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INTERVIEW

映画『チルド』で共演した二人はなぜストレスに縛られない?

「面倒くさいからこそやる意味がある」唐田えりか×くるまの心が動く“仕事”とは

2026.08.12 19:00

2026.08.12 19:00

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30代はもっと“仕事”がしたいと思っている

──では、次の質問です。そうしたストレスを生む温床となっているのが、仕事です。仕事に対する考えは人それぞれ。お二人にとって、仕事とはどういうものかを語ってください。

唐田 (くるまに)語ってください。

くるま いや、語ってくださいじゃなくて(笑)。苦手なんだよな、仕事の話するの。というのも、僕の仕事に対する感覚って、みなさんが抱いているそれとは違う気がして。やりたくてやってることだから、あんまり仕事だという意識でやっていないんですよ。そういう自分が仕事の話をするのは、どこか失礼な感じがしてアレなんですけど、あえて逃げずに言うと、僕の場合、ただただやりたいことをやらせてもらってる時間みたいな感じですね。僕の中で、「仕事=やらなきゃいけないもの」なんです。だから、普段やってて仕事してるなって感じがしない。ストレスが溜まんないのも、それが理由でしょうしね。

──もともとストレスの溜まるような仕事をしたくないという将来設計はあったんですか。

くるま したくないとまで強く意識してないですけど。なんとなく楽なほうに流れていったらお笑いやってたって感じなんです。ずっとその延長で仕事をやっていて。だからこそ、今はあえて自分に負荷のかかるようなところをやりたがってるのかもしれない。こうやってお喋りするのは得意だけど、じっくり脚本を書いたりするのは苦手なんです。今あえて苦手な映画づくりを頑張ってしているのは、30代になって、今さらで恥ずかしいですけど、“仕事”をしたくなっているんでしょうね。

唐田 私にとって仕事は人生の一部という感じですね。決して仕事がすべてじゃない。お芝居も、自分を表現できる手段がたまたまお芝居だったという感覚があって、もし私に絵の才能があったらそっちの道を選んでいたかもしれない。たまたまお芝居というものを見つけられたから、今この仕事をやっているんだと思います。

──いずれにせよ表現はしたかったんですね。

唐田 したかったと思います。なんでなんですかね。小さいときからカメラが好きで、よく小学生の頃はカメラを持ち歩いていろいろ撮ってたりして。何かを表現することには興味がありましたし、自分にとってその手段が何かをずっと模索していました。

──お二人とも、今はやりたいことを仕事にできているわけですが、一方で仕事にした以上、成果が求められます。すごくプレッシャーのかかることだと思うのですが、成果を出すために普段からどういうことを心がけているのかを教えてください。

唐田 くるまって何を考えてるの? 聞きたい。

くるま いや、でもこの手の話って、結局僕がすでに結果を出しちゃってるから、なんとでも言えるじゃんという話なんですよね。僕がやっていたのは、とにかく自分なりに成果を出すためのプロセスを考え抜くこと。それだけです。そこに集中していれば、ここまでやったんだから絶対合ってるって自信を持てるので、プレッシャーもそんなに感じない。今、サッカー漫画の『カテナチオ』にハマってるんですよ。そこでも「結果がすべてじゃない」「結果がすべてと信じて努力した過程がすべてだ」という話があって。そうだよねってめっちゃ共感しました。

唐田 芸人さんの場合、M-1みたいにわかりやすく目指す場所があるじゃないですか。役者ってそういうのがあんまりはっきりしていない気がして。もちろん賞はありますけど、私自身、賞がほしいみたいなことを考えて現場にいるわけじゃないから、プレッシャーに感じることもないんですよね。

くるま たとえば役者さんの場合、こういう映画に出られるようになりたいとか、そういうのはあるじゃない? じゃあ、そこに呼ばれるためにどうすればいいみたいなことは考える?

