映画『シャドウワーク』の現場で初めて見せられた姿とは
「やっと自分を大人として認められるようになってきた」奈緒がルールに縛られず謳歌する30代
2026.10.02 19:00
2026.10.02 19:00
自分に嘘はつかないと決めてから、ずっと気持ちが楽になった
──では最後はそんな奈緒さんの価値観について伺わせてください。映画の中で「ルール」という言葉が何度も出てきますよね。奈緒さんは自分に対してルールを設けるタイプですか。
あんまり設けないですね。どちらかと言うと、その日その日で生きていると言ったほうが近いかもしれません。

──ルールを設けないのはどうしてでしょうか。
ルールを決めちゃうと、ルールに追われている感じがして苦しくなっちゃうんですよね。で、つい破りたくなってしまう。だから、あんまり決めないようにしているんだと思います。
──ということは、先々の予定を立てるのもあんまり好きではないですか。
予定はめっちゃ決めます。もう私のスケジュール帳を見せたいくらい、こんな大きいスケジュール帳を持ってて、そこにびっしり書き込みます。まず先にここは絶対何も仕事を入れないというところを決めて、そこから残りの予定を埋めていくという感じですね。
あと、ルールはあまり決めないと言いましたが、30歳になってから決めたルールが一つだけあります。
──なんですか。
自分に嘘はつかない、です。

──どうしてそのルールを立ててみたんですか。
さらっと自分自身に嘘をついているなと気づいた瞬間があったんだと思います。生きていると日々がものすごいスピードで流れていくじゃないですか。そうすると、どうしても自分の心にちゃんと問いかける時間もなく、つい同調してしまうときがあって。それって自分に嘘をついているのと同じなんじゃないかと思って、まずはそれをやめようと思ったんですね。流されてうなずくのではなく、わからないと思ったことは素直にわからないと言っていい。そう決めてからは、ずっと気持ちが楽になった気がします。
──なるほど。「これはあんまりしたくないな〜」と思うことも、無理をせず「しない」と決めたり?
それもありますし、したくないことをするときに今までだったら「私はこれがしたいんだ」と自分に思い込ませていたんですね。それをやめて、「したくないんだけど、してる」という自覚を持ってやるようにしています。やりたくないのに喜んでやってるフリをすると嘘になるから、そうやって誤魔化すんじゃなく。やりたくないって気持ちに素直になってみるだけで、同じしたくないことをするのでも全然気持ちが違うし、やってみたら意外とよかったという変化にも気づけるようになりました。

──現在31歳。30代は慣れてきましたか。
はい。めちゃくちゃ楽しいです。
──それは何が変わったんでしょうか。
何が変わったんだろうな……。やっと自分のことを少し大人として認められるようになってきたのかもしれません。他者からも大人として認識されるようになってきて、責任を持っていろんなことに取り組めるようになったことで、ちゃんと自分の意志で物事を選んで進めていってるんだという実感を持てるようになった。そういう確かな手応えがあるから、日々が楽しいんだと思います。

映画『シャドウワーク』場面写真 ©佐野広実/講談社 Ⓒ2026「シャドウワーク」製作委員会



