『アズワン/AS ONE』声優2人による初対面直後の初対談
白岩瑠姫&白石晴香が語る信頼と運命の相関性 巡るチャンスを掴むためにあるべき心がけとは
2025.08.28 19:00
2025.08.28 19:00
自分の人生を自分で選択してきたことも運命だと思う
──「歌」は、作中の重要なアイテムになっていますよね。白岩さんがそのキーとなる楽曲「巡星」の作詞・作曲を手掛けています。制作サイドからどのようなリクエストがあって、どういう風に仕上げていったのかを教えてください。
白岩 お声がけいただいた時に「声優だけでなく、楽曲作りも」と言われて、「どっちも初めてだな」と思ったのを覚えています。ソロ楽曲は発表したことはあるけれど、何かに対して楽曲を書き下ろすというのは初めてだったから、2つの初めてはプレッシャーでした。そもそも『アズワン/AS ONE』にオファーをいただいたのは、僕のソロ楽曲「ひまわり」を制作陣が聴いてくださったのがきっかけだったから、「期待値を超えなきゃ!」という責任感は強かったですね。制作サイドからの最初のリクエストは「バラードっぽく作ってほしい」ということで、参考として送られてきた曲もバラードだったんです。でも、僕が台本を読ませていただいて抱いた『アズワン/AS ONE』の世界観は、バラードではなかったんですよ……。そこで、バラードとバラードでないものの2曲のデモを頑張って作りました。そうしたら満場一致で、バラードでない方が選ばれた。それが「巡星」です。

──直感は間違ってなかった。
白岩 そうですね。リクエスト通りではなかったけれど、映画の世界観に合う楽曲を真剣に選んでくださった結果、「巡星」になった。思いを込めて作った曲なので、そこは嬉しいポイントでした。
──JO1の活動が忙しい時期に、2曲も仕上げたなんて!
白岩 まさにJO1のワールドツアーの最中でずっと海外に行っていたので、制作時間がないのは厳しかったですね。デモも韓国から日本帰ってくる飛行機の中で最終仕上げをして提出したし、曲が決まって「巡星」のレコーディングをしたのも韓国から帰ってきた日で。レコーディングしながら何回も歌い直して、歌詞も書き直して……かなりタイトでしたが、だからこそ「集中しなきゃ!」という気持ちになれて、良い楽曲に仕上がった気がします。キツかったからこそ、この楽曲に巡り合えた。今考えたら楽しかったし、良かったなと思えます。
──白石さんはさきほどのお話の中に出てきたように、作中で「巡星」のメロディを歌っていらっしゃいますが、曲を聴いた感想を教えてください。
白石 「巡星」というタイトルだけに、星を本当に巡っていく感じがパッと頭に浮かびました。心情に訴えかけてくるところもあるけれど、ロボットアニメの良さみたいなところもあって。両方の要素を感じる楽曲だなと思いました。 作中でラコが未完成の曲を聴いて、「もうちょっといい曲になるだろうね」と言うセリフがあるのですが、最後の完成形ではヨウくんの想いがすごく詰まった楽曲になっているので、最後まで見た上でエンディングの「巡星」を聴くと、とっても染みますよ。シンプルに楽曲として素晴らしいのですが、どれだけこの作品のことを想って制作されたのかも作品を見ていただいた方には絶対に届くと思うので、ぜひとも作品を見た上で楽曲を聴いてほしいと思います。
──地球に住むヨウと巡星に住むラコは、運命に導かれて出会います。お二人にも今までに運命の出会いはありましたか?
白岩 JO1のメンバーに出会ったこともそうだし、『アズワン/AS ONE』で白石さんとお会いできたのも運命ですよね。そもそも僕の楽曲「ひまわり」を見つけてくださり、それが監督の元に届いて『アズワン/AS ONE』に出会ったのも運命だと思うから、運命の連続です。
白石 偶然だけでなく、自分の人生を自分で選択してきたことも運命だと思います。『アズワン/AS ONE』はオーディションだったのですが、資料をいただいた時からラコに運命的なものを感じていたんです。この作品の音響監督・明田川仁さんにはオーディションのたびに「あ、今、試されてる」と思わされるのですが、それに応えるために自分の新たな引き出しを一生懸命引き出して「開いた!」という感覚になれる。今回もそうでした。だから何としても、ラコを演じたかった。この運命が見事に結びついて、ラコになることができました。
──白岩と白石という同じ属性同士というのも、運命的ですよね。コンビ名を付けるなら“ロック&ストーン”はどうでしょう、なんて取材チームで話してました(笑)。
白石 じゃあ、今日限定で(笑)。
白岩 白は取らないんですね(笑)。でも、白岩という苗字は珍しいから、よく白石さんと間違われるんですよ。白石さんが白岩さんに間違われることはないと思うけれど(笑)。

──「人を信じる、自分を信じる」というのが作品のテーマのひとつかと思うのですが、お二人が“信じられる人”であるために心がけてることはどんなことですか。
白岩 うわっ、深っ!
白石 私は、自分で決めたルールを1つ1つ絶対に守っていくことかな。自分が自分を信じられないと、人からの信頼も得られないと思うから。約束事を守れる人、ルールをしっかり守れる人……、日常の中の小さなことでもいいので、自分自身の中で決めたルールをちゃんと守れる人でありたいなと思っています。きっと誰かがそれを見てくれているし、そこから信頼関係が生まれる……と私は思います。
白岩 素晴らしい答えですね。僕も同じです。
──同じは無しでお願いします!
白岩 ダメか~(笑)。でも、“好き”であることじゃないですか。恋愛だけじゃなくても、相手を“好き”だから信じられるんだと思いますよ。
──では最後にもう1つ聞かせてください。主人公のヨウは将来に対する悩みを抱えていますが、お二人がヨウのような子に人生の先輩としてアドバイスしてあげるとしたら?
白岩 僕も考えちゃうタイプだから、迷うんだけれど、そんな時にいつも思うのが、「考えても、未来のことは誰にもわからない。迷っても悪い方に行ってしまうから、今、自分がやりたいことや考えていることを正解にしていくしかない」ということ。考えすぎず、それを後々振り返った時に正解にしていくってことかな。
白石 私も似ているかもしれないけれど、2択があったとしたら、人の意見よりも自分の意見を尊重した方がいいということですね。人のいろいろな意見に惑わされることもあるけれど、自分が信じた道を進めば後悔することはないと思いますし、後から「こうなっちゃったな」と思っても、自分と向き合って選んだ道ならば、自分も誇れるだろうし。自分を信じてほしいと思います。
白岩 いやぁ~、最後まで深かったですね(笑)。

映画『アズワン/AS ONE』場面写真 © SQUARE ENIX, SUNRISE © ASONE製作委員会