映画『ARCO』で2度目の吹替に挑んだ16歳のリアルを暴く
繰り返すのは“今日も新しい感情に出会えた”感謝。黒川想矢が続ける自分同士の戦い
2026.05.01 18:00
2026.05.01 18:00
このままつまんない大人にはなりたくない
──高校は校則が厳しいんですか。
そんなことはないです。めちゃくちゃゆるいです。学校によっては携帯禁止のところもあるみたいですけど、うちはそういうのもないです。
──めちゃくちゃ自由ですね。好きな科目はありますか?宇宙がお好きという話をよく聞くので、イメージ的に理系かなと思っています。
理系だと思います。科学は好きなので、めっちゃ頑張っています。

──3月に発売された写真集「コバルト」もタイトルを決めるときに、黒川さんの呟いた一言が決め手になったとか。
そうなんです。アルミン酸コバルトっていう。
──なんですか、それ。
単にコバルトをカッコよく言っただけです(笑)。化学が好きなので、そういう言葉は出てくるんですけど。
──理系の黒川さんからすると、この作品で描かれているSF的な世界観は興味深かったのではないかなと思います。
面白いなと思いました。僕、ロボットが怖くて。人工知能が発達したら、いつか人間がのっとられるんじゃないかとか、いろいろ考えちゃうんです。だから、チャッピー(ChatGPT)にお願いするときは、必ず最後に「ありがとうございます」って感謝を伝えるようにしていて(笑)。
でもこの映画に出てくるミッキは人間と対等に話していて、優しさを感じる部分がたくさんあるじゃないですか。こんなふうにロボットと心を通わせ合える世界なら素敵だなと思えた。僕は今まで怖い部分にしか目が向けられなかったけど、ロボットとのいい向き合い方もあるんじゃないかと気づかせてくれた作品でした。

©2025 Remembers / mountainA / France 3 CINEMA
──黒川さんは普段からスマホを駆使するタイプですか。
スマホ……どうだろう……。
──BeRealとかします?
そういうSNS系に本当に疎くて。流行りの音楽も全然わかっていないんです。できる限り使えるアプリケーションは使っていきたいと思うんですけど、ちょっと乗り遅れていますね。
──アプリをアプリケーションと呼ぶあたりに、性格が出ている気がします。じゃあロボットに代行してもらえるなら何をお願いしたいですか。
結構ないかもです。映画の中でもアルコが自分で家事をやったり、ニワトリにエサをやっていたじゃないですか。ああいうのを見て、ちゃんと自分でやるっていいなって思いました。

──じゃあ、黒川さんも自分のご飯は自分でつくるぞと。
そうですね。つくれるなら……うん……つくりたい、です(笑)。
──めちゃくちゃしどろもどろですけど、つくったことはあるんですか。
あるんですけど、まだまだ修行が必要です(笑)。
──製作に参加しているナタリー・ポートマンといえば、12歳で『レオン』に出演。若くして脚光を浴びたという点では、黒川さんとキャリアが重なるところがあります。大人になってからも『ブラックスワン』など代表作を獲得し、プロデューサーとしても活躍する彼女に、どんなことを思いますか。
世界的に活躍されている方なので、自分と重なるなんておこがましくて口が裂けても言えないですけど、環境問題に熱心に取り組まれているというお話を聞いたり、こうして映画をつくられたりしているのを見ると、カッコいいなと思います。自分もちょっと脚本を書いたりしているので、俳優以外に製作に取り組まれているところとか憧れはありますね。
──黒川さんは現在16歳。自分はどういう大人になるんだろうとイメージしていますか。
え! つまんない人間になるんじゃないかなとずっと思っていて。今もつまんないんですけど。このまま大人になったら絶対つまんない大人になるのがわかっているから、つまんない大人にはなりたくないです。

──自分のことをつまんないと思っているんですね。それは、面白みに欠けるという意味で?
そうです。本当にどうしようって。ノリとか全然わかんないから、友達と話していても、自分めっちゃつまんないなって思うし。というか、そもそも友達があんまりいない。片手で終わるくらいしかいないです。だから、まず友達がいる人になりたいです。
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