1stアルバムにみるバンドの“今”を砂原良徳×LEO今井が語る
「結果いい形になった」TESTSET、想定外を選んだ先の想定内
2023.07.12 18:00
2023.07.12 18:00
仕事仲間として仲良くなることは大事
──今回のアルバムでまりさんが「気づいてないんじゃないの？これがいるよ」って作った曲とかありますか？
砂原 あったっけ？曲がどうのっていう訳じゃないですけど、アレンジとかそういうことをやってる中ではあったかもしれないですね。ただ今こうやって見るともうわかんないんだよね（笑）。あの、ライブのことばっかり考えちゃって、もう最近は。
LEO まあでも「ちょっとピクルスが欲しいね」っていうのは言ってたのを覚えてる。アルバムを7〜8曲を通して聴いてる時に「全部なんかエビフライ定食とかハンバーガーみたみたいな感じ」だから。
──メインばかりだと？
LEO うん。で、アルバムの全体像を考えて、ちょっとピクルス的なやつが欲しいかもって言って、砂原さんに色々過去のデモの残骸を探してもらって。
砂原 そういう未整備のものが本当にいっぱいあってね。
LEO 6曲目はそんな感じでしたね。
砂原 「Heavenly」っていう、ちょっとアシッドハウスみたいな。
──アルバムの中では軽妙な感じがします。
砂原 ああ、そうですか。さっき言った通り、あんまりカレーだのハンバーグだのエビフライだの洋食屋な感じ──まあ好きですけども、やっぱりなんかちょっと箸休め的なね？ そういうバランスが欲しいっていうふうに作ってる時に思った瞬間っていうのがありましたね。で、ある程度やっぱ進んでこないと見えないんだよね、全体がね。
LEO うん。
砂原 だから最後の方にしか打てない手っていうのはどうしてもあって。まあ、にしても次はもうちょっと余裕持ってやりたいなあっていう（笑）。
──今回は全員で作ろうっていう感じだったんですか？
砂原 「曲書いてよ」っていうふうに言いましたね。去年、忘年会みたいなのでみんなで集まってご飯食べた時。「みんな曲書いてよ」とは言いました。
──忘年会で「みんな曲書いてよ」と。
砂原 集まってね、まあ全然関係ない話でもいいんですけどもその中に何か……。
LEO あ、メールとか電話で伝えるよりもってことですか？
砂原 いややっぱり会って話さないとわかんないことってありますね。
LEO 会って、あとはやっぱ交流しないとダメ。仕事仲間として仲良くなることは大事だと思います。
砂原 例えば近年、コロナ騒動のときにウェブ会議だとかなんだとかっていうことはいろいろありましたけども、やっぱり情報量はかなり少ないと思いますね、あの方法っていうのは。
──そこで取り逃すものがあると。
砂原 シンプルにわかりやすい例で言うと例えば10人で会議やるじゃないですか。で、話す時は必ず発言権を取ってからじゃないと話せないじゃないですか。例えば10人いて「昨日何やってたの？」って隣の人と話す、ウェブ会議だとこれは全くないわけですよ。
LEO （笑）。
砂原 これは会議には直接関係ない話ですけれども、じゃあこのプロジェクト全体に全く影響しないかっていうとそうではないと自分は思いますね。だからまあ4人で会って全然関係ない永井くんのウサギの話とかしたとしても、それが無関係かっていうと無関係だとは思えないんですね。
──バンドのマインドみたいなところですね。ところで早い段階でこれはもうアルバムになりそうだなあっていう確信が持てた曲はありますか？
砂原 そもそもアルバムを作ろうと思って曲出しをしてもらってたので、それがいい形になるかどうかっていうことで言うと、まあ僕とLEOくんはちょっと前からやってるんで割とお互いのことわかってるんですけど、未知数なのが永井くんと白根さんで。そこがちょっとわからなかったんですけども、まあいい結果だったと思いますね。アルバムの中でその曲がないと困るっていう曲をちゃんと作ってくれたかなっていうふうには思います。
──白根さんの楽曲はエレクトロニックというより80年代のエレポップのような印象で。
砂原 まあそうですね（笑）。そういうアイコン的な音が結構入ってるし、アレンジもメロディラインもそうですね。あの曲はデモがもうすでに完成度高かったもんね。
LEO そうですね。ちょっとエイティーズっぽさもあって、ちょっとダフト・パンクっぽい感じもあってなんかすごいポップな曲だなと思って。「これいいじゃん」と思って歌ってみたら全然歌えなくて。
砂原 （笑）。
──「Japanalog」が？
LEO うん。彼の作るメロディが。デモは白根さん本人が歌ってるんですよ。で、それ聴いて「すごいいいな」と思って自分が歌おうとしたら「あれ？」みたいな感じになって。 何回かちょっと録り直したりもして、サビのメロディを自分らしくちょっと変えて出来上がった感じですかね。
──聴きやすさもあるけど歌詞はなかなか辛辣です。
LEO そうですね、うん。
──それはもう最近のLEOさんの傾向かもしれない。
LEO そうです……（笑）。なんて言うんですかね、そういうブルータルまで行かないですけれども、いろんなブルータリティが滲み出るような歌詞がやっぱりいいなと思ってます。
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