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新旧楽曲を織り交ぜた熱演の一夜

Superflyが3年ぶりの有観客ライブでみせた新境地、過去と未来を同時に照らした15周年記念公演

2022.11.26 18:00

2022.11.26 18:00

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自分の昔の歌声を初めてかっこいいと思えた

ライブが始まる前の緊張が観客を前にしたとたん吹き飛んだことは前述したとおりだが、「On Your Side」が終わったタイミングで「ドキドキしていると言ったけど、全然そんな感じはない。みんなと一緒に15年間、作ってきた空気があるから、ここ(ステージ)にすっと戻ってきている。安心している」と彼女は言った。それは「On Your Side」までの8曲が紡ぎ出した彼女の心境の変化なのだと思うが、「コール&レスポンスができないことが悔しい。それでもみんなに絡んでいきたい(笑)」と観客に拍手を含めたリアクションを求め、即、観客が大きなリアクションを返した時には、「楽しい! 私、すごく楽しい!」と極々自然に心の底から湧き上がってきた言葉も飛び出してきた。

そして「Voice」では、オペラを思わせるコーラスとダンサブルなリズムでSuperflyのチャレンジングな姿勢をアピールした後、「15周年の記念のライブなんですけど、新曲もやってしまいました。まさかこんなに早く披露できるなんて思ってなかったのでとてもうれしいです。いい意味で、いつものライブの感じがしている」と志帆は完全にライブの手応えを取り戻していることをアピール。続けて、今回の15周年記念のライブに向けて、過去の音源を聴き直した時のエピソードを披露する。

「その時、自分の昔の歌声をすごい、かっこいいと思いました。粗削りなんだけど、エネルギーもあって、今の私には真似できないと思った。以前は常に進化していたいと思っていたから、そんなふうに思ったことはないんだけど、初めていいと思えました。そんな昔の私と今の私が合体している。そういうおもしろい状況で、みんなに歌声を届けられて、すごく幸せです」

それこそが15年を経て、辿りついたSuperflyの新境地なのだろう。終演後、会場を出る時に来場者に配られた志帆からの手紙には“過去の自分たちを尊敬できたし、今の私も負けないぞ!とエネルギーが湧いてきました”と書かれていたが、昔と今の自分の合体とは、そういうことなのだと思う。

本編の最後を、この15年間を振り返るさまざまな映像を流しながら、「Stating Over」で締めくくると、鳴りやまない拍手と無数のスマホの灯りに応え、ハイトーンの歌声でたたみかける「Beautiful」と、「もう何年やってないんだろうってくらい、めちゃくちゃ久々の楽曲を歌いたい」と「愛と感謝」、そして、今年8月に配信限定シングルとしてリリースした「Presence」の3曲を披露した。

ここでも志帆は自らの心境を物語る印象的な言葉を残している。観客全員ができるだけ近い距離で見られるように初挑戦した円形ステージについて言った「みんなのパワーを360度いろいろなところから受け取ることができて幸せです」は、まさにライブの相乗効果を物語るものだと思うが、「Presence」を演奏する前に言った言葉こそがこの日、誰もが聴きたかったものだったような気がするから、ちょっと長くなるが、書き記しておきたい。

「どんな15年を過ごしてきたのか考えました。歌を歌うことと歌詞を書くこと、そしてメロディを作ること。この3つを真剣に考えてきた15年間でした。でも、こうやって聴いてくれるみんながいるから本気にさせてくれたと思います。本当にありがとうございます。以前はその3つしかできない自分はもっとがんばらなきゃと思ったこともあったけど、最近はものすごく心が軽やかで、私にできないことを任せられるプロフェッショナル達と新しいものを作るのは、なんて楽しいんだろうと思っています。そういう出会いがあるってことは幸せです。まだまだ続けたいと思う今日この頃。そんなポジティブな気持ちでみんなと再会できたことがうれしいです。まだまだついてきてね、みなさん!」

最後に演奏した「Presence」は高校サッカーを題材にしたテレビアニメ『アオアシ』のオープニングテーマとして書き下ろした曲だが、「“Get Back!! ”に込めた気持ちを乗せて歌いたいと思います」と言ったこの日、曲が持つ爽やかさは15年を経て、また新たな気持ちで音楽に取り組む志帆の新境地を表現しているように、そして疾走感は、これからやってくる未来を見たいと逸る彼女の気持ちを表現しているように聴こえた。そして、そんな曲を、観客がじっと聴き入っている光景がとても印象的だったのだ。

写真:神藤剛/カワベミサキ

セットリスト

Superfly 15th Anniversary Live “Get Back!!”
2022年11月23日 有明アリーナ

M1. Bi-Li-Li Emotion
M2. タマシイレボリューション
M3. Hi-Five
M4. ハロー・ハロー
M5. 輝く月のように
M6. フレア
M7. Wildflower
M8. On Your Side
M9. 愛をこめて花束を
M10. Beep!!
M11. マニフェスト
M12. Force
M13. Alright!!
M14. ダイナマイト
M15. Voice
M16. Starting Over

