2026.05.19 18:00
2026.05.19 18:00
演技というものについて、そして今関心のあるものについて、目を輝かせながら答える。現在20歳の林芽亜里が口にする言葉たちは、どれも飾ったところがなくて等身大だ。俳優としてのキャリアはまだ2年ほどだが、一つひとつの作品との出会いが彼女の人生に変化をもたらしてきた。
そんな林が映画に初出演。宮岡太郎監督の『Erica -エリカ-』にて、ヒロインにしてタイトルロールのエリカを演じている。普段は可憐な女性だが、ときに狂気をのぞかせる、かなりエキセントリックなキャラクターだ。本作でもまた、新たな気付きや変化があったという。
はじめての映画作品を通して、林の人生はどのように広がっていったのか。芸能界デビュー10周年を迎えた林芽亜里が、ありのままの言葉で語る。

新しい扉を開く予感がしました
──これが林さんにとって、俳優としてはじめて参加した映画作品になりましたね。
映画にはずっとチャレンジしてみたかったので、その夢が遂に叶いました。それも、『年下彼氏2』(2024年/朝日放送テレビ)でご一緒した宮岡さんの作品。出演が決まったときはすごく嬉しかったです。
──それにしても、一本目からすごい映画に出ましたよね。ジャンルとしてはサイコホラーです。
そうなんです(笑)。サイコホラーと聞いて、期待と不安が入り混じった感情になったのを覚えています。ワクワクした気持ちがあるいっぽうで、果たしてちゃんと自分に演じられるのかどうか。でもこれは私に巡ってきたチャンスだし、役を任せていただいたので、とにかく全力でヒロインのエリカのことを理解しようと思いました。
──演じるのはどういう役どころなのか、出演のお話がきた時点で具体的に聞いていたんですか?
企画書を読んで知りました。普段のエリカは可愛らしい人物なのですが、じつは異常なまでの執着と狂気を秘めたキャラクター。主人公の辰樹さんと彼女の出会いが、サイコホラーへと発展していきます。それまでの私はこのタイプの作品を観る機会がなかったので、新しい扉を開くことになるかもしれない。そんな予感がしました。
──サイコホラーとは馴染みがなかったのに、演者としていきなりその世界に入っちゃったと(笑)。
なかなかないパターンですよね。サイコホラーとの出会いが、まさかこういう形になるとは(笑)。
──それから脚本を読んでみて、どんな印象を持ちましたか。
これはとんでもない作品だ……と思いました。
──とんでもない作品?
エリカ個人の持つ異常な性質が、この作品と固く結びついています。だから彼女のキャラクターが、そのまま作品の印象になる。そんな大役のポジションを演じさせていただくのはとても嬉しかったですが、正直なところ、ちょっと身構えてしまいました。

──作品の印象を決定付けるような役どころに対して、ですか。
それもあります。これがはじめての映画なので。でもそれ以上に、エリカという女性を演じることに関してですね。私と彼女はまったく異なる思考回路を持っていて、年齢的には同じでも、その生き方はまったく違います。現場に臨むにあたって、エリカのことを理解していけるのかどうか。すごいところに足を踏み入れようとしている実感がありました。
──でもエリカって、たしかに異常なところはあるけれども、自分たちと違う世界の住人だとは思いませんでした。寂しさを感じたり、誰かに嫉妬したり。彼女の根っこにあるものは、自分たちも持っているものだなって。
そういうふうに感じてくださって、嬉しいです。私自身もこの物語に触れてみて、エリカの異常さに身構えつつも、エリカの気持ちが分かる部分もありました。いまおっしゃったように、エリカの抱える孤独や寂しさは、私たちの誰もが持っているもの。彼女は他の人よりも、この孤独や寂しさに対する感度が高いんです。
「愛されたい」と思うのって、すごく普通のことですよね。だから私はひとりの女性として向き合おうと決めました。

──感情が振り切れたときのエリカは恐ろしい行動をとりますが、観ていて恐怖しつつも、同時にちょっと悲しくもなりました。
彼女の場合は、孤独の埋め方が異常で、こうじゃないと、と思い込んでいるだけなんですよね。といっても、あんな埋め方は完全にアウトですけど……。
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