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INTERVIEW

理想と現実の狭間を描く快作ホラー『みなに幸あれ』の舞台裏

古川琴音×下津優太が考える幸せの意味 受け入れるべき“人の業”とは

2024.01.31 18:00

2024.01.31 18:00

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この映画をつくった2年間は、自分にとって幸ある2年間だった

──本作はホラーですが、お2人が怖いと思うものは何ですか。

古川 私はクジラが怖いんです。私にとってクジラは、深海の真っ暗な中、目だけギョロッと動いている大きな生き物というイメージで。わからないことがたくさんあるせいか、漠然と怖くて。上野公園にあるクジラの像とか本当に怖いんですよ。

下津 クジラ限定なの? 深海自体が怖いの?

古川 クジラが特に怖くて。深海って、深くて暗くて、よくわからない要素が多すぎるじゃないですか。たぶんそれが怖いんだと思います。監督はありますか。

下津 何だろう。出てこないなあ……。

──この映画の世間の評価とか怖くないですか。

下津 それは怖いです(笑)。それでいきましょう(笑)。たとえば原作があったら、まだ逃げ道はあるんですけど、この作品は原作・監督・編集まで全部僕。だから、評価は全部僕に来る。それに耐え得るメンタルがまだちょっと弱いんですけど、戦っていかないといけないですね。

──もうエゴサはしましたか。

下津 今日(※映画公開日に取材)、ちょっとしました(笑)。

古川 すごい! 勇気ある!

──では、お2人が幸せを感じる瞬間は?

古川 甘いものを食べているときですね。甘いもの全般好きなんですが、中でも洋菓子ならショートケーキ。和菓子だったら大福。王道の王道が大好きです。

下津 『イエスタデイ』という映画の中に「幸せになる秘訣を知りたいか? 愛する女に愛を伝え、ウソをつかずに生きることだ」という台詞があって、その台詞が大好きなんですね。僕はその台詞をモットーに生きています。

『みなに幸あれ』メイキング ©︎2023「みなに幸あれ」製作委員会

──改めてですが、本作が下津監督にとっては長編初監督作品となります。

下津 新人監督の1本目がオリジナル作品で、古川琴音さんに主演いただき、こんなに自由につくらせていただけるなんて、本当に幸運でした。自分の心のパンツを脱いで、すべてさらけ出してつくれた手応えがあるし、出来上がった作品にもとても満足しています。この映画をつくった2年間は、自分にとって幸ある2年間でしたね。

古川 下津監督の長編初監督作品はこの1作しかないので、それに関わることができたことはすごいラッキーだったなと思っています。やっぱり作品って出会いだと思うので、これからもひとつ一つの出会いに誠実に向き合いながら、この仕事を続けていきたいです。

──出演はもとより普段からいろんな作品をご覧になっている古川さんですが、最近ハマっているエンタメ作品はありますか。

古川 今ハマっているのは、『BEASTARS』というアニメです。肉食獣と草食獣が通う学校で、草食獣が肉食獣に殺される「食殺事件」が起きて……というお話で。キャラクターがみんな動物なのに、人間よりもずっとヒューマンドラマなんですよ。動物たちが本当にカッコよくて、動物だからこそ純粋な気持ちがスッと入ってくる。ここ3日間、ずっと観ていて。今日も鹿が泣いているのを見て泣いてきました(笑)。

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作品情報

みなに幸あれ

©2023「みなに幸あれ」製作委員会

©2023「みなに幸あれ」製作委員会

みなに幸あれ

2024年1月19日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
配給:KADOKAWA

公式サイトはこちら

キャスト&スタッフ

出演:古川琴音 松大航也
原案・監督:下津優太
総合プロデュース:清水崇
脚本:角田ルミ
音楽:香田悠真
主題歌:「Endless Etude (BEST WISHES TO ALL ver.)」Base Ball Bear
製作:菊池剛 五十嵐淳之
企画:工藤大丈
プロデューサー:小林剛 中林千賀子 下田桃子
助監督:毛利安孝 川松尚良
統括:古賀芳彦
撮影:岩渕隆斗
照明:中嶋裕人
録音:紙谷英司
美術:松本慎太朗
スタイリスト:上野圭助
メイク:木戸友子
CG:橘剛史
製作:KADOKAWA ムービーウォーカー PEEK A BOO
制作プロダクション:ブースタープロジェクト

1996年10月25日生まれ、神奈川県出身。2018年にデビュー。
NHK特集ドラマ『アイドル』(22年/NHK)、大河ドラマ 『どうする家康』(23年/NHK) 、『ACMA:GAME アクマゲーム』(24年4月期放送予定/日本テレビ) や、映画『十二人の死にたい子どもたち』(19年/堤幸彦監督)、『花束みたいな恋をした』(21年/土井裕泰監督)、『偶然と想像』(21年/濱口竜介監督)、『今夜、世界からこの恋が消えても』(22年/三木孝浩監督)、『スクロール』(23年/清水康彦監督)、『雨降って、ジ・エンド。』(24年公開予定/髙橋泉監督)、『言えない秘密』(24年公開予定/河合勇人監督)など、注目作品に続々登場している。

1990年福岡県北九州市出身。大学在学時よりTV-CMを監督。現在東京にて活動中。
CMやMVの企画・監督をする傍ら、短編映画の制作も努める。
〈受賞歴〉
・Spikes Asia 2015:フィルム部門 ブロンズ(2015年)
・Spikes Asia 2016:エンターテイメント部門 ブロンズ(2016年)
・佐賀広告賞 金賞(2015年・2016年・2017年)
・東宝主催 ショートホラーフィルムチャレンジ 大賞(2020年)
・第1回YouTube ホラー映画祭 特別賞(2021年)
・KADOKAWA 主催 日本ホラー映画大賞 大賞(2021年)

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