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オタズネモノ by 庄村聡泰 #6

創造力は深化に宿る、LAUSBUBの源流探検

2023.10.11 19:00

2023.10.11 19:00

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どうも読者の皆々様方「オタズネモノ」こと庄村聡泰にございます。当コラム第6回目にご登場いただきましたのは、北海道は札幌発のニューウェイヴ・テクノポップバンドLAUSBUB。一聴して強烈に匂い立つその音楽愛を深掘りしたところ、またなかなかにマニアックな用語が飛び交う内容と相成りまして、超楽しかったんですけど読者様がついて来れるか不安です(笑)。

出会いのきっかけや部活のお話、名を轟かすきっかけとなった「SCHOOL OF LOCK!」の話題、そして今年リリースの筆者がとってもツボった「80+1 Hardy Ones」で印象的なギターの「カーン(通称ヘッドピーンと呼ばれる奏法)」や「Michi-tono-Sogu」の中にNewJeansを忍ばせるそのセンスの中身など、ざっくばらんにあれやらこれやら、オタズネモウシテ参りました。

高校の軽音部で最初から浮いていた岩井

──お2人を初めて知ったのが、一昨年のTOKYO FM「SCHOOL OF LOCK!」でのサカナクションの山口一郎さんとの対談でした。LAUSBUBがより広く知れ渡ったインタビューのようなものは、あれが初めてでしたか?

岩井莉子(以下、岩井) そうですね。初めてのラジオ出演でした。2人ともインタビューとかも受けたことがなくて。

髙橋芽以(以下、髙橋) 何をどうしたらいいかわからなくて(笑)。まだその時Twitterで話題になって結構すぐだったので、自分たちでもあわあわしていて、ずっと緊張してました。

LAUSBUB(左から 岩井莉子、髙橋芽以)

──いきなりでびっくりしましたよね、きっと。オファーの経緯は?

岩井 私たちが出場していた大会の主催の方を通して連絡いただきました。

──2021年1月に「Telefon」が爆発的に拡散されてのオファーだったと思うのですが、当時は「どうやら私ら話題になってるっぽいぞ」みたいな感じだったんですか?

髙橋 Twitterはやっていたので、普通に平日は高校に行って帰ってネット見たらそういうことになってるって気付いて。すごい衝撃でした。

岩井 私も友達から言われて気づきました(笑)。「Twitter見てみなよ」って。

LAUSBUB – Telefon (Official Video)

──そういう意図で作られた楽曲ってわけでもなかったって過去のインタビューで拝見したんですけど、バンドの起点は「Get Stir Crazy」だったんですか?

岩井 最初に作った「Get Stir Crazy」は2人で試しにやってみようみたいなノリだったんですけど、話題にしていただいた「Telefon」は、高校の軽音の大会に出場するための曲だったので、大会の中でのウケみたいなことをちょっと意識しました。ポップに自分たちのルーツとかを全部盛りできないかなと思いながら作ったんですけど、大会外で聴いてもらえるとは思っていなかったので、予想外でした。

──元々軽音部で出会ったと伺ったんですが、部活では尖ってた方だったんですか? それとも深掘る人たちが多い環境だったでしょうか?

髙橋 私は高校入りたての時、今ほど音楽を聴いてたわけではなくて。誰とバンド組むとか好きな音楽を共有し合おうみたいな、部活の最初のミーティングがあったんですけど、そこで莉子が自分の好きなミュージシャンを書いた紙を持って来ていて、1人だけ浮いて……いて(笑)。そんな人はいなかったし、一覧の中に自分の知ってるアーティストがいたので、それで話しかけたのが最初でした。部全体がそういう人が多かったってわけではなかったですね。

──それはどなただったんですか?

髙橋 細野晴臣さんもありましたし、はっぴいえんどとかnever young beachとか。高校入る前に聞いていたバンドがありました。他にも洋楽と邦楽で分かれて、50音順でみたいな(笑)。

──その一覧見たいです(笑)。当時どういった意図で作成したんですか?

岩井 高校でスマートフォンが使えなかったので、「私こんなの聴いてるんだよね」っていうのが、どうしたら一番伝わるかなって思って。それを好きなジャンルとアーティストの名前で誰か1人でも「知ってる」ってなる人がいればいいなと思って作りました。

──やっぱり嬉しかったですか?

岩井 はい、もう絡もうと思って(笑)。

──部内で流行ってたのはどういうジャンルだったんですかね?

岩井 何流行ってたんだろうね?

髙橋 ヨルシカ好きな方多かったかな?

岩井 周りはHump Backとかカバーしてましたね。

──別のインタビューで拝見したんですけど、いきなりKHRUANGBINやTempalayをコピーしたと。部内でも音楽の情報のやり取りはあったんですか?

岩井 私は同級生ではいなかったんですけど、1つ上の先輩たちにZAZEN BOYSとかのバンドのカバーをされてる方たちが一部いらっしゃって、その方たちと私とでバンドやってた時期にそういうインプットというか、自分にとって新しい音楽との出会いがありましたね。

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オリジナルを作るきっかけは髙橋の声

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作品情報

LAUSBUB 1st EP『M.I.D. The First Annual Report of LAUSBUB』アナログ盤

『M.I.D. The First Annual Report of LAUSBUB』アナログ盤ジャケット

『M.I.D. The First Annual Report of LAUSBUB』アナログ盤ジャケット

LAUSBUB 1st EP『M.I.D. The First Annual Report of LAUSBUB』アナログ盤

2023年11月3日(金)リリース
NJS-774/3,300円(税込)
仕様:12inch 1LP 33 1/3RPM

購入はこちら

収録内容

Side A:
1 Ambient Fog
2 Wind City
3 The Catcher in the Dai -Radio Session-

Side B:
1 Sports Men
2 Get Stir Crazy -2022 mix-
3 Wind City -CM Edit- [Bonus Track]

LAUSBUB「Michi-tono-Sogu」

「Michi-tono-Sogu」ジャケット

「Michi-tono-Sogu」ジャケット

LAUSBUB「Michi-tono-Sogu」

2023年6月21日配信リリース

配信はこちら

LAUSBUB シングル『80+1 Hardy Ones』

『80+1 Hardy Ones』ジャケット

『80+1 Hardy Ones』ジャケット

LAUSBUB シングル『80+1 Hardy Ones』

2023年5月17日(水) 配信リリース

配信はこちら

2020年3月、北海道札幌市の同じ高校の軽音楽部に所属していた、岩井莉子と髙橋芽以によって結成されたニューウェーブ・テクノポップ・バンド。
2021年1月18日、Twitter投稿を機に爆発的に話題を集め、ドイツの無料音楽プラットフォーム”SoundCloud”で全世界ウィークリーチャート1位を記録。同時期に国内インディーズ音楽プラットフォーム”Eggs”でもウィークリー1位を記録。同年6月18日、初のDSP配信となる配信シングル『Telefon』をリリース。翌日6月19日 初の有観客イベント「OTO TO TABI in GREEN (札幌芸術の森)」出演。初の配信・有観客公演が続き、SNSでは反響多数。その話題性のみならず、本格的な音楽性からミュージシャン・音楽ファン・各メディアからの注目を集めるニューウェーブ・テクノポップ・バンド。

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    #インタビュー#オタズネモノ#庄村聡泰#黒子首

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