいところでした。
──おっしゃる通り10代なら同世代はまだ学生です。その中で、水沢さんは大人に囲まれて仕事をして、いろんなものを見てきました。当時、水沢さんはたとえば今ぐらいの年齢になったときに、どういう大人になりたいと思いながら道を進んでいったのでしょう。
明確にこういう大人になりたいというのはありませんでした。ただ、自分は悔しいという感情を原動力にしてやってきた節があるので、一つステージを上げるために今何をすべきかということは常に考えて、努力してきました。

──水沢さんの思う「一つステージを上げる」というのは、たとえば主演を張るとか、メジャーな大作に出るとか、そういうことでしょうか。
人気があればある分だけ得をする世界だと思っているので、人気が出てステージを上げられるなら、そこは必死こいて頑張りたいと思っています。
ただそれとは別に、自分の中での大きなテーマとして、一度ご一緒した方ともう一度お仕事をするということがあります。その回数が増えれば増えるほど、ある一定のものがあるんだと認めていただけたことになるかなと思います。それが自分の自信につながるし、新しい作品や役と出会えることでまた勉強にもなります。それが僕の中で「一つステージを上げる」という感覚に近いのかなと思います。
──2025年は、『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』で大河ドラマに初出演。『おいしい離婚届けます』で初めて連ドラの主演を務めました(前田公輝とW主演)。傍目には着実にステージを上げられているように見えますが、ご自身ではどう振り返りますか。
まだまだだなと思います。去年は、自分の力のなさを感じることのほうが多かった気がします。記録としていいものを残せていたらうれしいのですが、実力としてはまだまだ足りないと感じることが多く、より一層頑張るしかないなと思いました。
──その足りなさというのはどういうときに感じるんですか。
お芝居でうまくいかなったときです。
──それはオンエアをチェックして?
僕は自分のオンエアは観ないです。
──じゃあ現場でモニターを見たりは?
しないです。

──では、うまくいかないというのはどういうときに認識するんでしょうか。
相手とお芝居をしている時間です。僕が自分の芝居を客観視する時間でもあるので、基本的に、僕は自分に満足する時間が短い気がします。でも、満足しないからこそ、この仕事を続けられているんだと思っています。
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