2023.07.06 17:00
©YAMAONNA FILM COMMITTEE
2023.07.06 17:00
6月30日(金)よりユーロスペース、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開中の映画『山女』から場面写真、メイキング写真が公開された。
本作は柳田國男の名著「遠野物語」から着想を得たオリジナルストーリー。自然を前にしてあまりに無力な人間の脆さ、村社会の持つ閉鎖性と同調圧力、身分や性別における差別、信仰の敬虔さと危うさを浮き彫りにしながら、一人の女性が自らの意思で人生を選び取るまでを描く。国際共同製作となる本作の監督・脚本は、⺠族やルーツにフォーカスを当ててきた福永壮志。
18世紀後半、冷害による食糧難に苦しむ村で17歳の凛(山田杏奈)たち家族は先先代が犯した罪により、人々から蔑まれていた。そんなある日、凛の父親・伊兵衛(永瀬正敏)が盗みを働いてしまう。家を守るため、村人達から責められる伊兵衛をかばい、その罪を被る凛。自ら村を去り、禁じられた山奥へと足を踏み入れる。漆黒の闇に包まれた夜の山で、凛が遭遇したのが、白い⻑髪と髭をたくわえた山男(森山未來)だった。
今回解禁されたのは、最も神秘的で圧倒的な存在感を放つ“山男”を体現した森山未來の場面写真とメイキング写真。ダンスや演劇などカテゴライズに縛られない表現者として活躍し続ける森山は、2021年3月11日に上演された清水寺奉納パフォーマンス「Re: Incarnation」や、脳科学者の中野信子らとともに開催した実験的プロジェクト「Dance of Death(仮称)」など、生死がテーマに密接に絡み合うプロジェクトに多く参加している。本作では一切セリフもなく、表情さえも封印された難役を演じきった。
場面写真では、山男が血まみれになりながら獣の肉を食べる姿や暗闇の中精霊のように佇むシルエットを捉えている。また、血のりやヘアメイクなど、スタッフ総出で山男を作り上げる貴重なメイキング写真も併せて解禁。森山は「社会のあり方、人との関係性など、今に通じるものがたくさんあるので、そんなことを感じ取っていただけたら」と本作にメッセージを送った。
森山の起用について福永監督は、「森山さん自身が、神秘的なものや生と死といったテーマに対して探求心のある方だと感じていました。山男を演じるには、舞台やダンスで培った身体表現だけでなく、そういったことに対して理解と関心がある森山さんしかいないと思いました」と語り、心技体全てにおいて“山男”を任せられる唯一の存在であることを明かしている。