2023.09.02 17:00
2023.09.02 17:00
音楽がやりたいことにいちばん向いていた
──そういうお話を聞いていくと歌詞の解釈も変わってくるので、アンコンシャス・バイアスが解放されている感覚があります。ゆったりと心地よいトラックですがどこか緊迫感もあって、打ち込みだけではなくバンドサウンドも入っているので、それこそいろんなものの「間」で出来上がっているのだろうなと。
出来上がった音源を聴いたら、歌詞も書きたくなっちゃったんですよね。本当は自分で書くつもりはなくて、ちゃんとプロの方にお願いしようと思ってたんですけど、聴いたらもう「書きたい!」ってなっちゃって。書きたくなるんだなあ……ってほんとびっくりしました。これも作っていただいたトラックとわたしの間に「間」が生まれたからだと思っていますね。初めて挑戦したわりにはめちゃくちゃスムーズだったので、「わたしは歌詞を書きたかったんだな」とも思いました。実はさっき話した「たくさんのアンコンシャス・バイアスを抱えながら生きることこそがあなたである」は、歌詞を書くなかで気付いたことなんですよ。
──そうだったんですか。
「アンコンシャス・バイアスからの解放」というざっくりとしたテーマを置いて歌詞を書いていくと、「これはまだまだ深いところまで掘れるぞ」と気が付いて。「思考実験してる!」ってすごくテンション上がりましたね。でもこの曲を作るなかで出た結論が、答えだとは断言したくないんです。
──この先、まだもっともっと深いところまで掘り下げられるかもしれないからでしょうか?
歌詞を書くまで気付かなかったことが歌詞になっているということは、まだまだ底に届いてないかもしれないと思うんです。歌詞を書いた当時の夏絵ココが出した結論ではあるんだけど、この結論もいつか変わるというのは経験上わかるから、これが答えだとは定義してないですね。今深掘りしたら全然違う結論が出る可能性も大いにあると思います。
──ラスサビの前の3行の歌詞は印象的でした。ここに核心を持ってくるのは往年のJ-POPマナーでもあり、「Virtual mod Real」の歌詞のなかで最もわかりやすい言葉が使われているので。
わたしは新しいもの好きですけど伝統的なものも好きなので、おっしゃるとおりそこは定型に則っています(笑)。「わたしもそういう定番やりたーい!」って(笑)。だからここをフックにして、逆算して歌詞の世界を固めていったところもありますね。「どんなバイアスがあろうが、どんな自分も自分だよね」というのを噛み砕いて伝えたかったんです。
──アンコンシャス・バイアスも無意識とはいえその人が選択したものなので、ある意味その人のカラーが出るものと言い換えられるなと、夏絵さんのお話を聞きながら思いました。
やっぱりずっと存在しているのに触れられない世界があるのは気づいていないからだし、それに気づいたときって人間はびっくりするぐらい成長すると思うんです。例えば誰かに真正面からバン!と「そういうの良くないよ」と言われてハッとすることあるじゃないですか。それは初めてすごく感動する映画を観たときの衝撃と似ていると思うし、自覚した瞬間にアンコンシャス・バイアスではなくなるんですよね。今まで存在に気付かなかったアンコンシャス・バイアスが、気付いた瞬間に認証性バイアスや認知バイアスに変わるってすごくエモい!
──これまでの活動で得た知見が音楽になり、制作のなかでより深みを増したことは夏絵さんにとって衝撃的であり感慨深いものもありそうですね。
ずっと心が震えている感覚がありますね。おかしいかもしれないんですけど「あ、夏絵ココやっと始まったな」という感覚があるんですよ。自分のやりたいことにいちばん向いているのが音楽というツールだったんだなと、今回で初めて気付きましたね。
──それも夏絵ココとして研究員さんと向き合ってきたからこそたどり着いた考え方なのだろうなと思います。SNSは画面の向こうの相手の思うことがダイレクトに入ってくるツールだからこそ、夏絵さんの求める間が大きな力を持ったのかもしれません。
やっぱり人間って、実際に面と向かって目を見て話すと自分自身を取り繕っちゃうんですよ。本音を言うのは難しい。たとえばものすごくセクシーな人を目の前にして、「エロいっすね!」なんてなかなか言わないじゃないですか(笑)。
──あははは。たしかに。
それを言えちゃうのがSNSのコメントですよね。「今のチラ見せがいい!」なんてコメントだから言えることだと思うんですよ。「実際に口に出してないけど思ってることっていっぱいあるよね。みんなそれを言いたいんだよね。コメントじゃないと言えないことってたくさんあるよね」って思うんですよね。どれも嘘じゃないんですよね。
──面と向かってはなかなか口に出せない、たくさんの人たちの本音に揉まれに揉まれたから、今の夏絵ココが存在しているんですね。
本当にそうですね。やっぱりどんな意見も「あなた」であるというだけなんですよね。その「あなた」の思ったことに触れて、自分はどんな感覚になるかが大事だと思うんです。それをこちらが好きになるのか嫌いになるのかは、その後の話なんですよね。「感覚」という条件反射に付随してくるのが「感情」だと思うんです。今後はそのあたりも探っていける活動をしていけたらと思いますね。
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