岡田麿里の台本に惚れ込み新曲「心音」を書き下ろし
中島みゆき、MAPPA新作映画『アリスとテレスのまぼろし工場』で初めてアニメ主題歌担当
2023.06.29 10:00
©新見伏製鐵保存会
2023.06.29 10:00
中島みゆきの新曲「心音(しんおん)」が、アニメスタジオMAPPAが手掛ける9月15日公開作品『アリスとテレスのまぼろし工場』の主題歌に決定した。
2023年3月に3年ぶり44作目となるオリジナルアルバム『世界が違って見える日』を発売したばかりの中島みゆきは、時を待たずして発表したこの新曲で初めてアニメ作品の主題歌を担当。『アリスとテレスのまぼろし工場』は、『呪術廻戦』『進撃の巨人 The Final Season』『この世界の片隅に』など数々のヒット作品を生んだMAPPA初のオリジナル劇場作品で、監督を務める岡田麿里の台本に中島が惚れ込み主題歌を書き下ろした。
2022年の秋、中島みゆきがアルバム『世界が違って見える日』のジャケット撮影をしている頃、岡田麿里監督から中島みゆきに主題歌の依頼が届く。その時の様子を中島は、「ゲームもアニメもさっぱりわからない中島に、御注文をくださるとは、なんでなの?(中略)届いた台本をおそるおそる読み始め、最後まで読み終わらないうちに、どっぷり、岡田麿里様のしもべとなっておりました。岡田麿里様は、中島の絶大なる「推し」です!」と、台本に強く惹かれた心の内を語った。
『アリスとテレスのまぼろし工場』は、突然起こった製鉄所の爆発事故により全ての出口を失い、時まで止まってしまった町で中学3年生の少年が二人の少女と出会い世界の均衡を崩していく物語。”恋する衝動が世界を壊す“と銘打たれた甘酸っぱい青春物とは全力で逆走しているヒリヒリとした青春を描く。
先日5月21日に東京ガーデンシアターで行われた「MAPPA STAGE 2023」では『進撃の巨人 The Final Season』『呪術廻戦』『チェンソーマン』などの作品が並ぶ中、イベントラストの『アリスとテレスのまぼろし工場』スペシャルステージにて特報&ティザービジュアルが解禁。同時に解禁となったメインキャストの榎木淳弥、上田麗奈、久野美咲が登壇し、本作の魅力を語った。
原作、脚本、監督を務める岡田麿里はビデオシネマで脚本家デビュー。以後、大人も泣けるアニメとして300万人の心を動かし、現在のアニメブームの礎となった『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(2011)などアニメーションを中心に数々のヒット作品のシリーズ構成や脚本を担当した。以降も『心が叫びたがってるんだ。』(2015)『さよならの朝に約束の花をかざろう』(2018)などを担当し、含め細やかな心理描写の積み重ねによって印象深い人間ドラマを描き出す力が評価されている。岡田監督は中島みゆきの歌を普段から愛聴しており、今作も脚本を執筆しながら中島みゆきの「荒野より」(2011)がずっと頭の中に流れていたとという。そんな中で思い切って中島にオファーし、作品が繋いだ縁で今回の主題歌が実現した。
中島みゆきは今まで、ドラマ『家なき子』で登場する犬の視線で楽曲が描かれた「空と君のあいだに」(1994)、企画書に記されていた普段光の当たらない人に光を当てた人間ドラマに対して書き下ろされたNHK『プロジェクトX~挑戦者たち~』(2000~2005)の「地上の星」、近年のシニア層の人生をテーマに描かれた倉本聰脚本帯ドラマ劇場『やすらぎの郷』(2017)、『やすらぎの刻~道』(2019~2020)の「慕情」「進化樹」「離郷の歌」など、どれも作品に寄り添った主題歌を発表している。
中島みゆき コメント全文
ゲームもアニメもさっぱりわからない中島に、御注文を
くださるとは、なんでなの?と謎な気持ちで、
届いた台本をおそるおそる読み始め、最後まで読み終わ
らないうちに、どっぷり、岡田麿里様のしもべとなっておりました。
岡田麿里様は、中島の絶大なる「推し」です!
スタジオで初めて岡田麿里様にお目にかかった日は、
ただもう中島は物陰から、じぃっとお姿を拝見するばかり。
一瞬だけ駆け寄って「この台本、好きです!」と言うのが
精一杯でした。まるで中学生の片想いレベルです。