唐田 うーん。難しいんだけど、結局この世界って人と人とのつながりだなって感じがしない? そういう作品との縁も人との縁によるところが大きくて。だから、私にできることは、とにかく自分の役割をまっとうすることでしかないのかなと思っている。目の前のお仕事を1本1本大事にやっていこうって、今はその気持ちがすべてかも。

くるま そうか。確かに役者の成果ってちょっとわかりづらいかもね。そもそも何がいい芝居かみたいなのも曖昧だし。だから、目の前のことを頑張るしかないっていうえりかの答えは、わからんでもないかもしれない。

──じゃあ最後の質問です。映画では、淡々と続く労働社会の中で心を壊してしまった人がたくさん出てきます。どうやったら心を殺さずに、もっとハッピーに人は働き、生きていけると思いますか。

くるま 僕、ルーティーンって、体にはいいけど、心にはあんまり良くないところがあると思ってるんですよね。ルーティン化することで作業時間を縮めて、その余った時間で豊かなことしましょうってみんな言ってますけど、要はルーティンって無意識でやることじゃないですか。その時間は心が1ミリも動いていない。一見効率的なんだけど、そこで溜まったストレスを解消するために、その何倍もの時間がかかるから、あんまり意味がない気がして。それよりも僕は心が動くことのほうが大事だと思う。ちょっとしたことも心を動かしながらやったら、心の運動になって健康になる。あくまで僕の経験をベースにした答えとして受け取ってほしいんですけど、何でもかんでもルーティン化させすぎないほうがいいんじゃないかなって気がします。

唐田 私は面倒くさがらないことを大事にするようにしています。人と会話するときも「これを言ったら、こう思われるかもしれない。だったら、面倒くさいからそもそも言わないでおこう」みたいなことってよくある気がして。でもそうやって面倒くさがってると、いろんなことが味気なくてつまらないものになってしまう。だったら、私は面倒くさがらないで、ちゃんと関わっていきたい。むしろ面倒くさいからこそやる意味があるし、やれるんだって考えるようにしています。

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PARTNERS

作品情報

チルド

©︎『チルド』製作委員会 (NOTHING NEW・東北新社)

©︎『チルド』製作委員会 (NOTHING NEW・東北新社)

チルド

2026年7月17日(金)よりテアトル新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開
配給:NOTHING NEW
洋題:AnyMart

公式サイトはこちら

キャスト&スタッフ

出演:染谷将太
唐田えりか 西村まさ彦
くるま 長島竜也

監督・脚本:岩崎裕介
プロデューサー:林健太郎 下條友里 井上淳
企画・プロデュース:NOTHING NEW
制作プロダクション:東北新社

唐田えりか

アーティスト情報

1997年9月19日生まれ、千葉県出身。
2015年、女優デビュー。濱口竜介監督作『寝ても覚めても』(18)で映画初主演を飾り、山路ふみ子映画賞で新人女優賞、ヨコハマ映画祭で最優秀新人賞を受賞した。日韓両国で活動し、近年では『の方へ、流れる』(22/竹馬靖具監督)、『無情の世界』(23/佐向大監督)、『朝がくるとむなしくなる』(23/石橋夕帆)、「Page30」(25/堤幸彦監督)など多数の映画で主演を務めている。近年の主な出演作にNetflixシリーズ「極悪女王」(24/白石和彌監督)、映画『ナミビアの砂漠』(24/山中瑤子監督)、『死に損なった男』(25/田中征爾監督)、『恋愛裁判』(25/深田晃司監督)など。

くるま(令和ロマン)

アーティスト情報

令和ロマン くるま
お笑い芸人。
1994年生まれ、東京都練馬区出身。慶應義塾大学のお笑いサークルで相方・松井ケムリと出会いコンビを結成。
2023年のM-1グランプリでは、第1回大会の「中川家」以来のトップバッターかつ歴代王者の中で最短となる芸歴5年9ヶ月で優勝。さらに翌年、2024年にも優勝を果たし『M-1』史上初となる2連覇を達成した。
2026年5月16日には、Kアリーナ横浜にてコンビ史上最大となる2万人規模の単独ライブ「RE:IWAROMAN」の開催が決定。

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