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INTERVIEW

映画『ひとりたび』で描いた30代のリアルな帰郷願望とは?

「年を重ねた今のほうが、素直になれる」岡本玲×石橋夕帆が分かり合う同世代の心地よさ

2026.07.07 18:00

2026.07.07 18:00

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ゴイステを選んだのは、私の独断と偏見です

──本当に帰るかどうかはさておき、ふっと「帰りて〜」と思う瞬間って、大人ならみんなあるんじゃないかと思います。

岡本 すごく甘えたくなったときとかね。自分で自分を甘やかすことに疲れたときに、他者に癒してほしいってなります。

──今は自分で自分を愛でる風潮が強いですが、それにも限界があるんですよね。

岡本 そうなんですよ!

石橋 そのガソリンもないよってときがありますよね。

岡本 そう! ガソリンがない(笑)。

石橋 漫画家の雁須磨子先生が、なんか「お母さん」って言いたくなる感情ってあるよねというのを描いていて。それってたぶん精神的な迷子みたいな感じなんですよね。そういう所在なさというか、心許なさは私もよくわかる。余談ですけど、私、1年前に実家が処分されまして、物理的に帰るところがなくなったんですよ。そしたら、普段夢なんて見ないのに、つい先週、実家にいる夢を見て。しかも、これは夢だって自覚もあったんです。ここで目を開けたらもうこの場所にいられなくなっちゃうと思って。そういう夢を見たのも、私の中でどこか帰りたいというか、受け入れてもらえる場所がほしいっていうことなんだろうなと思いました。

映画『ひとりたび』より ©Ippo

──そんな美咲の故郷は和歌山で撮影されました。和歌山は岡本さんの故郷でもあります。これは岡本さん自身に寄せたということでしょうか。

石橋 そうですね。安直な理由ですけど、地方でロケをするなら、ここはもう素直に和歌山がいいだろうと。

岡本 わーい、ラッキーって思いました(笑)。和歌山って自然豊かで、空気ものんびりしていて、癒しの土地なんですよね。ただ、10代の頃の私にはそれが逆に生きづらいところもあって。そういう心の隅に引っかかっている何かを、美咲を演じる上でうまく使うことができた。そこはやっぱり自分が生まれた場所で撮影できたからだなと思います。

──ちなみにカラオケでミーティングをしたときは、ちょっと合間に歌ったりしたんですか。

岡本 歌いましたっけ?

石橋 そのときは歌わなかったと思います。でも、映画の中にカラオケのシーンが出てきて。本番が終わった後に岡本さんが普通に歌っていたのは覚えています(笑)。

岡本 あ、なんか歌ってた! なに歌ってたんだろう。

石橋 YUIさんの「Good-bye days」じゃなかったですっけ?

岡本 そうだ!

石橋 ちょうど昼休憩だったんですけど、岡本さんの美しい歌声が流れてきて、スタッフのみなさんがそれを聴きながらお弁当を食べていました(笑)。

──美咲の初恋の人との思い出の曲がGOING STEADYなのは、監督の趣味ですか。

石橋 そうですね。やっぱりこの世代のあるあるというか、刺さるものにしたくて。でもバンドって人それぞれだからどうしようと思って、一応、Xでアンケートもとってみたんです。そしたら案の定回答がバラけたので、ここはもう私の独断と偏見で行こうと。中3くらいの頃、私がわかりやすくハマったのが銀杏BOYZ。ただ、今も活動している銀杏BOYZより、解散してしまったゴイステのほうが、あの時間しか存在しない感がより強く出るなと思ってゴイステにしました。

──では、そんなお二人に聞きます。中学生だった美咲はMDを通じて初恋の人と距離を近づけていきます。お二人は10代の頃、MDにどんな曲を入れていましたか。

石橋 いろんな曲を入れていましたけど、特に思い出深いのがthe brilliant green。ドラマっ子だったので、当時ドラマの主題歌をよくやられていたのがすごく印象に残っています。その後、軽音部に入ってバンドをやりはじめるんですけど、そこからはELLEGARDENとか残響レコード系のアーティストとかが好きでよく聴いていました。

岡本 私はケツメイシとか入れていた気がします。あとはMEGARYUとか。他はなんだろう。Every Little Thingの「恋文」とか?

石橋 ELT! 聴いてました〜!

──MDはラブソングとか、何かしらテーマごとに選曲するタイプでしたか。

岡本 私は雑多でした。

石橋 私は「2005 SUMMER」みたいな感じでシーズンごとにまとめてましたね。あと、高校生の頃は友達とMDを交換するのが流行って。オススメのバンドをセレクトしたMDとかはよくつくっていました。

岡本 私は人のMDをひたすら借りるタイプでした。自分のはオシャレでもなんでもないから貸さないっていう(笑)。

──MD、ちゃんとタイトルとか入れるタイプでしたか。

岡本 私、その作業がめっちゃ好きで、お姉ちゃんのも全部やってました!

石橋 私も嫌いじゃなかったので、わりとまめにやっていたほうだと思います。あと、MDのケースに曲名を書けるところがあるじゃないですか。そっちは絶対書いてましたね。

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二人が今も忘れられない同級生の記憶

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PARTNERS

作品情報

ひとりたび

©Ippo

©Ippo

ひとりたび

2026年6月27日(土)より新宿K’s cinemaほか全国公開
配給:MomentumLabo.

キャスト&スタッフ

出演:
岡本 玲
長村航希 坂ノ上 茜 岩田 奏 石山愛琉
日高七海 里内伽奈 中山求一郎 長友郁真 / 濱田マリ 原 日出子 平田 満

撮影:関 瑠惟 照明:中田祐介 録音:坂元 就 美術:畠 智哉
スタイリスト:小宮山芽以 ヘアメイク:安藤メイ 助監督:中村幸貴 制作担当:小元咲貴子
編集:小笠原 風 音楽:山城ショウゴ スチール:松井綾音・おにまるさきほ
ビジュアルデザイン:東 かほり 宣伝:五味聖子
プロデューサー:田中佐知彦
主題歌:ん・フェニ「おもうたび」 作詞・作曲:ん・フェニ(ビクターエンタテインメント/CONNECTUNE)

1991年6月18日生まれ、和歌山県出身。2003年、第7回雑誌「ニコラ」専属モデルオーディションでグランプリを獲得し、デビュー。以後、ドラマ・映画・CM・舞台と多方面で活躍中。主な出演作に、NHK 連続テレビ小説「純と愛」(12〜13)、「わろてんか」(17〜18)、映画『弥生、三月-君を愛した30年』(20/遊川和彦監督)、『茶飲友達』(23/外山文治監督)、映画『たしかにあった幻』 (26/河瀨直美監督監督)、など。4月28日から舞台『トランス』(作・演出: 鴻上尚史)が上演中、 7月29日から『頭痛肩こり樋口一葉』(演出:栗山民也)の上演を控える。

1988年生まれ、千葉県出身。日本映画学校卒業(現・日本映画大学)、映画美学校脚本コースを経て脚本家・映画監督として活動。主な作品として、映画『蒼のざらざら』(14)、『書くが、まま』(18)、『根矢涼香、映画監督になる。』(19)、『三日月とネコ』(24)、23年のドラマ「夫を社会的に抹殺する5つの方法」(TX)、「僕らの食卓」(BS-TBS)、「カメラ、はじめてもいいですか?」(BS東急)などで脚本・監督を務めた。原作を担当した漫画「ザッケン!」(小学館) を自ら監督し、全国公開中。

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