2026.06.24 19:00
2026.06.24 19:00
ハリウッドの大手マネジメント会社と契約を結んだことが話題を呼んでいる新世代の才能・下津優太。その監督最新作『NEW GROUP』が公開された。
今回、下津が選んだ題材は組体操。学校の校庭で突然一人の生徒が組体操を始めた。一人、また一人と参加者が増え、やがて校庭には巨大な人間ピラミッドが──。その奇異な光景から炙り出されるのは、この社会に蔓延する同調圧力や群集心理の暴走だ。
山田杏奈は、そんな狂気に満ちた集団社会と対峙する主人公・愛を演じている。自らを「量産的」と語る彼女は、個性というものをどう捉えているのか。そこには愛らしいベビーフェイスとは対照的な、タフな気骨とクールな知性があった。

日体大のみなさんには、「ありがとうございます」の気持ちでいっぱいでした
──とてもインパクトのある映画でした。街中の人が組体操をしているという世界観を最初に聞いたとき、どう思いましたか。
最初は想像がつかなかったです。どうなるんだろうって。監督が「組体操が攻撃してきて」と説明してくださったんですけど、聞きながら「はあ……」という感じでした(笑)。
でも、私自身、いわゆるサイコホラーと呼ばれるジャンルを観るのが好きですし、下津さんの前作(『みなに幸あれ』)も観ていたので、下津さんがこの題材を映画にしたらどうなるんだろうというのに興味があって参加させていただきました。

──人間ピラミッドは現場で人力でつくられたそうですね。
そうなんです。中に土台みたいなものは入れていますけど、表は本当にみなさんがやっていて。これだけの人の顔がずらっと並んでいる光景ってなかなかないじゃないですか。私も小学生のときに運動会で組体操はやりましたが、改めて見ると畏怖の念を抱くのもなるほどなという感じがしました。
──しかもこのピラミッドをやっているのは、日本体育大学体操部の方々と聞きました。
現場で実際に拝見して、みなさんの身体能力の高さに驚かされることばかりで。またリーダーの方がとてもカリスマ性のある方だったんです。こういう人が率いているから、これだけのパフォーマンスができるんだなって。今回の作品は、日本体育大学のみなさんの協力があってこそ実現した映画だと感じています。
──みなさんが組体操をしている前では、迂闊にNGが出せないなって気になりますね。
本当にそうですね。みなさんの顔がどんどん歪んでいくのがわかるんです。つらいのは見ていてよくわかるので、とにかく怪我のないように、組体操のシーンはいい意味でピリッとした緊張感がありましたね。
──劇中では、そんな組体操をした人たちが襲ってくるシーンもあります。
日体大のみなさんが監督と相談しながら奇妙に見える動きをつくってくださるんですよ。しかもそれを真顔でやるから余計に不気味で。ちょっと見てはいけないものを見ているような感じがしました。

──カットがかかった瞬間、組体操をしていた人はどんな雰囲気になるんでしょう。
「は〜〜っ!」って一斉にみなさんから息が漏れていました(笑)。難しい体勢をずっとキープしないといけないから本当に大変なんです。終わった瞬間、すごい息切れされていたし、「しんどい」とおっしゃっていて。それを見ながら、もう本当に「ありがとうございます」という気持ちでいっぱいでした。
──山田さんも劇中で組体操をやっていましたね。
衣装合わせのときに、青木(柚)くんと一緒にどれにしようかって組体操の本を見ながら試してみたんです。キノコという組体操だったり、他にもパターンはあったんですけど、見た目とやりやすさのバランスを考えると肩車かなと。でもやってみたら、結構つらかったです。子どものときに肩車をしてもらった記憶があるんですけどね。あの頃の身体能力はすごかったんだってちょっと思いました(笑)。

──大人が子どもを肩車するのとはわけが違いますからね。
そうなんです。同じサイズの人間同士で肩車をするのって結構大変なんです。「せーの」で息を合わせないとバランスがとれない。やってみて日体大のみなさんのすごさを実感しました。
次のページ
