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INTERVIEW

映画『沖晴くんの涙を殺して』で心が動いた互いの芝居とは

ダメさも弱さも、さらけ出した先に今がある。広瀬アリス×木戸大聖が明かすそれぞれの恩人

2026.10.15 18:00

2026.10.15 18:00

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負け姿もオイシイと思えたら、その姿がいとおしく見える

──そんな京香と沖晴の関係性について、お二人が感じたことを教えてください。

広瀬 愛情はあるんだけど、恋愛とも友情とも家族とも違う距離感で。すごく不思議で、でも居心地よくって、お互い見捨てられなくて。人生において大切な存在だなって、お芝居しながら思っていました。

木戸 もちろん先生と生徒という大前提はありますけど、確実にそこを超えた関係ですよね。ひょんなことから出会った二人があんなふうになんでも話せて。それはやっぱりお互いが生と死というものに直面していたからこその共鳴だったんだと思います。だから、言葉にするのなら同志みたいな関係なのかなって気がします。

映画『沖晴くんの涙を殺して』より
©︎2026 額賀澪/双葉社「沖晴くんの涙を殺して」製作委員会

──お二人にも、自分が苦しかったときに救ってくれた人はいますか。

広瀬 いますね。16歳のときに出会って、もう18年の付き合いになるのかな。一歳下の友達なんですけど、ふとしたときに連絡したら、空気感で私の状態を察してくれて。悩みを聞いてくれて、慰めてくれて、私が悪いときはちゃんと「あんたが悪いよ」って怒ってくれる。その人の存在には今まで何度も救われました。

──大人になると、自分のダメなところを言ってくれる人ってめちゃくちゃ貴重だったりしますよね。

広瀬 そうなんです。言われた瞬間は、正直ムカつくこともありますけど(笑)。でも、言ってくれた言葉を自分なりに噛み砕いて、受け入れることで、私も大人になる。それって、自分の成長のためにも大切な一歩だと思うんです。人として大切なことを、その友人から教えてもらっています。

木戸 僕は、アメリカザリガニの柳原哲也さんです。20歳からこの世界でお仕事してるんですけど、子ども番組をやらせていただいていました。僕は2代目のお兄さんで、初代のお兄さんはなんでもできるお兄さんだったんですけど、僕はできないけど応援したくなるお兄さんみたいなキャラクターで、自分自身も慣れてなくてうまくいかないこともあり、最初は思い悩むこともありました。

広瀬 まだ若いと、そう思うことはあるよね。

木戸 ただ、その番組でご一緒していた柳原さんが「お前、これはオイシイってことなんだよ」と教えてくださって。お前のリアクションひとつで、観ている方の受け取り方がガラッと変わる。そこで変にプライドが優って強がったところを見せても、可愛いとは言ってもらえない。この世界で仕事をしていたら、失敗する姿を人前で見せることなんていくらでもある。そのときにちゃんとミスはミスとして認め、負け姿もオイシイと思って全部さらけ出せたら、今度はその姿がいとおしく見えるんだということを、柳原さんが僕に教えてくれたんです。そこから気持ちを切り替えて、自分の求められているお兄さんをやり切ることができたんだと思います。今でもその言葉はすごく大事にしていて。これからも負け姿もちゃんと認めて見せられる素直さは忘れずに持っていたいなと思います。

──感情というものについて考える映画でした。沖晴くんには特別な理由がありますが、実は私たちも悲しいときに笑っていたり、怒りたいのに涙が出たり、感情がアベコベになる瞬間ってあると思っていて。お二人にも、そういうことはありますか。

広瀬 私は基本ヘラヘラしてるかも。怒られてても、ちょっと笑っちゃうときがある(笑)。

木戸 あはは!

広瀬 本当はよくないことなんだけどね。なんだろう、私は自分のダメさも弱さも全部受け止めてるんで。特に怒られることに対しては、まったくプライドがない。私も10代だった過去があるのでわかるんですけど、30代の女優さんって怖いんだよね(笑)。32の女優って怖くない?

