2026.06.24 17:30
2026.06.24 17:30
ベテランの轟音とオルタナの嵐!フジらしさを堪能するなら3日目
3日目、フジロックならではのイカした食い合わせが各ステージでスタンバイ。まずはグリーンの平井大とDONAVON FRANKENREITERだ。日米を代表するサーフ・ミュージックを山の中で聴くという大いなる矛盾であるが、それもまた一興というフジならではが過ぎる時間を過ごすもよし。逆にホワイトステージには、個々人の多岐にわたる活動内容やその音楽性のジャンル分けが無用、という意味ではとっても、というより真の意味でオルタナなバンド・礼賛がいて、次に国内オルタナの重鎮、近年(……いや、ずっとか)新作を出す度にそのクオリティの高さが各所で話題を呼ぶGRAPEVINEもいるので、そんな濃ゆいオルタナコンボを喰らうもよし。レッドマーキーで音楽性もキャラクターも立ち姿もポップでカラフルで華やかなAoooと、全く別の意味で音楽性もキャラクターも立ち姿もポップでカラフルで華やかなANGINE DE POITRINEを両方観て思いっきりわけわかんない状態になるもよし(笑)なので、各ステージの流れがとってもアツい。
しかしANGINE DE POITRINE、筆者が知ったのは確か今年頭ぐらいで、これひょっとしたら今年のフジあり得るぞなんて思っていたら案の定、やはり既にブッキングされていたとは。これについては完全にもう聴いて、観てもらった方が早い。とにかく強烈でいてキャッチーでもある「Mata Zyklek」からどうぞ。この編成と音楽性だと個人的にはHellaってバンドを思い出した。とっても大好きなバンドだったので、こちらもよろしければ聴いてみていただきたい。
ちなみに流れと言えば、マーキー深夜のSUNDAY SESSIONにて繰り広げられるサイコーのダンスアクト、LAUSBUBに韓国のKIRARAを挟んでICHIRO YAMAGUCHI (sakanaction)にTAKKYU ISHINOなんて面々になぜかフィンランドのガレージロックバンドでもうフジではすっかりお馴染み(3年連続出演)となったUSが放り込まれている。この場違い感もまた、サイコーではないか。
そしておそらく夕方から夜にかけては、3日間の中で最もフジロックらしいラインナップが並ぶ。特にグリーンステージは、1996年のデビューシングル『Tuner/Lower』から30周年の節目にフジに再臨するMOGWAIの轟音に身体を揺さぶられ、1973年結成のプログレバンド・マンドレイクをキャリアの出発点とすると50年超の活動歴を誇る平沢進+会人に精神を揺さぶられ、ヘッドライナーのMassive Attackのデビューは1988年の「Any Love」なので40周年を目前とするところか、再評価著しいトリップ・ホップの創始者であり代表格に五感の全てがこの上なく揺さぶられることであろう。
そんな大ベテランの3組、それぞれに違った趣の響きではあるがどれもこれも特に音については並々ならぬこだわり、研究を重ねてきたアクトたちである。これがあのグリーンステージの音響でもって鳴らされるわけだ。そう、とにかくフジは、特にグリーンは音響的な見地からしても本当に最良とも呼べる環境であり、基本的に音量の規制が設けられていないのである。だから音がいい、そしてデカい。その意味では極めて重要な3組の采配とも呼べるだろう。
ANGINE DE POITRINEの他にも浅井健一、そしてオールディーズへの愛とリスペクトをふんだんに感じさせるロックを鳴らすTHE LEMON TWIGS、昨年奇跡の再結成を果たしたthe cabs、2024年初出演にしてグリーンステージという大役を見事にやり切ってくれたFRIKO、エモ/ポスト・ハードコアの伝説であるAMERICAN FOOTBALLという、バンドサウンドに対するそれぞれの解釈の違いを比較しながら観てみると実に意義深い体験となるであろうマーキー。23年にとにかく衝撃の一言であったステージが未だに忘れられないBLACK MIDI(解散してしまったが)のフロントマンであったGEORDIE GREEPのソロ、今や国内サイケデリックロックの名実ともに最高峰に君臨するといっても過言ではないTempalay、世界的なインディロックシーンの代表格でもあり、そのミステリアスなイメージがついにライブとして体感できるヘッドライナーのMITSKIといった先進先鋭的な音楽体験に没入できるであろうホワイトも、たまらない顔ぶれとなっている。
なんて書いておきながらインド推しの筆者としては1番の注目株がヘブンのTĀL FRYだったりもするのだが(笑)。でもこれにはちゃんとした理由があって、2022年のBLOODYWOOD(メタル)、2023年のJatayu(フュージョン)とフジで喰らったインドの音楽がたまらなくカッコ良かったのだ。フジのインドは信頼できる。ゆえにTĀL FRYも絶対カッコいい。うん、超観たい。
以上、今年も独断偏見愛情感謝そして気分で書き連ねてはみたが、いかがだっただろうか。参考に足り得るコラムとして機能しているようであれば嬉しいし、7月27日(月)以降、つまり今年のフジが終わった後に読み返してもらってもきっと楽しいコラムになっているものかと思っている。
あとはタイムテーブルの解禁を待つばかり。みんなどうか今年も楽しく、そして安全なフジロックを過ごしてくださいね。


