2025.03.17 20:00
「Billlie World Tour 'Our FLOWERLD (Belllie've You)' ASIA & OCEANIA」2025年2月28日YOKOHAMA Bay Hall公演より
2025.03.17 20:00
K-POPガールズグループBilllieが自身初のワールドツアー「Billlie World Tour ‘Our FLOWERLD (Belllie’ve You)’ ASIA & OCEANIA」でヨーロッパ9都市、北・南米14都市、アジア7都市を巡った。2021年に韓国でデビューしたBilllieは、翌年リリースした「GingaMingaYo(the strange world)」で、メンバーつきのコロコロ変わる表情が話題になり一躍人気に。2023年5月には同曲のJapanese ver.で日本デビューを飾り、ミニ1集『Knock-on Effect』を発売するなど多彩な活動を続けてきた。
そんなBilllieが、デビュー4年目にして初開催したワールドツアーで日本を訪れた。ようやくたどり着いたワールドツアーにかける想いは相当強かったのだろう。2月28日のツアー最終日、メンバーたちの気合いの入ったステージと、それに呼応するファンの大きな歓声で、YOKOHAMA Bay Hallはスタートから熱く盛り上がった。
1曲目の「RING ma Bell (what a wonderful world)」からBelllie’ve(ファンネーム)の大合唱と熱狂的な大歓声で迎えられたBilllieは、ハードなロックチューンに負けない持ち前の明るさと元気のよさで会場のBelllie’veをさらに煽っていく。最後の「全部Resetへ」の歌詞は、いろんなことを乗り越えてきたBilllieがすべてをリセットし、ここから新しいスタートを切るんだという決意のようにも感じられた。続く「DANG! (hocus pocus)」はしなやかでパワフルなダンスと多彩なフォーメーションで、Billlieらしい楽しさ満点のステージ。はるなも「始まりのステージからめっちゃ大きい掛け声してくれて元気出ました!」と語ったほど、スタートから会場のボルテージはマックスに。さらにガーリーな雰囲気の「a sign ~ anonymous」からグッと大人な顔を見せた「enchanted night ~ 白夜」まで、序盤からBilllieの魅力を余すところなく見せつけた。

ヘッドセットからハンドマイクに交換する間、メンバーが交代でステージに残り会場のBelllie’veたちとコミュニケーション。ハラムが「今日来てくださったBelllie’veのお願いごとを叶えてみたい」と言うと、シユンが「自分もBelllie’veだから」という口実で「焼き肉おごって♡」とおねだり。会場のBelllie’veからのおねだりは、「The Savior」を聴きたいというもの。ライブ前日に発表されたばかりの新曲を知っていることにメンバーは興奮しつつアカペラで歌ってみせ、次にしっかり聴かせてくれることを約束した。
ムン・スアのハスキーボイスから始まる「the eleventh day」ではジャジーなサウンドに合わせてシユンが壁にもたれかかるなど大人な一面を見せ、続く「nevertheless」ではスヒョンとハラムが突き抜けるハイトーンで会場を魅了。シティポップナンバー「shame」では歌詞に合わせてメンバーそれぞれ異なるハートを作ったり、踊らずとも曲のストーリーを見事に表現してみせた。つきの表情で注目を集めたBilllieなだけに、普段はパフォーマンスに注目されがちだが、ダンスは彼女たちの魅力の1つにしか過ぎないことを、この3曲のセクションで存分に見せつけた。単純な歌のうまさ以上に、表情だけでなく声で楽曲を表現する力、そしてなによりBilllieというグループが持つ個性と物語性を活かした楽曲たちが彼女たちをさらに魅力的に輝かせているのだ。
ファン待望のユニットステージでは、スヒョンとハラムがAlicia Keysの「If I Ain’t Got You」をカバー。低音から高音まで音域が広くやわらかい声質が持ち味のハラムと、頭から突き抜けるようなクリアな超ハイトーンが魅力のスヒョンの2人によるハーモニーは、聴いているだけでぜいたくな気分になる。そんな中、ふとスヒョンの声が途切れてどうしたのかと思えば、感極まって涙が止められなくなったよう。泣いている姿を見せないように背中を向けるスヒョンに、会場からはあたたかい声援が贈られた。
続くはるな、ション、シユン、ムン・スア、つきの5人はLE SSERAFIMの「ANTIFRAGILE」とaespaの「Armageddon」のダンスカバーを披露。パワフルでエネルギッシュなパフォーマンスに、ややしんみりしていた会場に再び火がついた瞬間だった。

VCRではメンバーたちが「マフィアゲーム」(日本で言う人狼ゲーム)と称してゲームを開催。メンバー全員がヘッドフォンをして「기억사탕(remembrance candy)」を踊る中、別の曲を聴きながら踊っているメンバー(マフィア)を当てるというもの。全員が息の合ったダンスを見せ誰がマフィアかわからない中、ムン・スアがダンスを間違えて一気にマフィア候補に。この答え合わせはライブ後半に行われたのだが、マフィアはつきとスヒョンと明かされ、会場からは驚きの声が上がった。この日、会場から挙がった声ではムン・スアとスヒョンをマフィアと疑う声が多かったのだが、実際にワールドツアーのどの会場でもムン・スアがマフィアの声が多かったとつきが言うと、ムン・スアは「アイムノットマフィア!」と答えてみんなを笑わせる一幕も。
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