庄村聡泰が私見を交えて今年の注目アクトを総括
開催まで4週間！8,000字でも伝え切れないフジロックフェスティバル ’23の見どころ徹底解説
2023.06.30 18:00
2023.06.30 18:00
日米ポップミュージックの頂点を体感できる最終日
3日目のGREEN STAGEはもうワールドワイドな現代ポップミュージックの祭典と言える絢爛豪華なラインナップ。並びを見てみよう。ヘッドライナーのLIZZOにYUKIと来ている。さながら日米のポップスター揃い踏みではないか。そしてそれを野外で、あの広大に開かれたGREEN STAGEで体験出来るのである。何と贅沢な顔ぶれだろう。度々引用するが「超気持ちいい音楽」の真髄ここにあり、と言ったところか。本来であればここにLEWIS CAPALDIが加わる事で日米英のポップスター夢の共演、彦麻呂（敬称略）的に言えば“ポップスのトリプルプレーや〜”となる筈だったが、致し方なし。いやいや、おっさんは待ってるからゆっくり休んでくれよと思っています。GREEN STAGE初出演となるSUPER BEAVERやnever young beachは俄然燃えている筈だ。これまた何とも贅沢な体験。各々が思うGREEN STAGEならではの景色が繰り広げられる事を、期待したい。
打って変わってWHITE STAGEではなかなかにカオスな顔ぶれが並ぶ。新たなトレンドとなりつつあるハイパーポップの旗手100 gecsの初来日やド変態な音楽性、並びにヴィジュアルイメージなのに何故か世界中でやたらめったら評価が高いBLACK MIDI（褒めてます）、そして最早“キング・オブ・パワーポップ”であるWEEZERにカネコアヤノやドミコにスターダスト・レビューをぶつけるという、GREEN STAGEと真逆のルール無用っぷり。こちらの顔ぶれが一挙に同ステージに上げられちまうのもフジロックの胆力ならではの賜物だろう。
RED MARQUEEでも注目のアクトが多数だ。先日当媒体にてインタビューさせて頂いたNIKO NIKO TAN TANは2年連続の出演。“多国籍オルタナティブK-POPバンド”を自称するBALMING TIGERは音楽性や成り立ちからもmillennium paradeを想起させるクリエイティブ集団。続くはキーボーディストとしてのみならずその高度な音楽性からプロデューサーとしても世界的な注目を集めるJOHN CARROLL KIRBY、そしてフジロック初登場のFKJだ。あの極上の音楽体験であったウユニ塩湖でのパフォーマンスが、ついに眼前で繰り広げられる時がやってくる。深夜帯のTHE BLESSED MADONNAのミックスでブチ上がり、GINGER ROOTの甘い歌声に酔い痴れ、きゃりーぱみゅぱみゅでいやほいするのも楽しみだ（体力よ持ってくれ）。
唯一と言っていいほど徹底してトンマナが整っているのはFIELD OF HEAVEN。この日も民謡クルセイダーズからのOKI DUB AINU BANDという音のルーツ探訪の旅へと連れて行ってくれる2組から始まり、トリはアイスランドの至宝ASGEIR。そしてその前にはJATAYUに次ぐ私的イチオシのG. LOVE & DONAVON FRANKENREITERという奇跡のデュオが降臨する。もう既に筆者はFIELD OF HEAVENに住み続けた挙句に遺骨もヘブンに散骨してくれよという遺書を書きたい気持ちすらある。
というわけで、改めてその全容がほぼ明らかとなった「FUJI ROCK FESTIVAL ’23」開催前の総括をさせていただいた。とんでもなく長ったらしい雑記となってしまったがそれも愛が故との事でどうかご容赦いただきたい。そんな事よりも勝手に居住に加え散骨場所までFIELD OF HEAVENに決めたというフジロック運営にとっては極めて迷惑千万な著述が含まれるため、もしかしたらこの記事をもってして筆者はフジロック出禁となるかもしれないが、きっとそこはBezzy編集長が何とかしてくれるはずだ。
関係各位、おなしゃす。
