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INTERVIEW

ベテラン俳優たちの会話劇『海をゆく者』が9年ぶりに復活

「70歳だなんて笑ってしまう」小日向文世が今もなおストレートプレイで緊張する理由

2023.12.15 12:00

2023.12.15 12:00

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自分が好きなものを人に伝えたいのかな

──『スカパン』では久しぶりに串田和美さんの作品に出演されたわけですが、いかがでしたか?

楽しかったですね。相変わらず串田さんはいい加減だなーって思いながら(笑)。串田さんはね、「あえていい加減に創る」人なんですよ。いわゆるストレートプレイとか「翻訳劇」とかそういうカテゴリがない、そうじゃない世界とでもいうのかな。そうすると役者たちは不思議と楽しく舞台に立てる。僕はそうやってずっと自由劇場にいたんだよな、というのを思い出しました。そこで育ったから、ストレートプレイは未だに緊張するんでしょうね。

──現在、息子さんお2人も俳優として活躍されていますが、『スカパン』では長男の小日向星一さんと共演されていますね。以前別のインタビューで星一さんが「稽古場で父親がとても喋るのに驚いた」と語られていました。

(笑)。稽古に入る前は息子がいるとどうなるのかな、息子の前でやるのも何か嫌だなーとか思ってたんですけど、いざ稽古に入ると串田さんの演出で自分がどう創り上げていくかということに必死になるわけです。また、息子が串田さんの目指している方向に向いているかどうかも、傍から見ているとわかるわけですよ。だから気づいたらどんどん言っていたという……やっぱりそこは、自分が串田さんのもとで19年間教わったことを少しでもみんなに伝えなくては、そう思いましたし、そこに必死になりましたね。また串田さんもうまく「そこ、説明してよ」っていう空気を作るんですよ(笑)。

──息子さんたちとはお互いの作品や演技の話などはするのですか?

しますよ! 例えば、「今こういう作品をやっててここで迷ってるんだけど」という相談を受けることも多いし、動画を撮っていればそれを見てアドバイスしたり、「駄目だよこんな芝居したら」とか言ったりします(笑)。妻も同じ劇団にいた人ですから、家族みんなでそういう話をする感じかな……あ、でも妻は舞台を観に来ても、息子たちには感想を言うのに僕のことは一切言わないんですよね。それはちょっと腹が立つんだけど(笑)でも妻は劇団で後輩の立場だったから、そこは気にしてるのかな……。

──「寝る前に音楽を聴くのが日課」とお伺いしたのですが、せっかくなので最近のおすすめをお伺いしてもいいでしょうか?

僕は毎晩聴く人は大体決まっていて、一番よく聴くのはアンジェリーナ・ジョーダン。最近だと、ビートルズ最後の新曲が出ましたよね、「Now And Then」。あれがお気に入りです。実は僕の場合は単に曲を聴くだけじゃなくて、ちょっと変わった聴き方をするというか……YouTubeとかに、音楽を聴いたときの「リアクション動画」ってあるの知ってます? あれを観るのが好きなんですよ。

──海外の人が国内外の曲を聴いてその反応や感想を答えている動画ですよね。

そうです。曲を聴くのも好きなんですけど、その曲を「初めて聴く人」のリアクションが見たいんですよね。このリアクション動画もものすごい数が上がってるから、曲も何回も聴くし、すごい人数のリアクションを見てるという(笑)。人が自分が好きなものを聴いて感動していると、自分も嬉しくなっちゃうんですよね。自分が好きなものを人に伝えたいのかな。Uruさんとかもずっと聴いてるんですけど、彼女なんかはデビュー前にいろんな人のカヴァーを歌ってるのを聴いて惚れ込んじゃって。

──ジャンルに関しては結構幅広い感じですか?

そうですね、YouTubeでそういう聴き方をすると関連動画で出会いもあるし、あと息子たちが聴いている音楽を教えてもらうこともあるし。だからリアクション動画で一番好きなのはアンジェリーナ・ジョーダンなんだけどONE OK ROCKの「We are」という曲を海外の人が聴いている動画も大好きです。最高だからみんな観てみてください(笑)。BUMP OF CHICKENとかも大好き。そう考えると本当に音楽は日常に欠かせないものですね。動画でみんなのリアクションを見つつ、「いいでしょー!?」って思いながら、休日の前夜は延々とお酒を飲んでいます(笑)。

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作品情報

海をゆく者

『海をゆく者』メインビジュアル

『海をゆく者』メインビジュアル

海をゆく者

2023年12月7日(木)~2023年12月27日(水)
会場:PARCO劇場
上演時間:約3時間(休憩20分含む)予定
料金(全席指定・税込):
・10,000 円
・ペアチケット18,000 円(枚数限定/一般発売日より先着販売/当日券取扱なし)
・U-18チケット3,000 円(観劇時18歳以下対象)
・U-30チケット5,000 円(観劇時30歳以下対象)
新潟、愛知、岡山、福岡、広島、大阪でも公演予定

公式サイトはこちら

スタッフ&キャスト

作:コナー・マクファーソン
翻訳:小田島恒志
演出:栗山民也
出演:小日向文世、高橋克実、浅野和之、大谷亮介、平田満
美術:松井るみ/照明:小笠原純・木下尚己/衣裳:前田文子/音響:高橋 巖/ヘアメイク:佐藤裕子/演出助手:坂本聖子/舞台監督:加藤 高・松嵜耕治/宣伝美術:河野真一/宣伝写真:岡田貴之/宣伝ヘアメイク:西岡達也/宣伝スタイリスト:森保人/宣伝PR:る・ひまわり/宣伝映像:尾野慎太郎/パンフレット編集:金田明子/プロデューサー:佐藤 玄/制作:千葉文香・梶原千晶/製作:宇都宮誠樹/後援:アイルランド大使館/企画・製作:株式会社パルコ/後援:TOKYO FM

小日向文世

アーティスト情報

1954年1月生まれ。北海道出身。”77年にオンシアター自由劇場に入団。
”96年の解散以降は映像でも活躍。”08年フジテレビ系列連続ドラマ『あしたの、喜多善男』では初主役。”11年の舞台『国民の映画』で第19回読売演劇大賞最優秀男優賞を受賞。”12年公開の映画『アウトレイジビヨンド』では第86回キネマ旬報ベスト・テンで助演男優賞を受賞。“16年から『ぶらり途中下車の旅』の3代目のナレーターを務める。最近の出演作としてTBS『下剋上球児』がある。

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