2026.04.27 19:00
2026.04.27 19:00
見た目は柔和な王子様。でも、中身はひねくれ屋で、ちょっとドライなリアリスト。西垣匠は、甘くて苦いキャラメルソースみたいな男の子だ。
そんな彼がドラマイズム『失恋カルタ』で演じているのは、オープンリーゲイの青年・馬路光。恋人・陸と甘く幸せな時間を過ごしているが、ゲイであることをカミングアウトしていない陸との間に生まれるズレが、二人の関係に波風を立てていく。
恋愛に対し、やや依存気味な光に対し、合理主義の西垣はどんなジャッジをくだすだろうか。

「察して」は僕も苦手です(笑)
──西垣さんが演じる光は、恋人に対して自分にできることをしてあげたいと思うタイプ。そんな光のことをどう思いましたか。
好きな人のことをなんとかしてあげたいという気持ちはわかるし、辛いときに手を差し伸べたいと思うのもわかる。けど、この人がいないと生きていけないみたいな気持ちはあんまり共感できなかったですね。と言っても、理解できないというわけではないので。自分の中にあるそういう気持ちを大きくしていったら、光みたいな感じになるのかなと。
僕はもし恋人と別れたとしても、それでマイナスになるっていうタイプではないんです。あくまでプラスだったものがゼロに戻るだけ。そういうスタンスなので、ちょっとドライなところはあるのかもしれない。
──なるほど。それこそ失恋しても、ドーンとヘコんだりするタイプではない?
そうですね。元に戻るだけだから、そんなにヘコみはしないと思います。
──好きな人に何かしてあげたい気持ちはわかるということですけど、西垣さんだったら具体的にどういうことをするんですか。
なんでもしますよ。なんか食べたいと言われたらつくりますし、どこどこに行きたいって言われたら連れていくし。向こうが求めるものに関しては、できる限り応えようと努力すると思うなあ。
──ここで光と陸のややこしいところは、光がなんでもしてあげることで二人の間に上下関係が生まれちゃってることなんですよね。
そこなんですよね。どっちかだけがギバーになっていると、上下が生まれて、やってあげてるほうは自分の意見が通ると思うし、やってもらってる側は負い目を感じて折れなきゃいけないと思い込んでしまう。それだとストレスになるから。お互い得意なことをやって、苦手なことは相手にやってもらうみたいなイーブンな関係をつくっていかないと難しいんだなって、演じていて思いました。

──このドラマはそのあたりがすごくリアルで絶妙ですね。第1話で出てきた「察してコミュニケーション」とか苦手な人も多そうです。
僕、すごく苦手なんですよ。というか、「察して」に関してはわかった上で無視します(笑)。
──なるほど(笑)。たとえ相手の言いたいことがわかったとしても。
でもちゃんと言ってないよね、みたいに思っちゃう。やってほしいことがあるなら、口に出して伝えなさいよと。それは恋愛に限らず、対人関係全般に言えることですね。
──大変西垣さんらしいお考えです。
昔からこういう人間なんですよね。こうしてほしいんだろうな、ということはわりとわかるタイプだと思うんです。ただ、それに対して応えるかどうかは僕の自由なので(笑)。
──「会いたい」って言わずに、インスタのストーリーに「寂しい」ってコメントだけつけてアップするのとか嫌いそうです。
絶対嫌です(笑)。そんなの面倒くさすぎる! だったら、「会いたい」ってちゃんと言ってくれたほうが全然いいです。「寂しい」って言われると、「なんて言ってほしいんだろ」と思っちゃうんですよね。僕は、そういう人は好きにならないです。
──たぶん相手の望む回答をするのが好きじゃないんですね。
そうですね。ひねくれているので(笑)。

──光も光で、喧嘩して部屋を飛び出した後に、相手が追いかけてくるのを待つムーブをしちゃうところがあります。
あれはちょっと面倒くさいですよね(笑)。光とわかり合えないなと思ったのは、まさにそこが一つのラインです。自分の言いたいことは言うだけ言っておいて、何も解決していないのに部屋から出ていくみたいな行動は、ちょっと子どもすぎるなと。
──もし西垣さんだったらば。
解決に向けて議論します。「何が嫌なの?」「どうしてほしかったの?」って。そう言うと「なんで自分で考えないの?」って言われると思うんですけど、そこはもう「ごめん、俺、本当にわからないから解決策教えて」って言います。
──なんだか恋愛というより、上司との面談みたいです。
確かに(笑)。前提として喧嘩とかが苦手なんです。誰も好きな人はいないと思うんですけど、いい気がしないじゃないですか。だから、できるだけ最短ルートで解決したくなる。その結果、まず感情論みたいなものをすべて排除して話し合おうとするので、そういう会話になるんだと思います。

──こんなことを言うのもあれですが、恋愛に最短ルートを求めちゃダメです……。
そうですよね……。だから、向いていないんだと思います、本当、シンプルに。
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