2023.09.13 19:00
2023.09.13 19:00
日本のファンは本質を受け止めてくれる
内田 もうおっしゃる通りのことを感じるというか。なんですけど、ブルーノさんの1stと2ndのアルバムは結構ソウルとかジャズとか、それこそチェット・ベイカーだったり、J・ディラやディアンジェロみたいなネオソウルのルーツをすごい感じたんですけど、3枚目は結構フォークの濃度がすごい高くなったなっていうのを感じていて。それは何か心境の変化があったんですか?
ブルーノ やっぱり自分自身はギタープレイヤーなので、そのギターを手に取ると、例えばいっぱい練習しなきゃっていうこととか、スケールとかアルペジオとかそういう専門的なこととかが頭に浮かんじゃうのでギターで曲を書くのがすごく難しいところがある。それで1枚目と2枚目のアルバムはピアノで曲を書いたんだ。
だけどこの3rdアルバムはギターを手に取って、なんとなくそこで曲作りを始めて曲ができて行った感じなんだよね。ギター主導で曲作りをしたアルバムだからフォークっぽい感じに仕上がったのかもしれない。ある意味では1stと2ndで示したスタイルっていうものにあまり捕らわれてないアルバムになったんじゃないかなと思う。
内田 色々な影響を受けてご自分の音楽を作られていると思うんですけど、その3枚目のアルバムの「The End」っていう楽曲のブライアン・メイのようなギターソロはもう本当に感動しまして。
ブルーノ ありがとう。ブライアン・メイっぽく弾こうっていうつもりは全然なかったんだよね。僕の中ではあれはショパンの(スキャットで「雨だれ」を歌う)なんだけど、ギターで弾いたらこうなるっていうのをちょっとやってみた感じなんだ。
内田 なるほど。いやあれは素晴らしかったですね。
ブルーノ ところで、怜央の音楽にはジャミロクワイっぽいところがすごく感じたんだけど。
内田 ジャミロクワイだったり、ファンク、ソウル、ネオソウルだったりR&Bだったりというところに影響を受けてますね。
ブルーノ すごく楽曲がしっかりしてて音楽的な広がりがあると思う。マイケル・ジャクソンとかジャミロクワイとか、自分がすごい好きな音楽の影響とかも見て取れるのがすごく楽しいと思ったかな。特に怜央たちの音楽もそうなんだけど、日本の音楽ファンの音楽への愛っていうか、音楽の本質を受け止める力っていう愛があるなあっていうふうに思っていて、例えばイギリスとかだったら、ステージでアレンジして弾いてるところとかは全然聴きたくないっていう感じで、そんなのより歌モノみたいなのを聴きたいっていう人が多いと思うんだけど、そうじゃなくて音の一つひとつとか広がりとかをちゃんと楽しんでるなあっていう印象があったんだよね。
内田 それはブルーノさんのファンの質がすごいいいので、あれですよ、日本にももちろんそういう人はいっぱいいますよ(笑)。
ブルーノ ほんとに?
内田 ブルーノさんのファンだからですよ。自分の場合はインプロビゼーションが全然盛り上がらない時とかあるので(笑)。
ブルーノ (笑)。