2023.02.16 19:00
2023.02.16 19:00
本質として、今やりたいことをやる
──僕は横浜の大学に通っていたので、映画に出てくるパシフィコ横浜はいい会場だって印象で。秦さんはあそこでたくさんライブやられているんでしょうか?
秦 いっぱいではないです。ワンマンとかでしたかね。あのホールは初めてでした。そんなにライブで使われない場所みたいで。
──3作通して横浜の景色が登場しますが、秦さんにとって思い入れの深い場所はどこでしょう?
秦 元町中華街にある「F.A.D YOKOHAMA」っていうライブハウスに、18歳くらいからずっと出ていたので。山下公園や元町中華街辺りですかね。なんともならない時期によくあの辺ふらふらしてました。公園のベンチでMC考えたりとか。あの辺が一番記憶の中では多いですかね。
──駆け出しの頃に出てたライブハウスはやはり印象深いですか?
秦 僕はアコースティックで弾き語りの日だったので、ちょっと違うかもしれないけど、ライブハウスの独特の空気というか、最初圧倒されましたね。あの辺りに行くと今でも、もがいていた頃の記憶が蘇るというか。
──エンディングで流れる「イカロス」を聴いて壮大な景色を想像できたんですが、ライブでやるのも楽しみですよね。
秦 今回U-NEXTで配信するライブで初めて「イカロス」を演奏したので、ライブで歌う時の感覚はまだ一回だけですけど、曲が持っている熱量みたいなものが、ライブだとより爆発するだろうなっていう感じがしました。これからどうなっていくんだろうって思います。
枝 秦さんとお会いするのは今⽇で2度目なんですけど、最初にお会いしたのがそのライブを拝見させていただいたときで、音源で聴いていたのに初めてあのホールで「イカロス」を聴いたらこんなに違うんだって。ライブで聴いた方が、グッと来るものがあって感動していたんですが、隣にいた現場のプロデューサーに「ここから豚撮るんですよ?大丈夫ですか?」って言われて(笑)。いけます!って(笑)。
──『豚知気人生』も枝 優花さんのパブリックイメージとはかなり違う印象で、女の子出てこないじゃないですか。
枝 そうですね。監督として最初に女の子がメインの作品を撮ったことで、そのイメージもあって綺麗な映像で女の子を繊細に撮ってほしい案件がぶわーって届いて、それを自分でもやり通して、何か違ったものをやりたい気持ちもありました。最初の映画も⼥の⼦を撮りたかったのではなく、本当は⾍の話を撮りたかったんです。ただ、世間には⾃分が思っている本質とは少し違ったイメージが広まっていったので、しばらく⾃分の本質でものづくりができないストレスはずっと溜まっていたような気がします。⼈とずれている⽣きづらさを⾍で描きたかった、というところから始まりましたが、気づいたら現実で⾃分⾃身がそういうズレを3~4年ほどやっていて。そういう溜まっていたときにこのお話をいただいて。⾃分のパブリックイメージではないけど本質ではある、逆にこれに乗っかったらどうなるだろうと思って。何かを発露したい、みたいな気持ちがどこかであったのかもしれないです。
──秦さんの楽曲で救われてきた人が本当に多いと思うんですが、「イカロス」は、悲喜交々を受けて返すという創作のなかでどちらよりの楽曲なのでしょうか?
秦 パブリックイメージって結局、あまり自分には関係なくて周りの方が抱くイメージだし、曲を書いたりするときに気にしたことはなくて、とにかくやりたいことをやるってだけなんですよね。そのときこういう曲を書きたいっていうところに向かっていくだけなので、「イカロス」もシンプルにこういうサウンド感の曲を作りたいっていうだけでしかないんですけど、曲に込める景色やメッセージというものが聴いてくださる方がどういう風にイメージしてもらえるかや、その人の経験だったり人生に結びつくものになればいいなとは思いますね。とはいえ、あくまで自分が今やりたいことをやっているっていう。
──やりたいことをお互いがやり合った空気感もこの映像作品、セットのライブ配信となっていると思いますが、改めて映画とライブの見どころも教えてもらえますか?
秦 「イカロス」が始まりにはなっているんですけど、その世界に生きている人たちが様々描かれているので、色んな所に感情が行くと思うし、それは楽しんでほしいなと思います。
枝 ⼀曲からそれぞれの監督が映画を撮るっていうのはやったことがなくて。お互い話し合いもせずどういうことやるのかも詳しく知らないままやらせていただいていたのですが、結果的に3作⾒事にかぶっていないので、秦さんを通した新しい世界がみられるのではないかと。そして3作通して観た後に聴く「イカロス」はまた違った印象で感じられるかなと思います。ぜひ楽しんでほしいです。
──軽妙なセリフ回しやカット割りを楽しんで観させていただいたので、その先があるのであればミュージックビデオも撮ってほしいなと思いました。
枝 ぜひ、お願いします(笑)。
秦 それはぜひお願いします!(笑)
