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COLUMN

オタズネモノ by 庄村聡泰 #7

Shiggy Jr.の満場一致「やっぱりバンドが好き」

2024.05.22 18:00

2024.05.22 18:00

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めっちゃ鍛えられたおかげで今の仕事がある

──諸石さんはKnosisもやったり、いろんなバンドにいますよね。そういうエクストリームなことをやっているときに、「この感覚はShiggy Jr.に投影したら良くなりそうだ」とか、思うことあるんですか?

諸石 どうかな……。たまにライブ中に「俺ポップスやっていたんだな」と、ふと気づく瞬間があります。冷静なときじゃなくて、ライブ中の頭が激しく働いているとき急に思うことが多いですね。他のドラマーに「他のジャンルもやってました?」って突っ込まれることもあって。

池田 え、わかるの? すごいね。

諸石 なんか違う感じがあるみたい。

──個性が出るんでしょうね。

諸石 極まったときに無意識で出ちゃうんですね。ツアーが続いて頭も限界のとき、急に自分を俯瞰して見る習慣があって。

諸石和馬(Dr)

──エクストリーム系はやっていいこと・やっちゃいけないことの型がある程度決まってますからね。そういうジャンルのみやっているドラマーが大半でしょうし。そう言われるとうれしいんですか?

諸石 うれしいですね。自分のドラムの個性で悩んだ時期があって。新宿Antiknockというライブハウスで育ってるので、パンクスとか、ハードコアとかメタルのジャンルに尖って特化した人が一番かっこいいと思っていて。自分はそうではないので。けど、ある時点から「尖っていないけど、何にでもなれるカメレオン的なドラム」が俺の個性なんだなと気づいたときから、他のジャンルで叩いているときに「ポップスを感じた」と言われるのがうれしくなってきて。ある特定のジャンルのスターにはなれないけど、いろんな色が入っているドラムに感じてもらえるのは、今一番うれしいかなって思います。

──なるほど。森さんはとにかくスラップがお好きな方という印象があります。大学のときはT-SQUAREとカシオペアが神みたいな?

森 いや、まったくです(笑)。あんまりそういうのをやってこなかったんですけど、Shiggy Jr.に入って“スラップの人”になっています。最初の「サマータイムラブ」がスラップで、あの曲みたいなオーダーが多いんですよ。そうなるとスラップになっちゃって。全然嫌とかじゃないですけど、俺のスタイル的にはスラッパーなわけではないです(笑)。

──みんなからも“スラップの人”って言われます?

森 あんま言われたことはないですけど、Shiggy Jr.はスラップが多いバンドだなと思われている可能性はありますよね。高校時代はナンバーガールとかですね。パンクキッズだったので、プレシジョンベースを短くして、赤黒のチェックに、スタッズベルトをつけて。

池田 あと、南京錠つけて(笑)。

森 (笑)南京錠つけて、SEX PISTOLSのシャツ着て、髪を赤髪にするワックスつけて、眉毛はゲジゲジで。そのままダウンピッキングをずっとしていました。大学に入ってから、R&Bとかブラックミュージック、ジャズとかを好きになってやるようになりました。スラップはどちらかというと苦手でした。

Shiggy Jr.「サマータイムラブ」
2015年リリース メジャー1stシングル『サマータイムラブ』より

──原田さんは、なぜそんなベースにスラップを?

原田 ちょうどそういう時代の流れだったんですよね。

森 「これでやる!」ってなっているから。練習してやるしかなく。

諸石 そういうの多かったよね。シンセベースも。

森 そうだね。曲の幅が異常に多いから、そういう意味ではめっちゃ鍛えられましたよね。今はめっちゃ感謝というか、そのおかげで今の仕事があったりするんで。

諸石 めちゃくちゃ育てられたよね。

森 それがなかったら、ここまでちゃんと食えていけていたかわかんない。

──それでも打ち込みじゃなくて、生楽器の肉体的な快楽にポイントを置いている印象ですが、できるだけ生楽器でやりたいみたいな?

原田 当時のディスコ的なものの流れだと、打ち込みをバッチリやっていたし、いいなと思っていた。けど最近は生楽器のほうは多いかな。ほんと時期によって。僕はまわりのことを本当に何も考えてないんで(笑)。曲を作って、いざやろう!となった結果それが大変なことになる。

森 打ち込みで弾けないフレーズを出してくる(笑)。

森夏彦(Ba)

──原田さんが全作詞作曲ですが、原田さんご自身は女の子に歌わす歌詞、曲のスタイルはどうやって構築していったんですか?

原田 ずっと流れるままにきてるから、池田とバンドをやるようになったから、っていうのがすごくあると思います。元々、自分が歌いたい人でもあったから、自分で歌う曲も作ってたけど、そういう流れで女の人の曲を作ることになって。Shiggy Jr.はやっぱり自分の名刺になったから、女性の曲が多いのかな。曲はいつも作ろうと思って作っていて、Shiggy Jr.時代はタイアップも割と多かったんです。そういうものとの戦いじゃないですけど、擦り合わせみたいのもあったりして。逆に今は何もないぶん好きにできるから、Shiggy Jr.としてよくなるものを作れたらなと思ってます。

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レコーディングで思い出した苦戦の記憶

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作品情報

Shiggy Jr. デジタルEP『LIFE GOES ON -EP』

『LIFE GOES ON』ジャケット

『LIFE GOES ON』ジャケット

Shiggy Jr. デジタルEP『LIFE GOES ON -EP』

2024年4月6日(土) 配信リリース
ジャケットアートワーク by 江口寿史

配信はこちら

収録曲

1. 今が幸せであれ
2. LIFE GOES ON
3. ウラオモテ
4. 今が幸せであれ(Instrumental)
5. LIFE GOES ON(Instrumental)
6. ウラオモテ(Instrumental)

イベント情報

Shiggy Jr. 11th Anniversary ONE MAN LIVE “LIFE GOES ON”

Shiggy Jr. 11th Anniversary ONE MAN LIVE “LIFE GOES ON”

2024年6月2日(日)
会場:渋谷WWW X
開場 17:00/開演 18:00
チケット代:スタンディング5,500円(税込)
※別途ドリンク代必要

Shiggy Jr. 11th Anniversary ONE MAN LIVE “LIFE GOES ON”

Vo. 池田智子(いけだともこ)、Gt. 原田茂幸(はらだしげゆき)、Ba. 森夏彦(もりなつひこ)、Dr. 諸石和馬(もろいしかずま)

2012年12月結成(オリジナルメンバーはGt.原田・Vo.池田)。
2013年11月、mona recordsから1枚目のEP『Shiggy Jr. is not a child.』を発売。
2014年2月、Ba.森・Dr.諸石加入。
2014年7月、2ndEP『LISTEN TO THE MUSIC』をリリース(ジャケットは江口寿史先生の描き下ろし)。2015年6月『サマータイムラブ』でメジャーデビュー。
2019年9月に解散。
2024年3月再集結!

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