2023.12.21 17:00
2023.12.21 17:00
12月15日から17日の3日間シアターマーキュリー新宿で上演され、AOI Pro.が企画・プロデュースを手掛けたコント公演『混頓 vol.2』で初共演した堀田茜と樋口日奈。
女優、モデル、バラエティーと多岐に活躍しながら、舞台初出演で主演を担った堀田は「コントの見方が変わった」と本作を振り返る。一方の樋口も本格的なコント作品は今回が初挑戦。揃って新境地を開拓した2人に互いの印象やプライベート、2024年に向けて……といったテーマで話を聞いた。
自分の中の新たな引き出しを見つけられた
──お二人は今回が初共演ですが、共演する前と後でお互いの印象は変わりましたか?
堀田 最初のイメージは、純粋無垢で、聡明で真面目そうというものだったのですが、実際に共演してみてもそのままでした。でも、ラジオで私がせっかちだという話をしたら「私もせっかちだからわかります」と言っていて、行動を見ていると確かにめちゃくちゃせっかちなんですよ。
樋口 えー、本当ですか?!
堀田 私を超えているかも(笑)。でもきちっとしているから見ていて気持ちがいいし、頭の中が整理整頓されている方なんだろうなと思いました。
樋口 私はバラエティ番組のイメージが強かったです。一生懸命な姿がとてもかわいらしくて面白い方だなと思って拝見していたのですが、実際に共演してもそのイメージは変わらずでした。でも1つ意外だったのが表情。言葉を発していないときの表情もすごく面白いんです。綺麗なのに面白い。そこは共演して初めて知った一面でした。

──相手のお芝居や現場での居方で印象的だったものは何かありますか?
堀田 「混頓vol.2」はお話が2つあるんですが、どちらもはまり役だなって思って。つまり、どんな役にでもスッと馴染める力があるんだなと感じました。見ていて、それこそ混沌とするんですよね、「あれ、これって素に近いキャラクターなのかな?」って。それくらい引き込む力があってすごいなと思いました。
樋口 ありがとうございます。私は、演出家の方が提示してくれるものが上手く表現できなかったとき、わからなくなって悩んでしまうタイプなんですが、堀田さんは「一回やってみてもいいですか?」「もう一回やらせてください」ってスパッと返していて。コントはお芝居で笑わせなくちゃいけないので、それをもう一回挑戦するってすごく難しいし、一度恥ずかしいと思ってしまったら終わりだと思うんですけど、堀田さんはそれが全くなくてカッコいいなと思いました。
──お二人は「混頓vol.2」が本格的なコント作品に初挑戦となりましたが、チャレンジしてみていかがでしたか?
堀田 楽しいです。それに尽きます。普段からお笑いが大好きで、コントを見るのも大好きなんですけど、作っている側はこんなに緻密に計算して演じたり、(脚本を)書いたりしているんだということを実感して。コントに対する見方が変わりました。でも稽古中は本当に面白くて楽しいんですよ。他の役者さんの演技を見て笑うのも、どんどん脚本が進化していくのも面白い。一方で、間の取り方やセリフの言い方、キャラクターの作り方はすごく難しい。だけどそれも学びですし、普段やっているお芝居とは違って自分を出せるというか……ここまで自分が持っているものを引き出してもらえるというのは、コントならではなのかなと思います。本当に楽しいし、心の底から「混頓vol.2」に出られてよかったなと思っています。
樋口 人を笑わせることって一番難しいんだろうなと思いました。今回自分がチャレンジさせていただいて改めて芸人さんへのリスペクトが止まらなくなりました。本当に簡単なことではないし、でもそれを簡単に見せなくてはいけないのもコントだと思うし。そこがすごく大変です。でも今回の作品を機に、自分の中の新たな引き出しも見つけられたと思っています。コントは引き算の演技というよりも、足し算足し算で。さらに各々の足し算で大きく濃くなったものが、掛け算でかけ合わさってすごく大きなものになる。それがすごく新鮮で楽しいです。

──今作を経て、自身がどのような成長をしたいと思っていますか?
樋口 私は今回の作品で、今まで自分になかった引き出しを発見できましたし、それがすごく楽しいと思えました。今までは優しい人の役を演じることが多かったので、これを機に強い性格の役や悪女の役も挑戦していきたいなと思っています(笑)。いろいろな振り幅を見せられるようになりたいです。
堀田 私も一緒ですね。悪女の役などもそうですが、現実世界でできない、悪いことや馬鹿なことをまっすぐにできるのもこの仕事の醍醐味。そういう役をこの先もできるようになれたらと思っています。あと、私は今回が初めての舞台作品。舞台に立って声を出すってこんなに気持ちがいいんだというのも発見で。舞台で大きな声を出すだけで、不思議とちょっと自分に自信がつくような感じがするので、それは発見でしたね。
次のページ