ハイテンションな役に挑んだ『対ありでした。』を振り返る
茅島みずき&田鍋梨々花が過ごした“格闘”の日々、殻をやぶった新境地の裏側
2023.05.22 17:30
2023.05.22 17:30
“格ゲーマー”ならではの役づくり
──作品のお話に戻りますが、格闘ゲームって慣れ親しんだものでしたか?
茅島 この作品を通して知りました。親の世代はドンピシャで、お母さんに話をしたら「そうなんだ! すごく良いじゃん」って感じで盛り上がって(笑)。キャラによっての技の出し方とかも全然違うので、練習がすごく大変だった思い出があります。
──それは、コマンド入力などですか?
茅島 はい、最初は全然わからなくて! 「何がどれ?」みたいな。持ち方もみんな自分がしっくりくるのを試しながら決めたんです。ボタンの押し方とか操作一つで出る技が変わってくるので、「全然技出ないんだけど!」っていうところから始まって。
──技を出す練習もしたんですか?
茅島 しました。各自アケコンを持ち帰って、一覧表もいただいて、こういう動きしたらこの技が出るんだっていうのを見ながら、みんな家でひたすらやっていたと思います。
──劇中、永瀬莉子さん演じる一ノ瀬珠樹がやっていた100回成功させるみたいなノリってことですよね。田鍋さんはどうですか?
田鍋 ゲーム用語とか全部初めてで。アケコン(アーケードコントローラー)自体も間近で見たのは初めてでしたし、秒数とか使い方とか全部が初めてで、慣れるまで時間がかかりました。でもちょっと覚えると、もっとできるんじゃないかと思って熱中しちゃって、自宅でもずっとやっていました。
──その後にはキャラの名前を覚えないといけなかったり、どうやってゲーマーの世界に自分を投影していったんですか?
茅島 私が演じた役は専門用語を早口で言うシーンが多かったので、なかなか覚えられなくて。意味やイントネーションが合っているのか、ゲームの先生に聞きながら覚えましたね。
田鍋 私はゲーム用語より、ゲームをしている時の狂ったような表情にエネルギーをいっぱい使うのがちょっと大変でした。
──ある意味、ホラー映画の悪役的な表情でしたもんね(笑)。劇中でチームだった池田朱那さん、永瀬莉子さんとの4人でいる時は部活のような雰囲気があったんですかね?
茅島 思い返してみると、部活感はあったかなって思います。朝から晩までゲームシーンを撮る日も多かったので、体力も使うし、みんなで頑張ろうねって支え合いながら撮影していました。
──そのお2人はどういったお人柄なのかも気になりました。
田鍋 莉子ちゃんは「Seventeen」でも一緒だし、他の作品でも一緒に長い期間撮影したことがあったので、性格を自分たちの中で分かり合えているというか、安心感がありました。朱那ちゃんは初共演だったんですけど初めましての距離感じゃなくて、フレンドリーにお話してくださって。私は初対面だとよく緊張するんですけど、全然緊張せずにすぐ4人一緒に溶け込んでお話できて、優しい雰囲気を持った方でした。
茅島 莉子ちゃんは、前の作品の時から誰とでも仲良くなれる印象があって、柔らかくて、何でも一緒に笑ってくれる、話しやすいしっかりした方だなと思っていました。朱那ちゃんは最年長だったので、みんなのお姉さんみたいな感じで頼れる存在でした。でも性格や声などすごく可愛らしくて、そのギャップが素敵だなと。
──ありがとうございます。お2人とも今公開を控えている作品はまた全然違うキャラクターですよね。今回『対ありでした』での演技は、これからどんな役が来ても大丈夫というような強烈なキャラクターだったと思いますが、お2人の今後演じてみたい役どころを教えてください。
茅島 私はずっと二面性がある役をやりたいと答えていたんですけど、それも以前の作品で演じさせてもらって。今までもクールな役が多かったので、少女漫画の王道ヒロインや、学生服がそろそろ危うくなってくる年齢になるかなと思うので、学生役ももう少しやりたいなって思います!
田鍋 私は逆に明るい子が多いというか、ちょっと天然だったり、ふわふわしていたり、突拍子もなく話し始めちゃう役が多いので、正反対なクールな役も演じてみたいなと思います。