2023.09.01 17:00
2023.09.01 17:00
モデルは自分にとっての「戻れる場所」
──モデル業と俳優としての活動、両方を続けて来られていますが、俳優活動も10年を超えられましたね。今回の『緑のざわめき』のように、ディスカッションしながら作り上げたりすることは、他の現場でもよくあるのですか?
そんなには多くはないです。例えば現場で声を大にして「こうしてみましょう」みたいなことを言うのって、それはそれで私個人の解釈でもあるし、もしかしたら「そうじゃない」と思っている人も多いかもしれない。そういう前提がある上で声を上げる、というのはなかなか難しいことですし。ただ、その場所に参加している皆さんの意見を交換して、全員にとって「気持ち悪さ」がないような形で進めていくのが多分一番いい気はしています。そういう意味では、『緑のざわめき』の現場はその「気持ち悪さ」は全くなかったんですよ! 安心感が全然違いましたし、その点はすごく良かったですね。
──多くの現場を経験してきた岡崎さんならではの言葉だな、と思います。近年、俳優としての活動の中で与えられる役や現場でのポジションに変化を感じることはありますか?
そうですね……その場所、作品ごとに思うことはたくさんあります。例えば自分自身の意識が変わったなと思うのは映画『mellow』(2020)、その意識や考え方が一度壊されたなと思うのはドラマ『教場II』(2021)で、「この場所だから知ることができたな」というものが多かったのはドラマ『花嫁未満エスケープ』(2022)。特にこの作品では初めて主演をやらせていただいたんですけど、そのポジションだからこそ思うことや気づくこともあるし、自分がどういう立場でいなくてはいけないかとか、考えるべきこととか、すごく学べた場所でした。
──俳優としての活動が忙しくなる中で、モデル活動との兼ね合い的なものは生まれませんか?
モデルのお仕事は、私にとって「戻れる場所」でもあるんですよ。そして、その場所の存在に助けられていたりもするんです。映像ではいろいろな作品をやらせていただきますけど、ドラマだと3ヵ月間、映画だと1ヵ月もせずに一緒に作品を作っていたメンバーがまた違う場所に散って行って……というのが当たり前。でも雑誌のお仕事では変わらない編集さんたちがいて、スタッフたちがいて、という場所なんですね。だから「ホーム感」があるし、それが嬉しかったりするんです。だからできる限りは、両方を続けていきたいな、と思いますね。
──「表現」という意味では、双方にいい相互作用みたいなのはあったりするのでしょうか?
俳優業を始めたことで、モデルとしての表現が深まったなという感じはしています。モデルとしての撮影にも大体ストーリーがあったりするんですけど、ただ悲しい顔をするとかではなく、きちんと気持ちを込めて表現することができる。そういう変化はあるな、と自分では思いますね。
──ちなみに、『新しいカギ』ではコントにも挑戦されていますよね? そちらの経験はどう影響されていますか?
これはもう、自分が楽しんでやっているといいますか(笑)。現場だと芸人さんたちのアドリブ合戦がすごいんですよ! それを間近で見られるのはすごくいい経験ですし、自分自身も鍛えられます。収録が終わったあとに気持ちがフッとなる感じが、他の現場とは違うんですよ……脳がかなり働いてる時間なんでしょうね。いや本当に、何が起こるかわからないので!(笑)。
──ちなみに、趣味が神社巡りと伺ったんですが、今でも結構回られますか?
時間があれば巡りますよ! 私にとって神社巡りは、心が何かまっさらになるというか、一旦ゼロに戻る時間なんです。行くたびに「ちゃんとしよう」と改めて思えるといいますか。そうそう、『緑のざわめき』の撮影のときも、間で時間を見つけて佐賀の神社に行ったんですよ。そういうのもまた、自分にとっては大切な時間だな……と思っていたりします。