2026.08.30 15:00
©︎乃木坂46LLC
2026.08.30 15:00
“信じてほしい”と披露された最新シングル
終盤に差し掛かり突如スクリーンに投影されたのは一ノ瀬美空のドキュメンタリー。その名前が読み上げられた42ndシングルの選抜発表時をはじめ、“泣かないと決めていた”という決意を語るインタビューフィルムでもあった。一ノ瀬といえばそもそもタレント性も抜群で、マインド的にも強い稀代のスーパーアイドルで普段の姿が見えにくい。見せないつもりでいるというよりはそれこそが自然体のイメージ。ロックアーティストで言えばデヴィッド・ボウイというか、その対比で言えば、例えば今の菅原咲月でフィルムを作ったら感涙の内容となったはず。一ノ瀬美空らしいフィルムは、一層強くあり続けるという彼女なりの決意表明だった。

フィルム明けは生の一ノ瀬のはつらつとした笑顔。やっぱり彼女には満面の笑顔が似合う。こうした一ノ瀬の気高さにむしろ他のメンバーが心を揺さぶられているようにも見えた。賀喜遥香センターでおなじみの「真夏日よ」、さらにはちょうど10年前、齋藤飛鳥が初センターを飾った「裸足でSummer」を川﨑桜が担ってのステージング。川﨑はこの春大学を卒業、1st写真集を発売してからグッと大人っぽくなったというか、キリッとした表情が増えた気がする。それでいて曲間で“メロメロにしちゃうぞ”なんてオーディエンスも煽ったりするわけだが。なおメインステージのセットには滑り台があり、ここでは6期生・川端晃菜の滑る姿があった。
「スカイダイビング」では長身コンビの弓木奈於、五百城茉央が盛り上がりに拍車をかける。お花モチーフのフロートがアリーナを走りまわり、人力によるトロッコでもメンバーが客席側に迫ってくる演出。中央ステージも再び迫り上がった。そこから井上和のカウントから彼女センターによる「おひとりさま天国」へ。カラフルなライティングに加えて、観客席のサイリウムの色彩感がすっかり日の暮れた神宮球場に幻想的な光景を作り上げていた。

そして本編を締めるのはやはり一ノ瀬美空。“どうかこれからの乃木坂46を信じてほしい”という言葉で「是非に及ばず」へ。ギターリフを前面に押し出したハードロックスタイルの楽曲ムード、“生きづらきゃ孤高でいろ”なんて歌詞は、実は一ノ瀬のイメージに合致する。「是非に及ばず」はスタッフワーク含めての総意のもと、このタイミングだからこそ産み出された楽曲だったのだろう。楽曲ラストでは派手な打ち上げ花火が神宮球場の頭上を飾り、一ノ瀬は最後の最後に会場を後にした。
アンコールを求める乃木坂46コールに応えて登場したのは、二人になってしまった3期生コンビ、伊藤理々杏と岩本蓮加……とはいえ、まだ23歳、22歳と若いのだが。二人曰く“乃木坂お着替え中!”コーナーで、場内をコール&レスポンスでさらに一体化させていく。アンコールも座長の一ノ瀬が真っ先に飛び出してきて「空扉」へ。お花のフロートやトロッコも飛び出しての大盛り上がりで、続く賀喜遥香センターの「I see…」と、一ノ瀬らを乗せたトロッコがスタンド席を練り歩くシーンも。

初の6期生フィーチャーとなったシングル「ビリヤニ」は、瀬戸口心月と矢田萌華が起用されたことでも記憶に新しい。この40枚目の節目のシングルは2025年11月リリースだったので、水面下では今夏の神宮へのロードマップが作成されていただろう。世代交代の象徴とも受け取られた「ビリヤニ」だが、場内大合唱がすっかりファンに浸透したことを物語る。
これに増して大盛況だったのが、再び遠藤さくら・賀喜遥香コンビがリードする「君ばかり」。二人はお互いに誘われてしまったのかちょっと感無量そうで、これがまた他のメンバーにも伝染していった空気感……そんな最中にスクリーンにはサイリウムを大きく振り踊っている、乃木坂46公式お兄ちゃんのバナナマン・設楽統の姿が! ご存知「君ばかり」の作詞作曲を手がけた張本人(赤えんぴつ・おーちゃん)であり、残念ながら休養中の日村勇紀の姿はなかったものの、菅原咲月は「赤えんぴつのお二人、届いてますかー?」と反応。サプライズであったはずで、ここで赤えんぴつと呼んだ機転の良さも菅原咲月の小吉らしさ、いや、素晴らしさである。

最後の最後は乃木坂46そもそものイメージカラーであるパープルが、照明演出的にもサイリウム的にも神宮球場を染めた「乃木坂の詩」だった。WOW WOWのシンガロングが実にあたたかい気持ちにさせる。感涙の菅原咲月、一方で涙を見せまいとする一ノ瀬美空の挨拶で大団円。延々と乃木坂コールが続いたのだがこれにて終了……ダブルアンコールなしは少し寂しかったものの、あまりに美しい締め方にこれの続きはないだろうなとも納得。
菅原咲月・新体制の乃木坂46を、一ノ瀬美空が座長として支えた神宮4デイズ。6期生の魅力も随所で押し出しつつ、各々の魅力をせいいっぱいアピールする場を懸命に作り出した菅原・一ノ瀬両人に、フォローとチームワークでそれに応えようとした31人。増田三莉音も復帰、遂に最新形・乃木坂46の全員が揃ったのだ。

ところで重複するが、本公演のステージ上における一ノ瀬美空の大活躍っぷりとその気高さに筆者はデヴィッド・ボウイを想起。「是非に及ばず」なんて瀬戸際とは真逆で、稀代のロックアイコンは今、さらなる黄金期を目指す上り坂の乃木坂46にいる。真夏の神宮がそれを証明した。


全ての写真 ©︎乃木坂46LLC
配信情報
乃木坂46「真夏の全国ツアー2026」明治神宮野球場公演 DAY4配信
配信開始19:30/開演20:30
詳細はこちら
セットリスト
「乃木坂46 真夏の全国ツアー2026」
2026年8月23日(日) 明治神宮野球場
00. Overture
01. ガールズルール
02. ジコチューで⾏こう!
03. 好きというのはロックだぜ!
04. 自惚れビーチ
05. 告白したい病
06. 逃げ水
07. 太陽ノック
08. オフショアガール
09. 不道徳な夏
10. 夏のFree&Easy
11. ロマンティックいか焼き
12. チートデイ
13. 命の色
14. おまえら
15. マグカップとシンク
16. フォルテシモ
17. 日常
18. Actually…
19. 最後に階段を駆け上がったのはいつだ?
20. ひと夏の長さより…
21. 君の名は希望
22. 真夏日よ
23. 裸足でSummer
24. スカイダイビング
25. おひとりさま天国
26. 是非に及ばず
アンコール
EN1. 空扉
EN2. I see…
EN3. ビリヤニ
EN4. 君ばかり
EN5. 乃木坂の詩