ENCORE1. Beautiful
ENCORE2. 愛と感謝
ENCORE3. Presence

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イベント情報

Superfly Arena Tour 2023

Superfly Arena Tour 2023

2023年6月17日(土) 横浜アリーナ
2023年6月18日(日) 横浜アリーナ
2023年7月1日(土) 新潟・朱鷺メッセ
2023年7月8日(土) ポートメッセなごや 第1展示館
2023年8月11日(金・祝) 仙台・セキスイハイムスーパーアリーナ
2023年8月19日(土) 広島グリーンアリーナ
2023年8月26日(土) 福岡国際センター
2023年8月27日(日) 福岡国際センター
2023年9月2日(土) 愛媛武道館
2023年9月3日(日) 愛媛武道館 
2023年9月23日(土) 札幌・真駒内セキスイハイムアイスアリーナ
2023年9月30日(土) 丸善インテックアリーナ大阪
2023年10月1日(日) 丸善インテックアリーナ大阪

Superfly Arena Tour 2023

越智志帆によるソロプロジェクト。
1984年2月25日生まれ、愛媛県出身。

2007年にシングル『ハロー・ハロー』でデビュー。
翌年には1stアルバム『Superfly』をリリースし、オリコンアルバムランキング1位を記録。以降、オリジナルアルバム及びベストアルバム計6作品でオリコンアルバムランキング1位を獲得。

デビュー当初からライブパフォーマンスへの評価も高く、2009年にはニューヨーク郊外で行われたウッドストック40周年ライブに日本人として唯一出演し、ジャニス・ジョップリンがかつて在籍したBig Brother & The Holding Companyと共演。

2008年「愛をこめて花束を」が大ヒット。
その後も「Alright!!(2009)」「タマシイレボリューション(2010)」「輝く月のように(2012)」「Beautiful(2015)」「Ambitious(2019)」「覚醒(2019)」等数々のドラマや映画主題歌を歌いヒット曲を生み出す。

2019年11月、NHK連続テレビ小説の主題歌「フレア」をリリース。
同年秋には自身最大規模となる全国10箇所15公演のアリーナツアー『Superfly Arena Tour 2019 “0”』を敢行し、全公演完売で11万人を動員。

2020年1月には、ほぼすべての曲の作詞作曲を越智志帆自らが手がけた6thアルバム『0』をリリース。
また、コロナ禍においては、リモートで制作した楽曲「Together」のリリースや、初の連載エッセイ「ウタのタネ」(新潮社運営「考える人」)を開始。11月に開催された初のオンラインライブ『Superfly Live at Studio "Sing Together"』は大盛況を収め、大晦日には「NHK紅白歌合戦」に出場。東京フィルハーモニー交響楽団との共演で「愛をこめて花束を」を歌唱した。

2021年8月にYouTubeで公開された『Superfly Online Live "うぶ声"』では、神秘的な洞窟内でのアカペラ披露の他、未完成の新曲「Voice」を発表。
2022年4月4日のデビュー15周年記念日にデジタルシングルとしてリリースを迎えた「Voice」は、“不安な世の中だからこそ自分の気持ちを声に出していく”ことの大切さが表現されており、重厚なコーラスとダンサブルなサウンドのアレンジが加わってSuperflyの節目の幕開けにふさわしい一曲となった。

5月にはボートレース2022新CMシリーズ「アイ アム ア ボートレーサー」の主題歌「ダイナマイト」、8月にはTVアニメーション『アオアシ』第2クールオープニングテーマ「Presence」と、立て続けに新曲をデジタルリリース。
11月23日には有明アリーナにてデビュー15周年を記念した一夜限りのスペシャルライブ『Superfly 15th Anniversary Live “Get Back!!”』を開催し、約3年ぶりの有観客ライブを大成功に収めた。
12月には、映画『イチケイのカラス』の主題歌「Farewell」をデジタルリリース。
荘厳なゴスペルとドラマティックなストリングス、そしてSuperflyのエモーショナルな歌声が織りなす、心を揺さぶる感動的なビッグバラードに仕上がっている。
大晦日には5年連続6度目の「第73回NHK紅白歌合戦」に出場。2023年5月には7thアルバム『Heat Wave』をリリース。コロナ禍を経て制作をし、越智志帆が肌で感じた繋がりを歌った曲が多く収録されており、「情熱」と「癒し」を重ねもった焚き火のようなアルバムが完成。2024年2月からは東名阪を廻るアリーナツアーの敢行が決定し、精力的な活動を続けている。

シンガーソングライターとしてのオリジナリティ溢れる音楽性、圧倒的なボーカルとライブパフォーマンスには定評があり、デビュー17年目を迎えてもなお進化を止めずに表現の幅を拡げ続けているアーティストである。

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