監督は中川龍太郎、haruka nakamuraの音楽が彩る予告解禁
福地桃子×河瀨直美共演、確執抱える母娘の“つながり”を描く『恒星の向こう側』10月30日公開決定
2026.08.14 08:00
©2025映画「恒星の向こう側」製作委員会
2026.08.14 08:00
中川龍太郎監督の最新作で、福地桃子が主演を務める映画『恒星の向こう側』が10月30日(金)に公開されることが決定し、メインビジュアルと予告編が解禁された。
本作は、『走れ、絶望に追いつかれない速さで』(2015年)『四月の永い夢』(2017年)に続き、中川龍太郎監督が喪失と再生をテーマに撮り上げた3部作の最終章。誰よりも深く逃れようのない関係で結びついているがゆえに、どうしてもお互いを許せなかった母と娘が、死という現実を前にしてそれぞれと向き合っていく姿が描かれる。
東京でこどもの居場所支援をするNPOに勤める未知(みち)は、母・可那子(かなこ)が倒れたとの連絡を受け、久しぶりに実家のある奈良へ帰る。そこで知らされたのは、可那子が進行性のがんを患い、治療を拒否しているという事実だった。闘病生活を支えるため休職して戻ってきた未知に、「親子でもな、他人やで」と言い放つ可那子。自分の選択を母に否定され続けたトラウマから抜け出せない未知と、思うように娘を愛せなかった可那子は、親子関係に確執を抱えていた。そこへやってきた未知の夫で演出家の登志蔵(としぞう)に、別れた未知の父親を重ねる可那子。母との溝が埋まらず、夫との関係にも不安を抱える未知だったが、その体内では新たな命が育っていた。
未知を演じたのは『あの娘は知らない』(2022年)の福地桃子。母の顔色をうかがいながら大人になり、自分が母親になることにも自信を持てない女性が、一人の人間として母を知ることで自らの人生を肯定していく姿を繊細かつ力強く体現した。

その母・可那子役には、中川監督たっての希望によって、『あん』(2015年)『たしかにあった幻』(2026年)などの監督として知られる河瀨直美の出演が実現。激しい存在感を放ちながら死へと向かっていく生き様を魂で刻みつけ、2025年の第38回東京国際映画祭では福地とそろって最優秀女優賞を受賞する快挙を成し遂げた。

また未知の夫・登志蔵には、『そこにきみはいて』(25)でも福地と婚約者同士を演じ、河瀨監督の『たしかにあった幻』にも出演した寛一郎。さらに可那子の過去の秘密の鍵を握る万理を朝倉あき、若き日の可那子を南沙良、未知が働く児童施設の職員役に久保史緒里と三浦貴大、現在の万理は中尾幸世が扮し、実力派キャストが顔を揃える。
1980年代から2025年までのいくつもの時代、そして奈良と北海道・野付半島の地を行き来しながら、対話を通して人と人のつながりが語られる本作。さらにその一部を創作過程の演劇作品として描くことにより、登場人物の個人的な体験を普遍的なドラマへと昇華させている。
その劇伴と主題歌「まばゆく」(歌:Meadow)を手がけたのは、劇場アニメ『ルックバック』(2024年)や映画『この夏の星を見る』(2025年)、放送中のドラマ『Tシャツが乾くまで』(TBS)の音楽を担当するピアニスト・作曲家のharuka nakamura。その祈りにも似た神聖な音色と歌声が、深い余韻を残す。
解禁された予告編は、母を嫌い続けた娘が、余命わずかな母の人生をたどることで自分自身と向き合っていく旅を静謐で詩的な映像で描き出す。それぞれのキャラクターの視点から語られる母と娘の姿が観る者の印象を少しずつ変化させていき、主題歌に包み込まれながら最後には母と娘と思われる二人が夕暮れの光の中でおんぶする後ろ姿が映し出される。
併せて解禁されたメインビジュアルは、福地と河瀬が相反する方向を向いた横顔を上下に配したデザイン。柔らかな逆光に包まれた二人の間を斜めに横切る夕焼けのような自然の風景が、過去と現在、記憶と現実、生と死をつなぐ時間の流れを象徴し、母と娘をめぐる“記憶をたどる旅”も予感させるビジュアルとなっている。
