映画『遺書、公開。』公開記念リレーインタビュー #2
気にしすぎていた10代から自信を持てる自分へ、堀未央奈が“大変な道”で変えたマインドセット
2025.02.11 17:00
2025.02.11 17:00
自分を傷つけないためにも、線引きが大事
──堀さんがはっきり自分の考えを言えるのはもともとの性格なんですか。それとも、そういう人になりたいという努力の結果なんでしょうか。
はっきり言える人になりたい、という憧れからのスタートでした。もともとは自分の意見を言えるような性格じゃなかったんですよ。ずっと人に合わせて生きてきた人間なので(笑)。
──意外です。
乃木坂46にいたときも、はじめのうちは思ったことが言えなかったり、本当の自分を表現できなくて。自分じゃない自分として周りから見られたり、誤解されることもよくありました。それを変えるにはやっぱりコミュニケーションというものが大事になってきて。私の場合は、回りくどいのは全部やめることでした。うれしいことはうれしい。嫌なことは嫌。わかりやすい人間でいようと決めて、ストレートに気持ちを表現するようになってからは、ちょっと楽になれました。
──そういうステップを経てきたからこそ、今、柔らかさを得たいと思ってるんですね。
はい。そうなれたらいいなと思いますね。
──今、その柔らかさはどれくらい自分のものにできていますか。
全然ですね。まだ強いです。だって、じゃあ今Tシャツをつくって、胸元に自分で文字を入れろって言われたら「私は悪くない」って書きそうですもん(笑)。
──最高ですね(笑)。
母親的にはもっと柔らかさを持ってほしいらしくて。品の良さとか、柔らかさとか、そういうものを今後は目指していけたらなって。本当は持っているんですよ(笑)。でも自分の身は自分で守らないとっていう精神が10代の頃からあって。必要以上に強くなりすぎちゃいました(笑)。まあ、それで周りの友達を守れたり、自分が嫌な思いをせずにすむなら、別にこのままでいいかとも思いますけど。
──椿が何を考えているかわからないように、人の本心なんてわからないものだと思います。堀さんは仲が良い相手のことは何でも知りたいタイプですか。それとも仲が良くても一線を引いて付き合うタイプですか。
私は信用したいし信用してほしいという友達ができたら、全部さらけ出しちゃいます。それで傷つけられたりしても相手が悪いとは思いたくなかったから、全部自分の関わり方がダメだったんだって考えるようにしていました。
そしたら、すごく仲の良い友達から「優しすぎるからナメられちゃうんだよ」と言われたことがあって。私は自分を信用してほしいと思ったら、まずは自分を正直に出すことからスタートしなきゃいけないと思っていたし、その考えは今でも大事にしたいんですけど、一方でこれは許しちゃダメという自分の中の線引きも持っておかないと、自分を傷つけることになる。だから、そこはちゃんと見るようになりました。友達からの愛のある叱りのおかげですね。
──今日こうしてお話を聞いていて感じたことなんですが、頭の中を言語化するのがすごくお上手ですよね。
本当ですか。確かに作文とかすごく好きでした。時間があれば物語書いたりとかっていうのもあったし。ブログも好きで乃木坂46時代にたくさん投稿してましたね。たぶん言葉が好きなんだと思います。
──質問に対するレスポンスも速くて、しかも的確です。
たぶん伝えたいという思いが強いんだと思います。こういうふうに見られたいという気持ちがなくなった分、失うものが何もないので怖いものなしというか。
──怖いものなしって言葉、似合いますね。
あ、でも虫は苦手です(笑)。ホラーとかも好きなんですけど、心霊スポットとか、お化け屋敷とか、そういうリアルなのは苦手ですね。
──今回、Bezzyでは映画『遺書、公開。』のキャストの皆さんにリレーインタビューを行います。堀さんの次は松井奏さんにお話を伺うのですが、堀さんから見て松井さんの“1位”なところを教えてください。
ピュア“1位”ですね。いい意味で少年っぽいというか天然なところがあって、その濁りのなさがみんなから愛されていました。自転車を2人乗りするシーンがあって。2人乗りをしたことがなくて撮影前に練習していたんですけど、途中で私の代わりに監督が後ろに乗って。でも松井さんはそれに気づかずに、ずっと漕いでて。途中で振り返って、初めて私じゃないことに気づいて、すごいびっくりしてたんです。それを見て、嘘でしょってなりました(笑)。
──ちなみに志田さんは堀さんのことをギャップ“1位”だと言っていました。とても綺麗なんだけど、ボーイッシュなところがあって、食べ物の好みも渋いと。
そうですね。珍味とか浜焼きが好きです(笑)。そのイメージは間違ってないですね。
『遺書、公開。』場面写真 ©︎2024 映画「遺書、公開。」製作委員会 ©︎陽東太郎/SQUARE ENIX