Bezzy[ベジー]|アーティストをもっと好きになるエンタメメディア

アーティストをもっと好きになるエンタメメディア

SERIES

関根勤のマニアック映画でモヤモヤをぶっ飛ばせ! 第20回

何度観ても飽きない!ブラッド・ピット主演の傑作コメディアクション『ブレット・トレイン』

2024.05.04 12:00

2024.05.04 12:00

全ての画像・動画を見る(全7点)

関根勤が偏愛するマニアックな映画を語る連載『関根勤のマニアック映画でモヤモヤをぶっ飛ばせ!』。第20回は2022年に日本で劇場公開されたデヴィッド・リーチ監督作『ブレット・トレイン』

殺し屋の男が自分の幼い息子に怪我を負わせた犯人と接触するために乗り込んだ、東京発、京都行きの夜行新幹線。そこにはロシアマフィアの大物ヤクザの息子と、その護衛にあたる2人組の殺し屋も乗っていた。そして、主人公である不運な運び屋もとあるスーツケースを盗む任務で乗車する。あらゆる登場人物の企みが交差し、カオスな殺し合いが新幹線という密室で始まるのだった。

ブラッド・ピット主演、伊坂幸太郎の小説『マリアビートル』を原作とする本作の魅力を関根勤が語る。

関根勤

第20回『ブレット・トレイン』

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』でブラッド・ピット、少し変わったかなと思ったのが、『ブレット・トレイン』で確信しました。彼は軽い役をサラッと演じられる稀有な存在で、それは『イングロリアス・バスターズ』の時にも発揮されていました。存在感があるのに、軽いんです。ブラピってすごいですよ。めちゃくちゃイケメンな二枚目俳優でやってきて、今でもずっとスターじゃないですか。ただ、僕的には昔は彼、演技力はそんな皆に評価されていなかったと思うんです。確かに昔から上手いんですよ。ところが、かっこよすぎて、それが前面に立ってしまっていた。

映画『ブレット・トレイン』予告

そして本作『ブレット・トレイン』ではもう60歳に近いわけです。渋さも出てきたけど、そのかっこよさだけが前面に出ることがなくなって、さらに彼の演技をちゃんと人が見れるようになったんです。すると、やはりめちゃくちゃ上手いってことに気づくんですよね。彼は顔がいいから売れたんじゃない。顔もいいんだけど、演技が昔から上手だったんですよ。イケメンとして持て囃されていたものが少し削ぎ落とされて、より洗練された気がする。今回はちょっとロン毛で汚い感じのビジュアルが印象的でした。昔から時々ああいう軽くてバカな役をやっていたけど、本作ではちょっと逆にそれがかっこよかったんですよ。年齢を重ねたからでしょうね。

『ブレット・トレイン』より ©︎ソニー・ピクチャーズ

『ブレット・トレイン』はとにかく凄い映画でしたね。普段は暗殺者でもあるブラット・ピット演じる主人公が、今回はまあ便利屋みたいなことで新幹線の中にあるブリーフケースを取って京都駅で降りろって指示されるだけなんですよ。「何で俺がそんなことやんなきゃいけないんだよ」って言いながら彼は新幹線に乗車するわけですが、そこには他の殺し屋やロシアンマフィアの息子、そして謎の女、謎の女に呼び出された日本のヤクザがいて、「なんでこんなことになるんだ」ってくらい、揉めに揉めるわけです。

よくあんな台本書けるなあ。原作は伊坂幸太郎の『マリアビートル』になりますが、よく映像として舞台を新幹線の中にとどめて2時間くらいもたせるなあって。もちろん、日本の新幹線はあんなに綺麗じゃないんですけども。そしてなぜ、彼らがそこに乗っていたのが最後にわかるようになっている。全部繋がるんですよ。それと大事なのが、主人公は“代理”として今回任務を行なっているということ。だから「俺じゃねえよ」っていう感じがずっと続くんです(笑)。なんていうか、彼の運の悪さ、それがくだらなくてお笑いなんですよね。本作はもう、コメディアクション映画として傑作だと思います。

次のページ

本作の“面白さ”を解剖するなら

全ての画像・動画を見る(全7点)

作品情報

ブレット・トレイン

©︎ ソニー・ピクチャーズ

©︎ ソニー・ピクチャーズ

ブレット・トレイン

2022年9月1日(木)公開
原題:BULLET TRAIN
原作:伊坂幸太郎「マリアビートル」(角川文庫刊)
全米公開日:2022年8月5日
上映時間:2時間6分/レーティング:R15+

公式サイトはこちら

スタッフ&キャスト

監督:デヴィッド・リーチ
脚本:ザック・オルケウィッツ
出演:ブラッド・ピット、ジョーイ・キング、アーロン・テイラー=ジョンソン、ブライアン・タイリー・ヘンリー、アンドリュー・小路、真田広之、マイケル・シャノン、バッド・バニー(ベニート・A・マルティネス・オカシオ)、サンドラ・ブロック

RANKINGランキング

RELATED TOPICS関連記事

OFFICIAL SNS

  • Twitter
  • instagram
  • YouTube

COLUMN & SPECIAL連載&特集

ALL SERIES

RANKINGランキング

OFFICIAL SNS

  • Twitter
  • instagram
  • YouTube