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INTERVIEW

ドラマ『世界で一番早い春』主演俳優が語るルーツと覚悟

「やるからには中途半端なことはしない」吉田美月喜が“立ち止まらない”と決めた理由

2025.07.17 19:00

2025.07.17 19:00

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くじけそうなときに思い出すのはいつも母の言葉でした

──真帆にとって憧れの人が、雪嶋先輩です。最初は怖い人なのかなと思ったら、意外と優しいところもある人で。

そうなんです。見た目はクールだし、幽霊部員から怖がられているんですけど、真帆に対して頭ポンポンしたり、「やったー!」とハグしたり、ふとしたときの距離感が近いんですよね(笑)。そうなるのは、二人が同じくらいの熱量を漫画に注いでいるから。台本を読んだときは、この流れで頭ポンポンは難しいんじゃないかなと思っていたのが、意外と部室で一緒に漫画を描いていると、その熱のまま自然とできちゃって。雪嶋も案外可愛らしいなと思うようになりました(笑)。

──雪嶋は、漫画を完成させられず、もがいている真帆に対し、「描けねえって立ち止まるより、恥ずかしくてでもできることやるしかねぇだろ」と叱咤します。

もう「おっしゃる通りです」って感じです(笑)。わかってはいるんですけどね。でも、それがうまくできない時期もあって。きっと雪嶋のそういう言葉が、真帆が立ち止まりそうになったときに、頑張ろうと思える支えになっていたんじゃないかなと思います。

──吉田さんにも、背中を押してくれる誰かからの言葉はありますか。

やっぱりお母さんですね。この仕事を始めるときに、「やるからには中途半端なことはするな」「ちゃんと筋を通せ」と言われて。それこそオーディションがうまくいかなくて、くじけそうなときに思い出すのはいつも母の言葉でした。

──お母さん、男前ですね。

そうなんです。

──「筋を通せ」のあたりに、若干のヤンキー気質が(笑)。

全然ヤンキーではないですけど、ボーイッシュではあります(笑)。私はお母さんのそういうところが大好きで。たまに大人げないなと思うところもあって、それで喧嘩になったりもするんですけど(笑)。でも「中途半端なことはするな」という約束でこの仕事を始めているので、ふとした瞬間に「中途半端なことはできねえな」という気持ちになります。

ドラマ『世界で一番早い春』より
©︎川端志季/講談社 ©「世界で一番早い春」製作委員会・MBS

──男前なお母さんのDNAが自分にも流れているなと感じる瞬間はありますか。

ありますね(笑)。お母さんからもよく「いい根性してるね、さすが私の娘だ」と言われています(笑)。

──お母さん、絶対、学生の頃、ロンスカ履いてませんでした?(笑)。

いや、お母さんは短い膝上のスカートでバイクに乗って学校に行ってたらしいです(笑)。

──さすがです(笑)。

ちゃんと学校の許可はとっていたんですけどね(笑)。お母さんはテニス部で、バイクに乗って試合に行ってたらしいです。私もテニス部だったんですけど、そんな人が試合相手で来たら死を覚悟するなと思いました(笑)。車とバイクが大好きなボーイッシュなお母さんで、人生の大切なポイントのときは必ず相談させてもらうし、いつも重みのあるド直球の言葉をくれる、頼れるお母さんです。

──真帆は何度失敗しても、めげずにタイムスリップし続けます。吉田さん自身はめげやすいタイプですか。それとも成功するまであきらめないタイプですか。

ものによるかもしれないです。やって、「これは合わないな」と思ったものに関してはきっぱりあきらめます。たとえば、子どもの頃に母がなんでも経験になるからと、やりたいと言った習いごとは結構やらせてくれたんですよ。それでピアノを始めたんですけど、ピアノに関しては「私はピアノじゃないな」ってスンッとやめました。その代わり、小学校のときはずっと打楽器をやっていましたね。踊りに関してもヒップホップとバレエをやっていて。ヒップホップは「なんか違うな」と思ってスンッとやめましたけど、バレエは続けていました。そう考えると、直感と決断力はわりとあるほうかもしれないです。

──お母様からも「いい根性してるね」とお墨付きをもらうくらいですしね。

ベースが負けず嫌いなんです。それはずっとやってきたテニスとバスケで培ったものかもしれません。このお仕事をしていると、役づくりでやったことのないことを習わなきゃいけない機会が多くて。それこそ私にとって初めての海外映画になった『KARATEKA』ではオリンピックで実際に使われた空手の型を2ヵ月で習得しないといけなかったんです。空手なんてやったこともなかったから、それはもうひたすら練習の毎日でした。ずっと空手をやってきた方が、俳優がお芝居でやっているのを見て「全然違う」と思われる部分もあると思いますが、できる限りそういった違和感を感じさせないように、経験者の方が見ても納得してもらえる空手を見せたいなって思って練習に打ち込みました。そういう目標があると頑張れるし、やり遂げたときの達成感も違いますね。

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最近始めた習慣がくれた毎日の変化

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作品情報

ドラマ特区『世界で一番早い春』

©︎川端志季/講談社 ©「世界で一番早い春」製作委員会・MBS

©︎川端志季/講談社 ©「世界で一番早い春」製作委員会・MBS

ドラマ特区『世界で一番早い春』

2025年6月19日(木)初回放送スタート
MBS :6月19日(木)より毎週木曜 24:59~
テレビ神奈川:6月19日(木)より毎週木曜 23:30~
チバテレ :6月20日(金)より毎週金曜 23:00~
テレビ埼玉 :6月25日(水)より毎週水曜 24:00~
とちぎテレビ :6月26日(木)より毎週木曜 23:30~
群馬テレビ :6月26日(木)より毎週木曜 24:00~
配信/TVer、MBS動画イズムで見逃し配信1週間あり/FODにて見放題独占配信

公式サイトはこちら

スタッフ&キャスト

出演:吉田美月喜 藤原樹(THE RAMPAGE)
大倉空人(原因は自分にある。) 大原 梓 日比美思 /味方良介
原作:川端志季『世界で一番早い春』(講談社「Kiss」所載)
脚本:ニシオカ・ト・ニール、松本美弥子、桐乃さち
監督:富田未来、北川瞳
オープニング主題歌:「さくら、届け」Girls² (rhythm zone)
制作プロダクション:The icon
製作:「世界で一番早い春」製作委員会・MBS

吉田美月喜

アーティスト情報

2003年3月10日生まれ、東京都出身。昨年は劇場アニメ『ルックバック』にて京本役でW主演を務め、注目を集める。これまでの主な主演作に、映画『あつい胸さわぎ』(23/監督:まつむらしんご)、映画『カムイのうた』(24/監督:菅原 浩志)、MBS「マイストロベリーフィルム」(24)、舞台『デカローグ7「ある告白に関する物語」』(新国立劇場)。また、近年の出演作品に、Netflixシリーズ「今際の国のアリス」(20)、TBS「ドラゴン桜」(21)などがある。
最新作はスペイン映画「KARATEKA」(26、スペイン公開予定)海外作品に初挑戦となった。

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