ドラマ『セカハル』さながらのサポート力はいつ身につけた?
大倉空人が掴んだ鮮明な理想像 これまでの転機を後押しした存在とは
2025.07.17 18:00
2025.07.17 18:00
なりたい自分がはっきりしたら、他人の評価が気にならなくなった
──リアリストなところもあるということですが、じゃあ物事を考えるときも論理派ですか。
いやいやいや。論理的なところもあると思いますけど、だいぶ感覚派ですね。嫌だと思ったら嫌なので。リアリストなのは、主に生活面。たとえば、ちょっと大きな買い物をするとして、今月これを買ったら来月結構キツくなるなと考えてやめることもありますし。逆に思い切って買っちゃって、ミスったなって後悔することも全然あります。なのでやっぱり感覚派ですね。

──自分のこれからのキャリアについてはどうですか。ちゃんと逆算して計画を立てていくタイプか、直感を信じるタイプか。
大まかな目標については、逆算しますね。たとえばグループとして東京ドームに立ちたいとか、個人として大河ドラマや朝ドラに出たいとか、そういう目標に向かって、じゃあ今どうするかみたいなのは結構頭で考えます。
──じゃあ、ご自身の3ヵ年計画みたいなのも結構考えたりとか?
しますね。俳優の仕事で言うと、時代物をやったことがないんですよ。なので、大河に出るためにもまずは武士の役をやってみたいなとか。こういう役を演じたいというのも、いろいろ考えます。『キャラクター』という映画でFukaseさんが演じた殺人鬼みたいな役をやりたいなと思っていて。そのためには、ナチュラルなお芝居だけじゃなく、もっと作品に合ったお芝居ができるように勉強しなきゃいけないなとか思うし。今、『国宝』という映画が話題になっていますけど、歌舞伎役者を演じるために1年半も稽古をしたという話を聞いて。いつか自分もそれくらいのレベルで一つの作品に取り組む経験がしたいなとか、そういうことも考えます。
──そういう頭の中のシミュレーションって、可視化するためにもちゃんと1回書いてみる人も多いですが、大倉さんの場合はどうですか。
完全に脳内ですね。そこは感覚派です(笑)。前に1回、ロードマップを書くみたいなことをやったことがあったんですよ。そしたら自分が書いた目標より現実のほうが先に進んじゃって。今年はドラマに2本出るって書いたら、5本くらい出させてもらったのかな。で、「うわ、目標が低かった」って思っちゃって。それが嫌で、もう書くのはやめました(笑)。
──「嵐くんは晴田真帆のサポート役です!」とコメントされていました。大倉さん自身は自分が前に出るほうが好きですか。それともサポート役のほうが性に合っていますか。
たとえば、EBiDANで番組をやるときは、総勢60人以上いるので前に出なきゃ映らない。なので、ここは前に出なきゃというところを見極めて前に出たりはします。でも、基本はサポート役のほうが得意っちゃ得意です。

©︎川端志季/講談社 ©「世界で一番早い春」製作委員会・MBS
──大倉さんって複数の人と取材を受けるとき、誰があんまりしゃべってないとか、ここは自分が盛り上げたほうがいいとか、場を見て行動されるじゃないですか。それがすごいなと思っていて。
いやいや、ありがとうございます。確かに、質問をいただいて、これは誰も答えが出そうにない話題やなと思ったら、まずは自分が話して、そこから人にパスする、みたいなことはありますね。
──あの周りを見る力はどうやって養ったんだろうということが気になっていて。
リアルな話、高2のときに「原因は自分にある。」がデビューしたんですけど、それまでずっと僕は全人類が僕のことを応援してくれていると思っていたんですね。けど、グループで配信をしていたら、僕に対するネガティブなコメントを見つけちゃって。そうか、こういう感情を持つ人もいるんだって、初めて気づきました。そこから、すごい人の言葉を気にするようになって、何かをするたびにあれこれ言われるのがしんどくなっちゃって。サポートする立場に回ったら何も言われなくなるのかなと思って、MCの勉強を始めたんです。
──そうか。MCは他を立てる立場だから。
僕に対してマイナスなことを言ってる人も、他のメンバーを推したいから、ゲンジブを応援しているわけで。じゃあ、その推しを立てたら僕のことを邪魔と思わなくなるかなって。それで、MCを上手くなろうと頑張っているうちに身についた力のような気がします。

──今も人のコメントは気になりますか。
いや、今は全然気にならないです。
──良かった。どうやってその心の強さを身につけたんでしょう。
当時はデビューしたてで若かったというのが大きかったと思います。今はちゃんと自分のやりたいことがあるし、なりたい像も確立している。去年くらいからかな。自分はこうありたいという意志がはっきりしてからは、他の人からどんなふうに見えていてもいいやって割り切れるようになりました。
──それでいいと思います。
あとは何より僕のことを応援してくださっているファンのみなさんのおかげですね。去年から個人ファンクラブができたんです。そこでいろんな人が温かい言葉を寄せてくれて。こんなにも自分のことを好きでいてくれる人がいるんだって実感を持てるようになってから、自分に対しても自信を持てるようになりました。
次のページ