2023.11.14 17:30
2023.11.14 17:30
人生の目標は“人間力を上げる”こと
──品川ヒロシ監督の現場はいかがでしたか?
楽しかったです。ボケてツッコんで、みたいなやりとりのあるシーンでは、実際に品川さんがお手本を見せてくださったんですけど、本当に笑いが起こって。普段はプレイヤーである品川さんが監督だからこそ、現場の雰囲気が明るいし、率先して体を張ってくださる場面も多くて。自然とついていきたくなる方だなと思いました。
──演技やお芝居についての演出は何かありましたか?
それは意外となくて、でもアクションはたくさん指導していただきました。あとは面白くなっていく入り方とか。そういうのは普段味わうことない演出だったのですごく勉強になりましたね。
──劇中であっちゃんは仲間など大切なものを守る行動を取ります。醍醐さんが、俳優というお仕事をする上で大切にしていることを教えてください。
できる限り嘘をつかないというのは大切にしています。お芝居では、段取りくさくならないように、自分の心に嘘をつかないように。お芝居以外の部分でも、嘘をついていいことってないと思うんですよね。時には必要な嘘もあると思うんですが、どこかで嘘をつくと、あとあと帳尻合わせみたいなものがやってくる気がして。僕はそれが嫌なので、だったら最初から嘘なく真っ直ぐいきたいなって思います。
──映画はもちろん、NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』や舞台『千と千尋の神隠し』など様々な作品に出演している醍醐さんですが、これまでの俳優人生の中で、お芝居に対する気持ちが変化した瞬間はありますか?
何だろう? でも1作品終えるたびに毎回毎回変わっている気がしますね。
──最近でいうと、4月クールドラマ『シガテラ』では連ドラ初主演を務めましたが、それも影響はありましたか?
はい、それも自分の中で変わったタイミングの一つですね。お芝居どうこうはもちろん経験を重ねていく中でどんどんスキルは上がっていっていると思うんですけど、『シガテラ』では自分のあり方みたいなものを考えるようになりました。
──『シガテラ』の現場や現場で特に得たものを一つ挙げるなら?
現場での鼓舞の仕方です。現場ではみんなが気持ちよくいられるということが大切なんだなと、言葉ではなく、肌でしっかり感じられた現場でしたね。
──それは座長だからこそ考えたことだったと思うのですが、醍醐さんの中で理想の座長像みたいなものがある?
あります。僕は人生の目標として“人間力を上げる”というのを重きに置いていて。新海監督の所属スタジオの社長さんが、太陽みたいな人なんです。それでいて当時10代だった僕にも「最高だった。本当にありがとう!」って深く頭を下げる方で、その方が現場にいると、その場がすごく明るくなるんです。人ひとりのエネルギーでこれだけ明るくなるんだと思ってからは、その方のような人になりたいなと思いながら生きています。
──作品を重ねるたびに成長し続けているなかで、今後出演してみたい作品や演じてみたい役柄はありますか?
今は求めていただけるものを真摯にやっていきたいというのが一番です。自分が何かをやりたいという段階にはまだまだないと思っていて。求めていただける声がある限り、映画やドラマ、舞台でも、声のお仕事でも、一つ一つ丁寧にやっていきたい。その先で、自分がいろいろと選択できる立場になったときに何をやりたいと思うのか、ですかね。人の心をしっかりと打つことができる役者になれたらうれしいなと思います。
──改めて、映画『OUT』の見どころや注目してほしいところを教えてください。
この作品はヤンキーアクション映画。とにかく個性豊かなキャラクターがたくさん出てきてド派手に戦うので、その爽快感を楽しんでいただきたいです。同時に、友情の物語でもあって。これだけアウトローの世界で生きている人間たちの中にもこういう素敵な友情があるんだなということを感じていただけたらうれしいです。