木戸 えー! どうだろう……。

広瀬 私は自分が10代の頃は先輩とご一緒するときは結構ビクビクしてました。現場ではもちろんある程度の緊張感は大事です。だから、あれはあれで良かったと思うけど、緊張してガチガチになって本領発揮できないくらいなら、私はみんなに楽な気持ちになってほしくて。だから、あえてこっちからカッコ悪いところを見せたり、笑ってもらえるようなことをするようにしています。女優だからこう思われたいみたいなプライドはまったくない。現場でもしゃべらないときはありますけど、楽しいときはずっと笑ってる。そこはもう何も無理はしてなくて、自然体ですね。

木戸 僕も昔は無理してニコニコしてるみたいなことはあったと思います。けど、年齢を重ねるごとにどんどんなくなってきました。それよりも、言葉にして伝えるべきだと思うようになった。もちろん伝え方については考えなくちゃいけないけど、周りの目を気にしてニコニコしていても、言えなかったことが自分の中でどんどん溜まっていって、あとでつらくなるだけだから。今はもう感情がアベコベになることはほとんどなくて、基本イコールのことが多いです。

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二人が心をリセットしたい時に帰る場所

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PARTNERS

作品情報

沖晴くんの涙を殺して

©2026 額賀澪/双葉社「沖晴くんの涙を殺して」製作委員会

©2026 額賀澪/双葉社「沖晴くんの涙を殺して」製作委員会

沖晴くんの涙を殺して

2026年9月18日(金)より広島先行公開
2026年10月2日(金)より全国公開
配給・宣伝:彩プロ
日本/カラー/ビスタ/DCP/5.1ch/123分/映倫:G

公式サイトはこちら

キャスト&スタッフ

出演:広瀬アリス
木戸大聖/満島真之介/北乃きい 戸田菜穂 根岸季衣

主題歌:TOMORROW X TOGETHER「Silence」(ⓟ 2026 BIGHIT MUSIC)
劇中曲:詩・谷川俊太郎 作曲:尾崎世界観(クリープハイプ) 「生きる」
監督:矢崎仁司
原作:額賀澪『沖晴くんの涙を殺して』(双葉文庫)
エグゼクティブプロデューサー:髙澤吉紀 YOSHI 中馬啓介 東宮恵美 寺嶋正浩 森晋吾
製作統括:関顕嗣  企画/プロデューサー:宮下昇
脚本:朝西真砂 音楽:田中拓人
プロデューサー:荻野弘樹 足立喜之 寺嶋正浩 ラインプロデューサー:新野安行
撮影:彦坂みさき(JSC) 照明:大坂章夫 録音:小川武 清水雄一郎 美術:布部雅人
スタイリスト(広瀬アリス専属):椎名倉平 スタイリスト:村上利香
ヘアメイク(広瀬アリス専属):会川敦子 ヘアメイク:波止和子
助監督:塩入秀吾 制作担当:佐藤隼 編集:目見田健
製作:「沖晴くんの涙を殺して」製作委員会
製作幹事・制作プロダクション:ふればり 共同幹事:TOブックス 制作協力:ザフール
宣伝協力:とこしえ Penseur
特別協賛:学校法人鶴学園
協賛:上村汽船 下村時計店 スピングルカンパニー シチズン時計 テイケイ西日本  後援:江田島市観光協会

広瀬アリス

アーティスト情報

1994年12月11日生まれ。静岡県出身。
EX『七人の秘書』、CX『知ってるワイフ』『ラジエーションハウス』、映画『地獄の花園』、舞台『愛と哀しみのシャーロック・ホームズ』など、数々のドラマや映画、舞台、CMに出演。
2023年は大河ドラマ『どうする家康』に於愛の方役で出演し、TBS『マイ・セカンド・アオハル』では主演を務めた。
2024年4月期CX『366日』と2024年7月放送のWOWOW『連続ドラマW完全無罪』主演、10月期CX『全領域異常解決室』に出演。
2025年4月期NTV『なんで私が神説教』に主演。
映画『トイ・ストーリー5』にてリリーパッド役日本版声優を務める。
主演映画『沖晴くんの涙を殺して』が公開中で、待機作に主演映画『ENJU エンジュ』(2027年3月26日公開予定)、映画『全領域異常解決室』(2027年春2作連続公開予定)がある。

1996年12月10日生まれ、福岡県出身。17年、ドラマ『僕たちがやりました』で俳優デビュー。Netflixシリーズ『First Love 初恋』(22)で佐藤健演じる主人公・晴道の青年期役で一躍脚光を浴びる。主な出演作に、ドラマ『ゆりあ先生の赤い糸』(23)、『9ボーダー』(24)、『海のはじまり』(24)、『バニラな毎日』(24)、『ドラフトキング-BORDER LINE-』(26)、『一次元の挿し木』(26)、映画『きみの色』(24)、『ゆきてかへらぬ』『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』(25)、『モブ子の恋』(26)、『沖晴くんの涙を殺して』(26)など。現在ドラマ『救命病棟24時』に出演中。待機作にNetflix映画『僕の狂ったフェミ彼女』(12月3日より配信)がある。

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