『ラブ トランジット』主題歌で得た視点と描いた恋愛観とは
「新しい自分との物語が始まった気がする」第2章を歩むeillの“夢の叶え方”
2024.08.28 18:00
2024.08.28 18:00
Prime Videoの恋愛リアリティー番組『ラブ トランジット』シーズン2の配信が8月22日(木)20時にスタートした。様々な理由で一度別れてしまった元恋人たち5組が、約1ヵ月の共同生活を通して過去の恋と新たな出会いの間で揺れ動く姿を捉える『ラブ トランジット』。昨年配信されたシーズン1では元恋人に対する切ない未練や新たな恋との駆け引きなどが、多くの共感と感動を呼んだ。
この番組を彩ったのがeillの音楽。主題歌「happy ending」はもちろん、挿入歌として「片っぽ – Acoustic Version」や「FAKE LOVE/」などが使用され、参加者たちの恋模様に寄り添った。そしてこのたび配信されたシーズン2の主題歌と挿入歌もeillが担当。前シリーズを見て新たな視点を得たというeillが、新主題歌「happy ever after」に込めた思いとは。
※この記事は本編4話までのネタバレを含みます。
台本がない番組の楽曲を作るのは楽しい
──今や『ラブ トランジット』=eillさんといっても過言ではないくらい、番組にeillさんの音楽は不可欠になっていますが、昨年、最初に『ラブ トランジット』の主題歌を務めることになったときはどう感じましたか?
当たり前ですが、恋愛リアリティ番組には台本がない。番組のテーマはあるものの、どういう物語になるかわからない状態で曲を書くので、一種の賭けのような気持ちでしたね。だから、「私だったら……」という考えで、私のX(番組内で元恋人のことを“X”と呼ぶ)への気持ちを書いてしまったんです。だけど、実際に番組を見てみたら、皆さん、自分が思っているよりもピュアな気持ちを持って参加していて。また違う視点を感じたというか。新鮮でした。そういう意味でも、台本のない番組の楽曲は作っていてすごく楽しかったです。
──シーズン2の主題歌「happy ever after」は、前シーズンの主題歌「happy ending」とは違う視点だなと感じました。まさにシーズン1を見て、新たな視点を得たのではないかなと感じたのですが、シーズン1を見て、改めて『ラブ トランジット』はどのような番組だと感じましたか?
他の視聴者の方がどうかはわからないですが、私は、自分は復縁は無理だと思っていたんです。別れた人ともう一度恋に落ちるなんて、って。だから番組を見ていても最初は、Xに対して素直に自分の気持ちを話したり、笑ったり泣いたりしている参加者の皆さんはすごいなと思っていました。だけど見ていくうちに、やっぱり一度は好きになった人だし、友達や家族に見せない部分を見せるのが恋人だったりもするから、一度そうやって心を許した人だからこそ、また恋をしたり好きになったりするのかもしれないと気付きました。
──私も始まる前は「どんなドロドロした番組になるのだろう」と思っていましたけど、実際はすごくキュンキュンしますよね。
そうですね! 初恋くらいのレベルでもう一度恋に落ち合っていて。すごいなと思いました。
──そんなシーズン1を見たあとにシーズン2の主題歌として「happy ever after」を作られたわけですが、どのような曲にしたいと思って作り始めたのでしょうか?
前の「happy ending」は、“好きだったとしても、その気持ちを断ち切ってさよならするほうがいいぞ”という感情が大半を占めていたのですが、今回の「happy ever after」は、“もしこの先一緒にならなかったとしても、好きだった気持ちをずっとずっと咲かせておきたい”という思いを書きました。「happy ever after」というフレーズは物語の最後の「いつまでも幸せに暮らしましたとさ」といった意味で使われるもの。その恋が1冊の本として自分の本棚にしまわれるような、そんなメモリアルな恋の歌にしたいなと思って書きました。
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