2025.03.05 06:00
©︎ 2025「火喰鳥を、喰う」製作委員会
2025.03.05 06:00
第40回横溝正史ミステリ&ホラー大賞を受賞した小説『火喰鳥を、喰う』が映画化され、水上恒司が主演を務めることが発表された。
主人公・久喜雄司を演じる水上恒司は、映画『死刑にいたる病』『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』『八犬伝』『本心』など数々の話題作に出演。本作が映画単独初主演となり、映画『九龍ジェネリックロマンス』の公開も控えている。そして雄司の妻・夕里子役は山下美月。乃木坂46卒業後は女性ファッション誌「CanCam」専属モデルを務め、俳優業では連続テレビ小説『舞いあがれ!』やドラマ『御曹司に恋はムズすぎる』に出演、主演映画『山田くんとLv999の恋をする』の公開が控えている。
監督は『超高速!参勤交代』シリーズや『空飛ぶタイヤ』『シャイロックの子供たち』などを手がける本木克英。撮影は2024年に行われ、水上と山下は本木組初参加となった。また、脚本は映画『ラーゲリより愛を込めて』『ディア・ファミリー』などの林民夫が務める。
物語は、久喜雄司(水上恒司)の元に戦死したはずの祖父の兄・貞市が書いた日記が届くところから始まる。“火喰鳥、喰いたい”という生への執着が記されたその日記を読んだ日を境に、雄司と妻・夕里子(山下美月)の周囲では不可解な出来事が頻発するようになる。「死者の日記」から始まったのは“事件”か“怪異”か。存在しないはずの“過去”が“現実”を侵食していくという、先読みのできない衝撃のミステリーホラーが誕生する。
水上恒司(久喜雄司役)コメント
・久喜雄司役について
雄司は、受けて受けて反応していくという、僕が野球をやっていたときのキャッチャーのような役割を担った役でした。雄司が『火喰鳥を、喰う』の世界で、どのように世界を見て、どのように登場人物たちと対峙していくかによって、その登場人物たちのキャラクターが変わり、また逆も然りで、他の登場人物たちが僕に対しての向き合い方を変えるだけで、雄司は全然違うキャラクターになっていく役だったので、そういったキャラクターを立たせていくのを意識していました。
・本木組について
今までの僕の経験の中には全くないものが現場にはあって、すごく鍛えられました。この本木組を経て、今後の役者人生の大きな助けになるというか、学びの多い現場でした。
・山下との共演について
山下さんは、ポイントポイントをしっかりと押さえた芝居をされるなという印象がありましたね。今まで僕は年上の方々とお芝居することが多かったのですが、山下さんとは同年代ですが、自分とは全く違う経歴を持ちながらも、こうやってこの作品でご一緒できたということはすごく刺激的でした。
・映画の完成について
目の前に見えないものを雄司に感じさせ、僕の目に見えないけれども雄司が感じてるものを、僕の体に研ぎ澄ましていくように表現をすることが難しかったです。それがどのような形になって、皆さんのもとに届くのか楽しみです。
山下美月(久喜夕里子役)コメント
・本木組について
本木監督とは今回初めて作品に参加させていただいたのですが、撮影のスピードも速く驚きました。自分の中で解釈しきれない部分は、監督と一緒に作っていった部分もあったのですが、お任せしてくださる部分も多かったです。すごく面白い方で、現場中もたくさん和ませていただいて、作品の内容とはまた違った空気感の現場で、楽しく撮影することができました。
・水上さんとの共演について
今回初めてご一緒させていただいたのですが、水上さんは同い年で、いろんな作品で以前から拝見させていただいていて、いつかご一緒したいと願っていたので、今回ご一緒できて嬉しく思いました。本読みの段階からすごく自分の中にビジョンがあって、最後までぶれずにいてくださったので、私も引っ張られていったように思います。ストイックな方で、集中力も高くて、たくさん勉強させていただきました。
・映画の完成について
お話の内容的に、どんな作品に仕上がっているのか正直まだあまり想像ができていなくて、これからどう編集され、どんな作品になっていくのか、早く完成した作品を見たいです。きっと初めに見たときの作品の印象と、最後まで見終わった後の作品の印象が全く別のものになると思うので、自分の中で全編通して見終わった後にどういう感情が生まれるのかすごく楽しみです。
本木克英(監督)コメント
人間の執着心が異世界を創出し、時空を越えて現実を侵食していく。この怖ろしくも幻想的な物語を映像化することは、監督として心踊る挑戦でした。
主演・水上恒司さんの地に足のついた表現が、科学的に答えの出ない事態に苦悩する化学者を確かに存在させ、神秘的な眼差しの山下美月さんが、ささやかな日常が失われる切なさを、繊細に伝えてくれました。それぞれの心に抱えた秘密がやがて明らかになりますが、抑制の効いた二人の演技があればこそ、この不可思議に交錯する世界が成立し、ラブストーリーとしての厚みも増したと思っています。
戦場で死に瀕した兵士が何を見たのか?日記に何が宿っているのか?このミステリーに没入していただき、怪奇的な世界を堪能していただければ幸いです。
原浩(原作)コメント
ヒクイドリの写真を眺めながら様々に考えを巡らせていたのが、もう随分と昔のように感じます。その時の私の空想は「火喰鳥を、喰う」という小説として、ひとつのかたちになりました。
そして今年、大勢のスタッフ、キャストの皆様のお力で、映画作品となって全国の劇場で上映されることとなりました。スクリーンを通じて、きっと奇妙で恐ろしい体験ができることでしょう。公開日までどうか楽しみにお待ち下さい。
横山和宏(プロデューサー)コメント
主人公・雄司については、地方都市で家族と実直な生活を送る「普通の男」の役ながら、怪異に巻き込まれ、家族と自身の人生が続く世界線を守るために戦う話なので、地に足の着いた誠実さと「普通」である佇まいに説得力がありつつも、有事に家族を守る強さと脆さの振れ幅を併せ持つ、主人公としての存在感、魅力を発揮できる人である必要があり、まず、水上さんが頭に浮かびました。水上さんの繊細な声質も雄司そのものだと、彼以外に雄司はないと確信し、ご出演をお願いしました。彼のここ数年の目覚ましいご活躍は、日本映画界を明るく照らす光の一筋になりえると思っています。
主人公の妻であり、〈何か〉を内に秘めているヒロイン・夕里子役は、儚げでありながら凛とした強さを併せ持ち、憂いを帯びた眼差しが真実の奥まで見据えてしまうような、そんな美しさ湛える存在である必要があり、山下さんに是非にとご出演をオファーしました。主人公:水上さんと並んだとき、二人が夫婦であることのバランスも間違いないと思いました。山下さんは乃木坂46在籍時代から演技に定評があり、卒業後も幅広く様々な演じ分けられていて、俳優として真摯に歩んでいる姿に心打たれたのも理由の一つです。